受容を道しるべに——女性職員座談会「キャリアアップとwell-being 」2024.11

事務職員の男女比がほぼ五分ながら、管理職の女性比率が3割弱にとどまる学校法人芝浦工業大学(2024年5月現在で28.8%)。
2027年の創立100周年までにこれを50%に引き上げることを目標に、さまざまな取り組みを行っています。
女性にとっての管理職になることへの不安や現実の課題について、女性職員のキャリアパスの理解促進を目的に、年代・職位の異なる女性職員4名が座談会で話しました。

メンバー・司会

久保

就職・キャリア支援部 部長 久保 ひとみ
大学卒業後に入職し、経理、教務・厚生補導、大学院、地域連携・生涯学習部署を経て、現職

大室

学事本部 大宮学事部 次長 大室 さおり
人材業界の営業職から転職し、学事、教務・厚生補導、経理・財務部署を経て、現職

伊佐

総務部 総務・秘書課 伊佐 友里絵
金融業界の法人営業事務を経験後、建設コンサルタント会社から転職し、現職

長谷川

学事本部 改組準備室(大宮) 長谷川 敦己
大学卒業後に入職し、教務・厚生補導部署を経て、現職

磐田

副学長、DE&I推進室 室長 磐田 朋子
司会

管理職は「罰ゲーム」!? キャリアアップへの不安と周囲からの影響


iwata磐田

お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
本日は「キャリアアップとwell-being」というテーマで、世間では罰ゲームともいわれる「管理職」について、女性職員の方とおしゃべりをして考えていきたいと思います。

心身ともに健康的ということに加えて、社会的・経済的にも良好で満たされている」という状態を差すウェルビーイングにキャリアアップが貢献することは理想的ですが、責任や業務量の増加を負担に感じ、誰しもがそれに二の足を踏んでしまうのが実情かなと考えています。
さらに女性の場合には周期的な体調の変動に加えて、結婚・出産・介護などや伝統的な社会からの目や雰囲気のようなものもありますし、周囲にまだまだ女性管理職が少ないことで、無意識にキャリアアップを自分事として捉えられない場合もあるのではないかなとも思います。

本学の女性職員比率は43.1%(2024年5月1日現在)で、管理職の女性割合は3割弱です。これを5割に引き上げることを目指しています。

管理職の不安や課題は性別を問わず共通で、働きやすい職場環境は男性にとっても重要です。
本日の会をオンラインで視聴いただいている方へのアンケートでは管理職希望者が6割超ですが、ライフイベントとの両立や責任の増加、時間外労働している管理職が多い——などが理由で希望しない方もいます。

本学では上長の推薦で管理職になりますが、推薦された人がすんなりOKするわけではないとも伺っています。
それこそ昔の「出世こそ全て」みたいな時代から変わってきていることも大きいですが、皆さんには、就職して働き始めた時に職場にいた上司の方々を見て感じたことなどをお聞きしたいなと思います。

kubo久保

私は就職して配属された当時の経理課の課長たちは非常に仕事ができる人たちだと思っていて、でもその当時の職場環境って本当にすごくて、みなさんタバコを吸いながら仕事をしている時代でした。
会議もタバコを吸いながらの時代でした。
また管理職は理事会ともやりとりすることが多くて「とても高度な仕事なんだろうな」と、新人の頃は管理職は別世界と思っていました。

そんな時に課の女性の先輩からいろいろ教えていただき、近くの課には女性の課長もいて、もうパキッと働かれてすごいなっていうふうに思って見ていました。

新人の頃は、自分が将来管理職になるとは考えていませんでしたが、「自分も考えなきゃいけないんだ」って思い始めたのは、周囲の先輩たちが昇進していく時でしたね。

isa伊佐

最初に金融機関で働き始めた時、自分と同じ職種の管理職はいませんでしたが、上司にあたる管理職は毎日夜中までは当たり前で・・・・・・。
目標がある営業で働くその姿を見て、自分がいつか管理職になるなんて・・・・・・完全に他人事のように感じていました(笑)

尊敬はしていましたが、自分が出勤した時にはもう働き始めていて早く帰っているところは見たことないし、下から見ていると「できればなりたくない」(笑)というのが最初の印象でした。

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hasaegawa長谷川

最初は、厳しい方というイメージでした。
あと、入職当時の部署は管理職の方々の年齢層が高めだったので、自分に置き換えるっていうのが全然なかったですね。
やっぱり管理職の人ってもっと上の年代の人っていうイメージしかないので。

