これからの国際化を支える、5つの重点施策

芝浦工業大学は1927年の創立以来、「社会に学び、社会に貢献する技術者の育成」という建学の精神を掲げ、実学を重んじた教育を行ってきました。その理念を引継ぎ、現在は「世界に学び、世界に貢献するグローバル理工系人材の育成」を教育の理念として、世界で活躍できる人材の育成に取り組んでいます。とりわけ近年は、グローバル化の進展と社会課題の複雑化に応えるため、学生一人ひとりが国際的な環境で学び、異文化を理解し、専門性を国際社会の中で活かせる力を育成することに注力しています。

芝浦工業大学は2014年度、大学の国際化を推進することをめざした事業「スーパーグローバル大学創成支援」(SGU)事業に、全国800以上の大学の中から37校のうちの一つとして採択を受けました。それを契機として学生、教職員の海外大学との交流、国際化が進みました。

「スーパーグローバル創成支援」(SGU)事業(2014年度-2023年度)での成果

SGU事業は2023年度をもって終了しましたが、本学は大学の国際化をけん引する大学として推進していきます。        
これまでの成果をもとに一層の飛躍を目指して、本学は新たに以下の5つの国際化に関わる柱を設けました。

重点実行目標

  1. 多文化共修(国際)の推進
  2. 日本人学生の中長期(31日以上)の海外派遣の促進
  3. 優秀な外国人留学生の受入拡充と、日本での就職支援の強化
  4. 日本人学生の英語力向上(CEFR B2/TOEIC 785点以上)
  5. 国際共同研究の推進による研究力強化
これらの目標に向けて、より実質的な国際化を目指していきます。

1.多文化共修(国際)の推進

芝浦工業大学には多国籍の学生が集まり、ともに学んでいます。
海外に出て学ぶことは大事ですが、大学のキャンパスの中にいても、共通の課題に取り組むことで互いの考えや文化を知り、対話力や課題解決の力を高めることができます。そんな多文化共修の機会にあふれていることは、理工学を学ぶ上で大きなアドバンテージとなっています。
多文化共修(国際)とは、国を越えて異なる文化的背景を持つ学生たちが、共通の課題に取り組みながら学び合う教育活動です。日本人学生と外国人留学生が共に学ぶことで、語学力のみならず、異文化理解や対話力、課題解決力など、これからの時代に必要とされる多様な力を育みます。
本学の教育活動として特徴的なのがグローバルPBL(Project Based Learning)です。参加学生は、協定校の学生と協力し、専門分野に関連したテーマを対象とした課題解決に取り組みます。本学は250を超える協定校を持ち、協定校との間で盛んにPBLを行っております。
海外協定校に本学学生が出向いて行う海外プログラムと、本学に協定校学生が来て実施する国内プログラムがあります。

参加者数の推移(2024年度→2025年度)

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 ※TA等でプログラムを補助した学生は除く

2025年度の実績として、純粋に海外プログラム・国内プログラムともに参加者数を伸ばしていますが、興味深い結果として、学部1年次、2年次といった比較的低学年の学生も積極的に参加していることが見て取れます。早くからグローバルな感覚を身につけることは、将来の選択肢を一層広げることにつながります。本学は、学生が将来世界で活躍していけるそのきっかけづくりを行っていきます。

2.学生の中長期(31日以上)の海外派遣

中長期(31日以上)の海外派遣プログラムの中核に据えているのが、交換留学プログラムです。学生は異なる文化や価値観の中での生活・学修を経験することで、語学力やコミュニケーション力が身につくことはもちろん、国際的な視野と実践的な行動力を身につけることができます。
交換留学プログラムは大きく、授業履修型と研究室配属型の2種類に分かれます。授業履修型は、協定校が提供する英語で開講された授業を履修するもので、期間は半年または1年です。研究室配属型は、協定校の研究室に配属され、自身の専門分野に関わる研究を行うもので、1年以内で柔軟に期間を設定できます。

 
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2024年度と2025年度の比較において、総数としての変動はありませんでしたが、研究室配属型留学を実施した学部生の数が大きく増えたことが挙げられます。学部段階でも高い意識で研究に臨んでいることが見て取れます。
多くの協定校を持つ本学の強みを生かすべく、今後一層留学しやすい体制、特に授業履修型留学の機会を多く提供していきます。

留学先の地域別でみると、両年度とも大きな傾向の変化はなく、ヨーロッパが留学先として高い人気を誇っています。
ヨーロッパは英語を母国語としていない国が多いですが、英語で提供するプログラムも多く、学生にとって理工学を学びやすい環境が整っています。

 地域別留学者数 

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3.正規留学生の受け入れ  

本学は、学士課程(学部)においても工学部内に英語ですべての授業を展開するInnovative Glboal Program(IGP、工学部先進国際課程)があり、日本で理工学を学びたい外国人留学生のニーズに応えています。また大学院(修士課程・博士課程)は、全ての専攻で英語開講がなされており、日本人学生と外国人留学生がともに学ぶ環境が整っています。

2024年度から2025年度への変化として、数的には大きな変化はありませんでしたが、博士課程が増えていることが挙げられます。本学は大学院修士課程への進学者・進学率が年々高まっており、その成果が博士課程進学者増につながっているものと考えられます。
本学は東南アジア(マレーシア・タイ・インドネシア)にサテライトオフィスを構えており、特に東南アジア地域から向学心豊かな大学院生を受け入れています。
今後の見通しとして、IGPは大幅な課程の改編を予定しています。より柔軟なカリキュラム編成により、学びの幅が広がることから、学士課程で学びたい外国人留学生のニーズに応えていきます。

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 ※2024年度、2025年度文部科学省「学校基本調査」より構成

4.学生の英語力向上 

10年にわたるSGU事業の事業期間において本学は、学生にCEFR B1/TOEIC550点レベルの語学力を卒業時までに獲得できるよう、様々な機会を提供し、大きな成長を遂げました。
10年間でCEFR B1/TOEIC550点に到達した学生の率は学部生(3.8%→65.9%)大学院生(9.8%→87.7%)という成果を残しています。
SGU事業終了後私たちはさらなる高みを目指し、CEFR B2/TOEIC 785点を基準として重点目標の一つとして設定し、学生の語学力向上を見守っていきます。
目標設定が高いゆえまだ顕著な成果は出ていませんが、海外留学や研究発表において英語力は欠かせません。大学を挙げて成果向上に努めていきます。

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※2024年度、2025年度とも年度末のデータ

5.国際共同研究の推進による研究力強化

前述しました通り本学はSGU事業の事業期間において、国際交流プログラムが大幅に増え、それに従って参加者数も大幅に伸びました。グローバルPBLについては最盛期(COVID-19直前の2018年度)には国内・海外で合計93のプログラムが海外の協定校との間で実施されました。
PBLは教員間の研究を通じたネットワークをもとに始められることが多いですが、数多くの実績が評判を呼び、さらに多くの大学が参画する流れを生みました。同時に研究者である教員間の交流ネットワークもまた大幅に広がっています。 現在では海外協定校数も250を超えることとなり、この成果は共同研究の活性化にも反映されています。
これとも関連して本学は、国際的な産学官連携コンソーシアム(GTIコンソーシアム)の事務局として、2015年の立ち上げから中心的な役割を担っています。
国際プロジェクト実践教育の実施の他に、国際共同研究も主要な目的として、240を超える加盟機関(大学、企業、非営利組織、政府関係機関)とともに推進してきております。

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