2.専門分野における安全

2-1 実験を安全に行うために

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2-1-1 実験に臨む心構え
本学では、危険を伴う単独の徹夜実験は原則として禁止しています。実験の目的・作業手順、使用機器・装置の性能、材料・化学薬品の性質などその特性をよく理解し、指導教員と打ち合せの上、実験計画書を作成してから実験に臨んでください。特に、危険が予測される実験・作業中は装置や機器から絶対に離れないでください。事故予防ができず、発見が遅れて重大な事態を招く恐れがあります。 毒性や引火性の高い物質を扱う実験室内では、安全上の立場から飲食は禁止です。

  • 実験には常に危険が伴う可能性がある事を忘れない
  • 未知な実験、危険を伴う実験は夜間を避け、決して一人で行わない
  • 装置等に不具合を発見したら、すぐに実験を止め、指導教員に報告する
  • ガスなどの臭いや機械の異常音に注意する
  • 実験機器・装置の取扱説明書は普段からよく読み、操作に慣れておく
  • 体調の悪い時は作業をしない。また、慣れからの気の緩み、早合点や見栄で操作しない
  • 実験中の飲食・喫煙は禁止する(屋内はすべて禁煙です)
  • 日頃から緊急事態に対応できるよう、安全設備の設置場所、使用方法を確認しておく
  • 実験後は、残った薬品、材料は決められた保管場所に戻し、実験廃液(排水も含む)は、ルールに従って保管または廃棄する
2-1-2 服装と履物
動きやすく、安全に作業できる作業着や白衣を着用する。滑りにくい靴をはき、かかとの高い靴やかかとの踏みつけ履きは、つまずきの原因となるので禁止。足元に重い物が落ちる危険性がある時は鉄芯入りの安全靴を履く。薬品やドライアイスを扱う時、高温の物を扱う時はそれぞれの物質と作業に適した保護手袋を使用する。

  • 引火の危険が予測される作業の場合は、化学繊維ではなく天然繊維を着る
  • 化学処理の実験では、腐食性物質から身体を保護する長袖の白衣および手袋を準備する
  • 必要に応じ、頭部保護のため帽子やヘルメットを使用する
  • 回転機具に巻き込まれない様、アクセサリー・ネクタイなどはつけない
  • 長髪は、機械に巻き込まれたり焦がしたりする恐れがあるので乱れないように束ねる
  • 眼を保護する安全メガネやゴーグル等を必ず使用する
  • 粉塵、フュームが出る作業では適切なマスクをつける
2-1-3 安全な作業姿勢
作業の基本姿勢は、安全や効率を考えた長年の知恵と経験から生まれた型なので、経験を重ねても基本型を守ってください。長時間同じような姿勢を取り続けると、筋肉に静的疲労が起きます。その解消には軽い体操が効果的です。

  • 装置や机には真っ直ぐ向かい、自然な姿勢で作業が出来るように心掛ける
  • 狭い場所での作業は極力避ける
  • 危険な作業区域や実験者の後ろを通る時は、周囲に気を配り合図を送る
2-1-4 整理・整頓・清潔・清掃・点検
安全対策の基本原則は、始業時の整理・整頓・清潔・清掃・点検です。床に何もなければつまずく事もなく、整理・整頓された部屋に入れば気持ちが引き締まります。

  • 実験室は、自分の部屋と思って整理 ・整頓 ・清掃を心掛ける
  • 通路、非常口、階段等出入口の近くに物は置かない
  • 全ての物は置き場所を定め、使用後は必ず所定の位置へ戻す習慣をつける
  • 使用後の机・テーブルの上は必ず片づけるように心掛ける
  • 席を離れる時は、椅子を机・テーブルの下に引き入れる
  • 消火器は見えやすく、取り出しやすい場所に備えつける
2-1-5 水の事故
水栓や装置のホース接続箇所はトラブルが多く発生する場所です。水がかかると使用不能になる機器、器具は数多くあり、ノートや書籍類が濡れると、研究に支障をきたします。

  • 研究室が長時間無人となる場合には、原則水は流しっぱなしにしない(水道栓を閉じる)こと。どうしても水を流す必要がある場合には、蛇口や機器とホースの接続が絶対にはずれないようにバンド等でしっかりと固定すること
  • 実験終了後は、元栓を閉める、漏水源になる装置を停止するなど、漏水防止を図る
  • ホースの接続箇所、ホースの老朽化の点検を月に1回程度実施する
  • 水の事故が発生したら、水道元栓を閉め、装置を停止して通報し、被害調査と処理を行う
  • コンセントや電気コードが水に濡れたり、電気機器/設備に水がかかった場合は、感電、漏電事故に注意する

2-2 電気

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2-2-1 電気機器使用の基礎知識
実験室の電源には、一般的な機器に使われる電源(単相交流100V、及び200V)の他に、三相交流200Vがあり、大電力を必要とする大型モーターやコンプレッサーなどに使用されています。以下、電気機器を取り扱うときの注意事項を説明します。

