人間社会分野

人は一人では生きていけません。現代社会は、さまざまな人が繋がることで、成り立っています。工学技術、科学技術が社会において適切に利用されるためには、人とは何か、生活とは何か、人と社会の繋がりとはなにかを理解し、よりよく生きるために必要な技術を見極めることが重要です。 工学、科学技術の発展は社会を豊かにする一方で、多くの人命を損なう可能性も秘めています。地球で生きる一人一人が、生きることへの理解を深め、新たな技術を生み出すにあたって倫理的な洞察、判断が求められています。

加藤 恭子 准教授(技術経営副専攻プログラム科目)

組織は「ヒト」が全てです!

世界に名だたるスーパースターをそろえた名門サッカーチームが、常に優勝するとは限りません。一方、スーパースター不在の野球チームがリーグ優勝することもあります。勝敗の原因はどこにあるのでしょうか?それは「ヒト」の使い方にあります。
これはビジネスの世界でも全く同じ。会社は、いくら優秀な人を採用しても、その人たちに能力を発揮してもらわない限り利益を上げることはできません。 「ヒト、モノ、カネ、情報」を経営の4資源といい、ヒトは会社にとって貴重な資源なのですが、現実の職場は実に多種多様な人々で構成されています。それらの人々をやる気にさせ、能力を十分に発揮させるために、会社は何をすべきなのか…。会社と働く人々の両方がハッピーになるような「しくみ」や「しかけ」を生み出すことが、私の研究のテーマであり目標です。
組織は「ヒト」が全てです!研究も教育も完璧な私のお手本です。机の前に写真を飾って、日々自分を奮い立たせています。
未来の女性研究者へのメッセージ
一つのことを誰よりもしぶとく、シツコク追い続けているのが研究者です。あちこちぶつかったり、上手く行かないことも多いですが、誰かの役になったり、幸せにしたりできる可能性のある素敵な仕事だと思います。
加藤 恭子 准教授加藤 恭子 准教授

春日 伸予 教授(電気工学科)

安全安心な交通社会の実現を目指して

ヒューマンファクターとは、人が使用するシステムが、安全かつ有効に機能するために、使う人の特性を研究してシステム作りに活かす領域のことです。春日研では、自動車などの交通システムを利用する時の人の特性を研究し、人がそれらのシステムを安全かつ有効に利用するための方策を検討しています。特に、システムの機能や作動状況に関する情報をわかりやすく人に提供するHMI (Human Machine Interface)の設計を行っています。近年は、自動運転技術に焦点をあて、ドライバーが自動運転技術を適正に使えるよう誘導したり情報提供したりするHMIの設計を行っています。さらに、ドライバーや同乗者が安心かつ快適に乗れる「人の気持ちに寄り添った自動運転車」にするべく、乗車している人を心理的にもサポートできるHMIの設計を行っています。また、今後は、電気自動車の普及のために、電気自動車の活用方法の提案とその実現を促進するHMIの設計も研究していきます。
研究室での実験風景研究室での実験風景
未来の女性研究者へのメッセージ
社会へ出る前に自分自身を見つめ、人との出会い、本との出会い、そして一瞬一瞬を大切にしてください。
春日 伸予 教授春日 伸予 教授

岡田 佳子 准教授(土木工学科)

自分を理解し、相手を理解し、互いを尊重することを伝えたい

児童生徒を対象とした感情教育とソーシャルスキル教育に関する研究を行っています。ソーシャルスキルとはコミュニケーションの力、人間関係の力のことです。例えば、小学校や中学校で授業の一貫としてソーシャルスキル教育を行うことで、学級の仲間づくりを促進する方法を研究したり、注意欠如・多動症や自閉症スペクトラム症等の発達障害を持つお子さんたちにコミュニケーションの練習をする方法を研究したりしています。
ソーシャルスキルの研究は子どものコミュニケーション力を向上するだけでなく、学校の先生が学級の児童生徒を理解したり、保護者の方々が子どもを理解したりすることにも役立っています。また、最近では大学の「人間関係論」の講義の一環として、大学生を対象に感情の自己理解や感情表現のスキルといった感情教育を中心に人間関係やコミュニケーションの力を育てる授業も研究しています。
小学校でのソーシャルスキル教育の実践の様子小学校でのソーシャルスキル教育の実践の様子(小学校4年生)
未来の女性研究者へのメッセージ
大好きな研究をする仕事をすることが大学院生のころからの夢でした。今は毎日とても充実しています。自分の研究が社会に役立つこと、子ども達の成長を間近で見ることができることは研究への最大の原動力になります。
岡田 佳子 准教授岡田 佳子 准教授

平田 貞代 准教授(技術経営副専攻プログラム科目)

経済・社会・環境を良くする為の人と技術の進化を支える技術経営

学部では主に心理学と教職を履修していましたが、研究室に導入されたコンピュータに魅せられて、システムエンジニアになりました。テレビの地デジ化やスパコンを構築しながら、情報システムを介して人々の生活やビジネスを支えるやりがいを感じました。同時に、先端技術を適用しても、作り手を披露させたり、使い手まで価値が届かなかったり、といった経験をしました。

