教育改革の取り組み

学修成果の質保証へ向けた大学方針

1 学修成果の質保証の背景と目的

世界の高等教育改革において、大学は「何を教えたか」ではなく、その教育によって「学生が何を学んだか」すなわち学修成果を重要視することが求められています。また、現在、グローバル水準の教育レベルを維持するため、多くの大学が教育ならびに学修成果の質保証に取り組んでおり、芝浦工大も大学全体で推進しています。
資源に乏しい日本は「科学技術立国」を国是としていますが、それを支える理工系人材は、常に世界を意識する必要があります。そして、ボーダーレスという国際社会にあって、日本が今後も輝き続けるためには、世界に誇れる技術を磨くとともに、他国と協調して、互いを高める努力をすることが必要です。芝浦工大は、学生と教職員が世界に目を向け、「世界に学び、世界に貢献する理工系人材」を育成する場としたいと考えています。

2 単位の実質化の推進

大学のグローバル化が進展する中で、海外の連携大学と単位互換を進める際などに、国際水準の「単位の実質化」が求められています。
日本では、学生の学修時間が短く、授業時間外の予習復習を含め45時間で1単位とする考え方が徹底されていないことが問題とされています。
国際通用生という観点からも、「単位の実質化」を通して、学修成果の質保証を推進する必要があります。そのためには、授業科目数の適正化を含め、教育カリキュラムの見直しを常に行い、教育のPDCA展開を着実に回すことによって日本を支える理工系人材育成を行うことが必要となります。
具体的には、ディプロマ・ポリシーを達成するためのカリキュラムを設計するとともに、学生が十分な学修時間を確保できる余裕のあるカリキュラム構成とし、1日に履修する科目数と半期に取得できる単位数の適正化を図ります。

以上

教育の質を保証

「大学教育再生加速プログラム(AP)」事後評価で最高「S評価」を獲得

事後評価においてS評価を受けた取り組みは、事業実施全77件のうち20件(26.0%)でした。
学生の主体的学修を促す4年間の体系的なアクティブ・ラーニング改革 学生の学修成果の可視化と、単位認定に必要な授業外学修(予習・復習など)時間の保証 推進体制の強化
国際通用性のあるコースナンバリング、双方向システムによる大人数講義へのアクティブ・ラーニングの導入など ポートフォリオの改修や、授業外学修時間を明示するシラバスの提示、学修時間の登録機能などを搭載した学修マネジメントシステム(LMS)の運用開始など 継続的なアンケートおよび改革へのフィードバック実施、アクティブ・ラーニング&アセスメント・オフィス開設、専任教職員配置、教職学協働の教育改革ワークショップの実施など

近年の教育研究改革に対する評価

日本で唯一 「私立大学等改革総合支援事業」で11年連続で全タイプに採択

教員・職員・学生が協働で教育研究改革を進め、文部科学省から高い評価を得ています。「私立大学等改革総合支援事業」の開始以来、全4タイプに11年連続で採択されている大学は全国700に及ぶ私立大学等の中で芝浦工業大学のみです。

2023年度事業項目

タイプ1 『Society 5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開
全学的な体制での教育の質的転換(学生の主体的な学修の充実等)を支援
学長のリーダーシップのもと、教職学協働(教員・職員・学生)の教学マネジメント体制を構築。学生の主体的な学びを促すアクティブ・ラーニングの体系化や、FD・SDの積極的な実施など、「学生が何を学んだか」を大切にする 教育の質保証・向上に取り組んでいます。

タイプ2 特色ある高度な研究の展開
他大学や研究機関等との連携による研究の推進や特色ある研究の高度化などを支援
URAを配置するなど研究環境の整備を進めるとともに、分野横断的な共同研究を奨励し先駆的研究を実施しています。

タイプ3 地域社会の発展への貢献
地域社会貢献、社会人受け入れ、生涯学習機能の強化等を支援 
企業との共同研究や受託研究などに学生も参画し、数多くの産学連携の実績を残しています。また「理工学教育共同利用拠点」として他大学にFD・SDの研修会を展開したり、230を超える国内外の企業や大学とともに 「GTIコンソーシアム」を組み、共に人材育成に取り組んでいます。

タイプ4 社会実装の推進
知的財産・技術の実用化や事業化などを支援
企業と共同で研究成果の実用化に取り組むだけでなく、ベイエリア・オープンイノベーションセンター(BOiCE)を中心に大学発ベンチャーを活用した事業化にも取り組んでいます。

理工学系教職員の能力開発に貢献

文部科学大臣より「理工学教育共同利用拠点」として再認定

芝浦工業大学の教育イノベーション推進センターは、文部科学大臣より教育関係協働利用拠点として「理工学教育共同利用拠点」(大学の職員<教員を含む>の組織的な研修等の実施機関)の認定を受けました。(認定期間<継続>:2024年4月1日~2027年3月31日)

拠点制度は、各大学が持つ教育施設や機関を他大学にも供することで、大学教育全体としてより多様で高度な教育を目指すための制度です。本学は、私立理工系大学として、唯一認定を受けました。
理工学教育共同利用拠点プログラム紹介

2016年度に同拠点として3年間の認定を受けて以来、学内外に向けて理工学分野のプログラムを実施したほか他大学からの講演依頼や相談にも対応するなど、理工学教育のモデルとして全国展開されている取り組みと実績が再評価され、2019年度から2023年度まで認定が継続されました。さらに再認定を受けた4年間の実績が評価されて、2024年度から2027年度まで拠点として認定期間が、3年継続されました。