  • 電気器具は異状がないことを確かめて使用する
  • 機器の定格に適切な電圧のコンセントから、十分な電流容量のコードで配線する
  • コンセントの抜き差しは、プラグを持って行う
  • 電気機器は原則としてアースに接続して使用する
  • たこ足配線はしない
  • 電気コードの上に重量物を置かない。また、コードに足が引っかかる配線はしない
  • プラグとコードの接続部分に接触不良やショートが起こらないよう注意する
  • プラグの差込み部分にホコリや水が付かないように注意する。漏電によって発熱し、火災の原因になることがある
  • 電気器具の内部を調べたり、修理を行う時は、必ず電源「オフ」にして行う
  • 長時間使用しない場合は、プラグをコンセントから抜いておく
2-2-2 感電
感電事故では二次災害が大きいので注意する。例えば、ショックで転倒し頭を打ったり、高所から落ちることも考えられます。 感電事故防止のため、以下のことに注意する。

  • すべての装置間の配線を確実に点検し、間違いがないようにする
  • 濡れた手で電気機器に触らない。また、電気製品の上や周辺に水を置かない
  • 高電圧装置の実験では、使用上の注意を厳守する。1人だけの実験は危険。複数名で実験し、電源のオン・オフは必ずお互いに合図をしてから行う
  • 感電事故が起こった場合は、直ちに電源を切ってから救助する。やむを得ず通電のまま電線や電気機器から身体を離す場合は、乾燥した木や竹の棒、ゴム手袋などを使う
2-2-3 電気災害
電気による事故には、火災・爆発などと感電がある。いずれも大事故に繋がる可能性があるので、電流や電気機器を使った実験には十分な注意が必要です。

  • 電源のオン・オフは、機器の動作の安全性を確認してから行う。また、感電事故の防止のため、互いに合図し合い、注意して行う。突然通電するのは非常に危険です。
  • 電熱器、ハンダごてなどは火災の原因になりやすい。切り忘れは極めて危険です。また、使用後の余熱で火傷をしたり、可燃性物質が燃えることもあります。
  • 配電盤、コンセント、電気機器の近くには有機溶媒等の可燃物を置かない。電気の断続の際の火花が爆発や火事の原因になることがあります。また、冷蔵庫には温度調節用のスイッチがついていますが、庫内に爆発性のガスが漏れると、スイッチの作動時の火花で爆発することがあるので注意する。
2-2-4 停電時の対応
  • 停電した時、法定電気点検時などには、必ずスイッチを切る(プラグコンセントを抜く)
  • 停電時に機器のスイッチが入ったまま放置すると、通電した時に機器が動き出し、大きな事故や故障の原因になり得ます


2-3 機械

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2-3-1 一般的注意
安全な機械運転は、身支度から始まります。きちんとした服装で、靴は足を保護するもの、長髪は束ねる。機械に巻き込まれず身軽に作業できる服装で、手袋はつけない。必ず保護メガネおよびマスクをかける。そして日頃の整理整頓が事故防止に繋がります。
2-3-2 工作機械運転時の注意事項
  • 工作機械は、責任者の指導を受け、使用法と危険性についてよく理解した上で使用する
  • 慣れない機械を無理に操作しない
  • 機械の上やそばに物を置かない
  • 切削用の刃の取り付けなども含め、機械が安全に使用できる状態にあることを確認する
  • 機械の操作は原則として1人で行う
  • 機械使用中に異常を生じたら、直ちに機械を停止し責任者に連絡する
  • 機械、工具は、使用後に必ず周囲を含めて清掃する。切り粉は指定の容器に入れる。切り粉は可燃物と混ぜてはならない
  • 機械を作動させたまま持場を離れない  
2-3-3 レーザー装置の注意事項
レーザー製品の製造、使用の国際的基準がIEC60825-1により定められており、日本にはこれに準拠した安全基準がJIS C6802にあります。

  • レーザー装置は、できるだけ独立した部屋または領域に設置する
  • レーザー装置は、できるだけビーム光路が目の高さにならないように設置する
  • レーザービームは、有効な光路の末端で吸収体等を用いて終端する
  • 安全めがねを着用し、レーザービームを直視しない
  • 皮膚の露出を極力少なくし、衣服は化学繊維のものを避ける
  • レーザー放射前に装置周辺を遮蔽し、関係者以外立ち入らせない
  • レーザー放射中を周辺の人に知らせる
  • ミラー、レンズ、窓材等の反射、散乱光に十分注意する
  • 不可視のレーザー装置を利用する場合は、警告を表示する