そこで、先端技術の価値を損ねずに提供し、経済・社会・環境に貢献するために、”技術経営”に取り組みました。主な授業は、オペレーションズマネジメント、プロジェクトマネジメント、サービスイノベーション、品質マネジメント、等です。また、文化人類学のエスノグラフィをマーケティング、プロセス改善、組織変革に応用するビジネスエスノグラフィは、学部生、院生、社会人のいずれにも人気がある授業です。これらの分野には、技術偏重のアンチテーゼとして、人間中心の観点があります。私の研究室では、人間の行動や認識における矛盾や曖昧性にも応じられる製品・サービス・組織のデザインのための実践的研究に取り組んでいます。
快適な社会をつくるために人と技術の進化を支える技術経営
未来の女性研究者へのメッセージ
性別に限らず、社会には様々な差があります。最近は差が個性として認められつつありますが、研究会や産業界では女性は未だ少ないです。一方、研究やビジネスに女性の特性を取り入れると、新規性、信頼性、貢献度が高まることがあります。マイノリティをいかす余裕が持てると良いですね。
平田 貞代 准教授平田 貞代 准教授

本田 まり 准教授(情報通信工学科)

法学および生命倫理に関するテーマは「他人事ではない」

生命の始まりおよび終わりにおける法と倫理について、フランス語圏を中心として研究を続けています。発展途上国の医療にも目を配るよう心がけています。
正義の女神(ブラジル)正義の女神(ブラジル)
未来の女性研究者へのメッセージ
社会へ出る前に自分自身を見つめ、人との出会い、本との出会い、そして一瞬一瞬を大切にしてください。
本田 まり 准教授本田 まり 准教授

村上 嘉代子 教授(電子工学科)

さまざまな情報を使って観光振興に役立てる

今では「インバウンド」という言葉は当たり前のように聞く言葉となり、それが訪日観光(訪日外国人観光客)を意味することも広く理解されています。特にここ10年の間に訪日外国人観光客数は大きく増加し、観光立国を目指す日本にとって、訪日外国人の動態調査、受け入れ態勢整備などは喫緊の課題です。研究室では、外国人観光客の日本旅行に関する口コミ分析、ウェブサイトの多言語化、効果的なインバウンドプロモーション方法に関する研究を行っています。また、日本各地の観光資源の魅力を多くの観光客に知ってもらうために、言語情報や自転車を活用した観光促進のためのシステム開発にも取り組んでいます。
2足のわらじを履いて楽しむ日本旅行を体験した外国人観光客が口コミを発信し、その口コミを受信した外国人が日本旅行を体験する、という連鎖を表した図
未来の女性研究者へのメッセージ
研究は大変に見えるかもしれませんが、、自分の好きなことに没頭できる楽しい時間です。成果が表れ、少しでも社会に役立っていると感じられたときの喜びはひとしおです。地道な努力が大切です。
村上 嘉代子 教授村上 嘉代子 教授

谷田川 ルミ 教授(土木工学科)

持続可能な社会の発展のために次世代を育成する

私は「教育」を社会学的な視点から分析する「教育社会学」をベースにした研究を行っています。扱うテーマは教育や社会に関することなら何でも対象となりますが、現在は、大きく分けて以下の2つの視点から研究を行っています。

一つは、中学生、高校生、大学生といった若年世代のキャリア意識についての調査分析です。質問紙調査やインタビューといった社会調査の手法を用いて、これからの教育現場で求められるキャリア支援に寄与する基礎的な知見を収集し、より現実に対応した支援策の構築を目指しています。

二つめとしては、少子高齢化が進んだ何十年後かの地域社会の予測データを基に、未来の社会の担い手である中高生たちに持続可能な社会のために必要なことを考えてもらう教育プログラムを開発し、その教育効果や意識の変化などを質問紙調査等を行って計量的に測定する研究です。未来の社会のための基盤整備に寄与する研究を目指しています。
地域環境教育ワークショップの様子地域環境教育ワークショップの様子
未来の女性研究者へのメッセージ
為せば成る!努力を惜しまずに実力を身に付け、一度きりの人生を思い切り謳歌してください。
谷田川 ルミ 教授谷田川 ルミ 教授

矢田部 清美 教授(機械制御システム学科)

認知科学を応用しヒトと機械の協働を目指します

認知科学は哲学・心理学・言語学・神経科学・計算機科学(人工知能)等の学問分野を横断する学際領域です。認知とは生体の情報収集・処理活動であり,認知科学はその過程を明らかにする学問です。例えば,なぜヒトは右の画像に描かれていることを理解することができるのでしょうか。機械はどのようにそれを処理するのでしょうか。 多様で複雑な問題の解決にあたるにはヒトと機械のそれぞれの特性を生かし協調することが必要と考えられます。本研究室では,ヒトの高次認知過程の解明,そしてその研究で得られた知見を機械との協調に生かし,産業・医療・教育等の分野で社会へ還元することを目標としています。
この画像には何と書かれていますかこの画像には何と書かれていますか
未来の女性研究者へのメッセージ
多様で複雑な問題の解決には,多くのことを学び,多くの人との協力が必要と考えられます。その分,知識を蓄え,素晴らしい人々に出会える可能性が広がっています。それぞれの特性を生かし,協力して研究を進めましょう。
矢田部 清美 教授矢田部 清美 教授