グローバル分野

動向は一瞬にインターネットに流れます。多くの情報が従来のマスメディアを通じるだけでなく、様々な立場の個人、グループから発信されています。海外の動向が日本に与える影響は大きく、社会で活躍するにあたっては、異なる文化の理解、さまざまな人とのコミュニケーション能力が要求されます。さまざまな地域、文化が存在するなか、人種、宗教、法律などあらゆる多様性を理解しながら、母国語のみならず多様な言語を駆使し、グローバルな視点から考える力、伝える能力が、これから一層必要となります。

石井 朱美 教授(応用化学科)

音声の伝える情報の理解とコミュニケーション支援

コミュニケーションをとる時に私たち人間は「ことば」を用います。「話しことば」には文章として残る文字情報の他に、イントネーションや強さなどのかぶさる情報があります。これらの情報は話者の意図や態度、そして感情を表し、それらを聴き手が理解できると、コミュニケーションが円滑に進み、両者に「通じ合えた」という喜びが芽生えます。このような情報の表出と認知について、音声を収集し音響分析や印象評価を行っています。 また、音声を用いたコミュニケーション支援も行っています。神経筋難病など声を失う病気の患者さんは、「コミュニケーション手段がなくなることが何よりも怖い、できることなら自分の声でコミュニケーションを取り続けたい。」とおっしゃいます。患者さんご自身の声を録音しておき、コミュニケーション支援ソフトウェアと連動させ、それぞれの患者さんの状態とご要望に合う工夫をすることで、その夢を叶えるお手伝いをしています。
ALS患者さんの音声収録風景ALS患者さんの音声収録風景, 自然な会話の収録音声
未来の女性研究者へのメッセージ
自分の興味を追求できる「研究」という仕事は楽しいです。そして、それが誰かの役に立つともっと楽しいです。知的好奇心を原動力にして、頑張っていきましょう!
石井 朱美 教授石井 朱美 教授

恒安 眞佐 教授(建築学科)

個人差を意識した言語習得を研究

英語教育、中でも学習者の言語学習要因に関して興味を持っています。学習者の個人差、動機・性格・学習スタイルに焦点をあて、学力との相関関係を分析しています。また、授業学、中でも教材作成や授業案作成にも関心があります。学習者のニーズに沿った内容を通して、彼らの英語力・英語学習の関心がより高まれば、教員としてこれ以上に嬉しいことはありません。
自分も英語が苦手で大変苦労しました。日本人英語教員として、学習者と向き合い、個性を尊重しつつ、無理なく英語学習できる環境を整え、サポートします。
Textbooks:Basic English for ArchitectureTextbooks: Basic English for Architecture (Listening and Speaking, Reading and Writing)
未来の女性研究者へのメッセージ
色々な事にチャレンジしてください!自分のペースを見つけ、好きなことに夢中になってください!
恒安 眞佐 准教授恒安 眞佐 教授

真保 晶子 教授(環境システム学科)

住居の歴史と文化を様々な角度から追求する

私たちが日々暮らす住居は個人・家族という小さな単位の空間であるだけでなく、社会の縮図であり、歴史の通過地点でもあります。家庭における環境への取り組みや共同生活・病気・高齢・災害に対応できる新しい住居のあり方は、過去や他国の住生活の知恵から学ぶこともあるはずです。
私の研究は、近代イギリスの多様な史料をもとに、家具・住居の発展だけでなく、それらを使い続ける文化の基盤に注目します。単著Furniture-Makers and Consumers in England 1754-1851: Design as Interaction (Ashgate, 2015)では、工業化期のイギリスで、家具製造会社と消費者がオリジナルなデザインを追求した様々な「共同作業」について論じています。現在のテーマは近代イギリスの一般の人々が、自分自身の家具、住居そして地域の建造物の「修理」をどのようにとらえ、取り組んでいたかという点です。今後は都市・環境の歴史にも広げていきたいと思います。
住居の歴史と文化を様々な角度から追求するAkikoShimbo, Furniture-Makers and Consumers in England 1754-1851: Design as Interaction (Ashgate)(2015年12月出版)の表紙
未来の女性研究者へのメッセージ
研究は一生の趣味として楽しめます。
真保 晶子 教授真保 晶子 教授


吉久保 肇子 准教授(教育イノベーション推進センター)

教育・研究は未来への種まき

芝浦工業大学では英語教員として、授業だけでなくTOEIC対策を中心とした学生の語学力強化策の立案と推進を行っています。具体的には、学年・学科別にTOEIC結果を教授会等で報告、TOEIC表彰の実施、TOEIC対策講座運営、ランチタイム英語学習会のメンター等、大学全体での英語力強化体制の構築に努めています。要はTOEICの種まき係です。365日、寝ても覚めても四六時中TOEICの事ばかり考えています。
大学院では中世英文学を研究していました。アーサー王物語の文脈とその背景にある多元的構造に惹かれ、博士論文ではテキストの異同について、「夢」をテーマに分析しました。現在は、学修成果の分析や改善にも関心を持つようになり、学内外の教員と協働で、短期語学研修の効果測定を目的とした調査票の開発に取り組んでいます。最終的な目標としては、開発した調査票が本学だけでなく、国内外の大学における教育活動の評価・改善の一翼を担うことができればと思います。
教育・研究は「未来への種まき」だと考えています。日々の積み重ねが種となり、自分が一端を担った研究が、学生の笑顔という花を咲かせる。そんな姿を脳内で強くイメージするように努めています。
TOEIC成績優秀者表彰式TOEIC成績優秀者表彰式
未来の女性研究者へのメッセージ
結果を生み出すには、勇気を出して一歩を踏み出すことが大切。「花を咲かせたい!」というポジティブなイメージを持ち続けて下さい。
yoshikubo_new吉久保 肇子 准教授