管理職の最初って課長補佐ですけど、そんな先輩もいなかったので。
もうその日々を頑張ることだけ、上司に怒られないようにすることが大事でした。

大室

私が最初に入った人材系の会社は、課長さんが30半ばぐらいとかで比較的若い人が管理職についていましたけど、業界柄もあるのかすごくいろんなトラブルも多くて、もうタバコが離せないみたいなストレスフルなところを見てたので。
そんな立場になるということは1ミリも考えらなかったですね、その時は。

本学に入ってからは性別関係なく女性も管理職になっていて、怖くもなくホントにフラットで「いい職場だなぁ」と思って見ていましたけど、自分がそうなるイメージはなかったです。

iwata磐田

「先輩達にどんな方がいるのか」っていうのが、結構大きな影響を及ぼしているんだなって感じますね(笑)
いずれはああいう立場になるのかなっていう雰囲気はちょっと感じられるかもしれないから、やっぱり一定数いないといけないっていうのはあるかもしれないですね。

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本学の管理職昇格者数の推移

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不安解消に必要なサポートを、当たり前に


iwata磐田

入職した時に示される「だいたい何年目で昇進」みたいな目安ってあるんですか?

kubo久保

特には無くて・・・・・・まぁ3年から5年はその部署で、みたいなのは何となくありますけど、人員配置の関係で「その限りではない」です。

iwata磐田

おおよそのキャリアビジョンみたいなものは、何となく周りの人たちから話を聞きながらイメージをしていくっていう状況なんですね。

今後キャリアを視野に入れて、もし「管理職に昇進しないか」みたいなことを勧められた時、管理職になったら期待すること、不安に思うことを伺います。

hasaegawa長谷川

やっぱりライフイベントや私生活とのバランスが重要だと思っているので、ライフイベントの最中には考えるかなとは思います。
でも私、人生ずっと挑戦していきたいと思っているタイプなので、「何事も挑戦だな」と思ってトライしたいなと思います。

ただ、その職務を全うできるか、という点は不安ですし。
みなさん「周りのバックアップで産休・育休取りやすかった」って言っていますけど、実際自分の時がどうなっているかなんて分からないので(笑)
そこはもう「なってみて」と思っていますが、そう言ってくださるのがすごく心強く思います。

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磐田

「周りの人たちに助けられた」というのが人に依存した状況じゃなく、それが当たり前にある環境を作って「必ずバックアップしてもらえる」と思えると、私だけ仲間外れみたいな(笑)不安が軽減されるかもしれませんね。

伊佐

私は事前の「管理職になりたいですか」というアンケートに「いいえ」と答えました。
現時点では自分に管理職の資質があるとは思えず、不安の方が断然大きいです。

ただこの職場に入って、女性の先輩や管理職の方々がすごく身近に感じられるっていうのが心強くて。
今まではキャリアについてあまり考える余裕がありませんでしたけど、本学で子育てを両立させながら生き生きと働く先輩方を見て、いつか終わる子育ての後を見据えて、自分も将来ママ以外の役割を持って仕事に臨みたいと考えるようになりました。

周囲の影響を受けてありがたく思いながら、そういう将来への期待感は感じています。

磐田

ありがとうございます、すごい率直なご意見だと思うんですよね。
ほとんどの人がそう思うんじゃないかなって。

管理職になると、仕事の幅が広がるじゃないですか。
今の仕事よりもチャレンジして、次にステップアップしたら仕事の幅が増えることがアウトプットという面ではメリットとして大きいのか・・・・・・「管理職になることのメリット」って、どんな風に今の時点で思います?

伊佐

どうしても私生活との時間のバランスが不安なんですが、逆に自分の裁量で動かせる部分も増えるので、管理職という立場でバランスが取りやすくなるのかなって。

あとは管理職になることで、周りから認められているんだっていう自信を持てる点も、大きなメリットだと思います。

hasaegawa長谷川

やっぱり「周りから認められる」っていうのはすごい共感します。
自分ができるようになったことを認められると、自信にもなります。

管理職の方々はしっかりしているので、「自分も一歩近づけたな」「また新しく頑張ろう」っていう気持ちになるのかなって想像しています。

磐田

管理職になると給料が上がるとかあるじゃないですか?そこはあんまり動機にはならない?(笑)

isa伊佐

それはあまり・・・・・・口には出せない・・・・・・(笑)

(一同笑い)

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磐田

それが全てではないってことですよね。
まぁそれはプラスアルファなのか・・・・・・どっちの方が大きいんですか?正直なところ(笑)

hasegawa3長谷川

それは、嬉しいです。

(一同笑い)

「案ずるより——」管理職の裁量


磐田

久保さんと大室さんは、今のお二人からの意見とか、実際管理職になった立場から見てどんな風に思われます?

kubo久保

管理職への昇進について、皆さんが不安に思われている部分については、本当にこれ「案ずるより産むが易し」です。
また私が課長になりたての頃、ある方から「逃げずに日々一生懸命やっていれば、何とかなる」という言葉をもらいました。
とても印象に残っていて、今でも厳しい状況になると、この言葉を思い出しています。

管理職になると、もうやらざるを得ないですし、その後慣れてきて自分のやり方みたいなものが確立されていく実感はありますね。
あと、自分の考えていることを好きなように動かせる部分は、正直あります。

磐田

「資質があるのか」とか「能力があるのか」とか、こう・・・・・・常に頭にありますよね(笑)

お話を伺っていても、常に転職のような異動があって、勉強して、っていう。

kubo久保

そうですね、今も「頑張るしかない」みたいな、いつまで経っても確実な自信って難しいなって思いながらやっている状況です。

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でも、なればなったでやります(笑)

(一同笑い)

磐田

管理職になって良かったなって思うことって、何かありますか?

kubo久保

全てではありませんが、自分の裁量で仕事が進められるというのは、良かったと思います。

磐田

それこそさっきの「裁量でコントロールしやすくなる」っていうところはありますね。

大室さんは?

大室

私も最初から「バリキャリ」を目指していたわけではなく、常に不安を感じています。
ずっと今でも、未だに不安です。

職位が上がることはすごくストレスになりますけど、私の知る限り、誰もがその瞬間からすぐに適応できるわけじゃないのかなと思っています。
みんないきなりそのレベルに達するわけではなく、徐々に、徐々に慣れていって、何年か経ってやっとそれらしくなるんじゃないかと思っていて。

なので、あんまり大きな心配はしなくても大丈夫だと思います。

あとはやっぱり、お仕事に関わる幅が広がったのでとても面白いです。
最近は経営陣が「こんなことを考えているのか」と垣間見る機会も増えてきて、そういうことを知れるのが面白いですね。

特に課のメンバーと一番身近な距離で、起こった問題に対処していくところにすごくやりがいがあって。
チームを自分で作り上げていく感覚を持てるのが良かったです。

iwata磐田

皆さんのお話を伺ってて、やるしかない——私もそういう感じなんですけど、実のところ(笑)
不安しかないけど、やるしかないっていう状態でやっているという。

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余裕と柔軟さ、チャレンジできる制度


iwata磐田

皆さんが将来にステップアップしていくために「こういうサポートがあれば、不安が解消されて、前向きにチャレンジできるのに」というような、必要なサポートってありますか?

ライフイベントについては、企業だと周囲のサポート側に報奨金を出すなどもあるそうです。
お金じゃない形でも、安心の材料となるようなサポートを提供できると良いと思ったり。

あとは、チャレンジしてなんぼの世界で慣れるまで時間がかかるのはもちろんですけど、次の職務で必要な基礎知識を学べる研修がないですよね。
そういうのは必要ないですか?

伊佐

イメージできないから管理職になりたいかどうかも考えられないのが正直あって。
もちろん身近に管理職の方々がいるので日々見てはいるんですけれども、管理職に関する知識がなさ過ぎて・・・・・・。

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磐田

しかも異動でどこの部署に行くかも分からないですもんね。
保育所が決まったばかりでキャンパスをまたいだ異動という話も、さきほど聞きましたけど(笑)
事前に相談があると嬉しいですか?

大室

そうですね、確かに保育所の手配とか、自分の努力や調整だけではどうしようもないことがあって、介護も同じだと思います。

キャンパス間の異動だとか職位の変更がある場合は、その人のタイミングに合わせて対応することができるかどうか、希望が叶うかどうかは別として、気にかけてもらえれば違ったかもしれません。

当時は命令だと感じていて、「子どもをこっちのキャンパスのそばに預けるので行けません」とは言えませんでした。

iwata磐田

聞いてもらえないと、自分からはなかなか言えないですよね。

ライフイベントは性別問わず誰しもが何かしら経験するところだと思うんですけども、そういうものに限って予測できないじゃないですか。
例えば、子どもが突然熱を出すなどもあります。
突発的なライフイベントが将来必ず起こることを想定して、困りそうなことや実際に困ったことって、何かありますか?

kubo久保

私は今後起こるのが介護ですが、部長という立場だと絶対に外せない会議やイベントがあって、それをどうするんだろう・・・・・・というのはあります。
介護は自分で抱えず外部の機関に頼ることになるんでしょうけど、実際にどうなっていくのかなっていう想像が今ひとつできないですね。
なので、会議やイベントに代わりに出てもらえるよう、巻き込んでやっていくとかが考えられると思います。
自身が不在でも、誰かが対応できる体制を常に作れるといいのでしょうね。

iwata磐田

どうやったら作れますかね?(笑)これ。

大室

男性職員も育児休業をどんどん取ってもらいたいと思っているんですけど、彼らからしたら自分が産むわけではないのに抜けることに対していろんな思いを抱えていると思います。
そこに体制的なサポートがあれば、自分が抜けても周りの人が苦しむことなく、休みやすくなるはずです。

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柔軟な体制があれば「サポートしてもらえるよ」って言いやすいし、残る人にも負荷がかかりにくいし、そういう夢のような仕組みがあれば、いいなぁって。

 

本学の育児休業取得者数の推移

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iwata磐田

それこそ、3割くらい手持ち無沙汰がいていざという時のサポートできるアリの社会って、よくできているなって思いました(笑)

でもそれくらいの余裕が必要なのかもしれませんね。
みんなフル回転で働いているっていう状況が、難しくなっている原因かもしれませんね。

休業中は仕事をしてはダメとなっていますけど、ある意味で気分転換になったりしますよね?

isa伊佐

そうですね。
子どもばかり気にかけていて、違う頭になりたいこともあるんですが、それが義務と言われるとプレッシャーというか・・・・・・。

iwata磐田

「働ける仕組みがあるから働いて」と変に悪用されても困るのでさじ加減が難しいですけど、ゼロかイチかじゃなくて社会に少しずつ関わりながらという柔軟な仕組みは、考える余地があります。

ライフイベントさなかの働くモチベーション


iwata磐田

周りの方たちがサポートしてくれる職場環境かどうかは、仕事のモチベーションに直結すると思います。
ライフイベントに直面しても高いモチベーションで仕事に取り組むためには、どのような環境が望ましいですか?

isa伊佐

新卒で就職した時は、仕事へのやりがいよりも他の条件で会社を選んでいたので、びっくりするほどモチベーションが上がりませんでした。
でも今、子育てもしながらの中で思うのは、長い社会人人生の中でお仕事に100%の力を注げない時期があっても、それは仕方がない。
そんな状況でも自分の成長を感じられたり、目標を持つことがモチベーションを保つ力なんだなって、経験から実感しています。

今考えると、お仕事に100%の力を注げたはずの時期にモチベーションを保つことができなかったのは、私生活がどうこうではなくて、自分にとって良い目標を掲げられなかったことが原因だと思います。

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その意味では今はすごく良い環境で過ごせていて、限られた時間の中でも充実していて、頑張りたいっていう意欲が常に湧いてくる状態なのは、本当に周りの皆さんのおかげだと思います。
女性がたくさん活躍しているとか、管理職の方も男女問わず協力的な職場環境が、自分もこれから頑張りたいと思える要因の一つになっています。

磐田

やっぱり、職場環境ですね。
雰囲気の良い職場環境はみんな、目が死んでいない職場なので(笑)

でもそういったことが回りまわってモチベーションの向上に繋がり、管理職も目指してもいいかなという思いにつながり。
その目標があると「今ライフイベントの最中だけど、一時的なものだから頑張ろう」っていうところにもつながるっていうことですね。

hasaegawa長谷川

私は経験した部署が2つで、今も2026年の学部改編に向けた時限的な部署で短い目標を置いて突っ走る、でまた目標を置いてというのを繰り返しているので、ジョブローテーションは私の心の支えになっています

やっぱりいろんなことを経験できるので、「次は何をさせてもらえるんだろう」みたいなのが大きいかなと。

磐田

大室さんも、ジョブローテーションが成長につながってすごく良かったという話がありましたね。

モチベーションにつながっているんですかね?

大室

やっぱり新しいことにチャレンジできるっていうのは、楽しみではありますよね。
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kubo久保

ジョブローテーションで、長い期間配属されていた学生課から地域連携・生涯学習の部署に移った時は学内転職みたいで、全く違う仕事になって、新鮮で楽しかった記憶があります。
その1年後にまた学生課に戻って、数年を経て学事部次長となりました。
今は就職・キャリア支援部で部長ですが、またも学内転職した感じで、1年半が過ぎました。
仕事内容や関わる人たちが大きく変わりましたが、就職支援に関する仕事はやりがいを感じています。
結果が数字で出る部署なので、みんなで頑張っているところです。

iwata磐田

専門職としての将来がずっと続くのと違って、そこで学んだことを生かして次の部署で新しい学びを得ることで、最終的にこの大学がどの方向に進もうとしているのかが理解できるようになる。
というのが、面白さでもありますね。

私自身も割と同じような状況で、大学の運営に関わるまでは一教員でした。
(授業の)学修・教育到達目標なんて、一教員の時は「何のためにこれを定めているんだろう」と義務的に感じていました。
大学として学生をどのように教育したいという方針があって、何段階も経て設定されているのが一教員としては分からなくて。
これは立場が上になるにつれて理解できて、「あ、そういうことだったんですか」と腑に落ちました。

納得ができると人は動けるなって。そういう点では、管理職も悪い仕事ではない。
ただサポートと、先輩たちが生き生きと働ける雰囲気を作ることは、性別を問わずやらなきゃいけないですね。

本当は組織の課題を抽出するはずだったんですけど、みなさんのお話からは本学の雰囲気が協力的で良かったという意見が多くて(笑)
それを継続するために、大学としてもしっかりやらなきゃと思いました。

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不幸ではなく「お互いさま」で共通意識を持てる制度を


iwata磐田

他に、みなさんからお話したいことってありますか?

まだ上層部には「給料が上がれば管理職になってくれる」という神話があるかもしれなくて、それだけじゃなく「こういうサポートがあるともっと働きやすくなるのにな」ということがあれば自由にご意見いただきたいです。

hasaegawa長谷川

昇進の理由として「女性だから上げる」とは言ってほしくないです。
本当にちゃんと評価した結果「上がった」って言ってもらえたら嬉しいなって思います。

iwata磐田

これありますよね、本当に。

結局、管理職に昇進したそこから先は、性別に関係なく同じ仕事が求められますよね。
だから本人の能力や意思に関係なく「女性だから」という理由で昇進させると、その人にとっても不幸です。
将来どんな立場、視点で仕事を見ていくかを理解してもらわなきゃいけないと思います。

大室

ジョブローテーション、私は大賛成です。
異動した各部署の経験が全部、大学職員としての役割に繋がっていたって、初めて気づいたんですね。
いろんな角度から大学を見られることで、視点が広がることに気が付けるのはとても面白いですし、この制度は引き続き充実させてほしいです。

ライフイベントに直面したときには、最近は時間休制度が始まりましたけど、そういうみんなのニーズを法人側が柔軟に取り入れてルールにしてくれると、後ろ指を指されることなく制度が使いやすくなります。
当たり前にお互いを尊重し合いながら「お互いさま」の精神で働ければ、その制度も一助になると考えています。

本学の制度の一例
ワーク・ライフ・バランス|働きやすい学びやすい環境整備
そのほか2024年度から、事務職員を対象に時間単位での年休使用を開始。
主に育児・介護によるニーズを中心に、使用されている。

iwata磐田

そうですね。
本当に制度をちゃんと作る意味って、そこですよね。
安心感というか、みんなの共通意識を作るということ。

isa伊佐

前職では、コアタイムありのフレックス制度があって、勤務時間を1日じゃなく月単位で調整できました。
子育てに限らず介護、資格取得の勉強、病院への通院など、柔軟に使いやすかったです。
会議とか全員が出席する時間は決まっていましたけど、それ以外の前後は自由に調整できました。
この制度って不公平なく、ライフイベントがある人もない人もみんな利用できるので、すごく良かったなって思います。

iwata磐田

病院とか役所とか、平日じゃないと開いてないですよね(笑)
そういう柔軟な働き方がオプションであってもいいですね。
検討したいです。

「インクルージョン」を根底に


iwata磐田

本日はお忙しい中、座談会にご参加いただきありがとうございました。
キャリアアップとウェルビーイングを両立させるために、現場の課題を理解し、どんな職場環境を作るべきかを共有できて良かったです。

議論の中で、いろんな立場や考え方を持つ人々を受け入れて尊重するインクルージョンが根底に必要で、こうした取り組みの中で最も大事だと思いました。
芝浦で活躍されている管理職の皆さんが、サポートを受けて楽しく働いていると言っていただけて、この現状を継続するにおいても、それが重要だなって思っています。

相手の状況を日ごろから気にかけてあげて会話して、キャリアアップがウェルビーイングを高める手段になるように、大学としても引き続きサポートし、さまざまな意見を取り入れたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。

本日は本当にありがとうございました。

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