2-4 運搬と高所作業

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2-4-1 物の取扱い、運搬時の事故
重量物の取り扱い、運搬で多い事故は、足の上に落とす、手をはさむ、などです。また運搬者のうち一人がつまずいたり、力を抜いたりすると大変危険です。全員が事故を防ぐ意識を持つことが必要です。
2-4-2 運搬作業の安全
運搬作業には、クレーン・デリック・チェーンブロックなどの装置および、運搬車による作業などがあります。この種の作業は、作業者が複数の場合が多く、事故による被害が大きいため、作業中のはっきりとした指示系統が大切です。重量物運搬の作業は、1人の作業指示責任者の下で行ってください。

  • 事前に移動経路および設置場所の整理整頓を済ませておく
  • 余裕を持った人数を配置する
  • 運搬手順を従事者全員が理解した上で作業を開始する
  • 重量物は中途半端な姿勢で持ち上げると腰を痛めるため、十分に腰を落してから持ち上げる
  • 運搬中は常に声をかけ合い、他の人や周囲の状況にも気を配る
2-4-3 免許、技能講習及び特別の教育を要する作業
クレーンの運転および玉掛け作業には、免許、資格が必要です。無免許者、無資格者は以下の作業を行えません。

  • 吊り上げ荷重が5t以上のクレーン、移動式クレーン、および制限荷重が5t以上のデリックの運転および玉掛け
  • 制限荷重が1t以上の装置、または吊り上げ荷重が1t以上のクレーン、移動クレーンもしくはデリックの玉掛け
  • 車輌系建設機械(整地、運搬、積込用など)で機体重量が3t以上のものの運転
2-4-4 高所作業
脚立・はしご・足場・屋上やベランダなど高所で作業際には、以下の点に注意すること。

  • 労働安全衛生法では、地上から2m以上の場所で行う作業を高所作業とし、手すり等の転落防止策を講じると共に、安全帯を使用する必要があります
  • 2m未満の脚立、はしご、踏台などでも安全性を十分に確かめたうえで正しく使用し、必ず作業者以外の補助者が支えること
  • 「これ位の高さ」と、あなどってはいけません。わずかな高さでも、転落により死亡することがあります
  • 必ず監視者や補助者とともに複数で作業を行う
  • 服装に留意し、安全帯/安全帽などを着け、滑りにくい靴をはく
  • 工具や器材を下に落とさないよう細心の注意を払う。足場等に物を放置しない
  • 作業している場所の下には立ち入らない
  • はしごをかけるときは壁に対して15℃の角度。強固な足場を選び、開き戸の前や人が通る場所を避けます。1本のはしごへの昇降は必ず一人とし、手には物を持たない

2-5 高圧ガス・液化ガス

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2-5-1 高圧ガス取り扱い上の注意
高圧ガスとは1.0MPa以上のゲージ圧力のもの(圧縮ガス)、液状で0.2MPa以上のゲージ圧力のもの(液化ガス)を指し、高圧ガス保安法によって取り扱いのルールが規定されています。高圧容器の事故は大事故につながることが多いので、ボンベの取扱いは十分な知識をもった者が行うか、その者の指導の下に行ってください。

  • 各種ガスの取扱いは、ガスの性質および取扱方法を熟知して行う。
  • ガスを漏洩させない。
  • 危険を感じたらただちに退避する。余裕があれば容器の弁を閉じる。迅速に行動するためには常に弁を閉じる方向を意識し、実験者自身が確認する。
  • ガスの目的外使用は禁止。
  • 器具等は専用品を用い、特に酸素ガスは禁油のため、酸素専用のものを用いる。
2-5-2 高圧ガス容器(ボンベ)
高圧ガス容器(ボンベ)にはその肩に、指定の項目を順序どおり刻印することが決められています。下に最もよく使用されているボンベの刻印の記入例を示します。

高圧ガス容器(ボンベ)容器の刻印
ボンベには、充てんガスの種類を示す色が塗られています。

容器の色とガス名
2-5-3 圧力容器(ボンベ)使用上の注意

(1)操作手順

ボンベを鎖や固定金具で壁や実験台にしっかり固定し、圧力調整器を充填口ネジに、無理な導管をしないよう注意しながら締め付け金具で接続します。

(2)圧力調整器(レギュレーター)

  1. 充填口ネジは危険防止のため(たとえば酸素用調整器を水素ボンベに接続しないため)可燃性ガスを左ネジ、その他は右ネジとなっています(例外にヘリウムは左、臭化メチルとアンモニアは右ネジもある)酸素ガスにはオイルレスのものを使用します。

  2. 圧力調整ハンドルが緩んでいる(指で軽く動かせる状態)ことを確認してから、ボンベのバルブを静かに開ける(2秒以内に開けない)。バルブは右手操作ですることで安全性が増します。
  3. 圧力調整ハンドルを時計回りに廻して、2次側圧力計が希望する圧力になるまで調整する。調整器に出口弁があればそれを開き、必要なら2次側圧力を再度調整する。圧力調整ハンドルの開閉は、常に静かに注意深く行い全開にはしない。密閉された部屋では換気しながら使用する。
  4. 使用が終わったら逆の順序で 圧力調整器と容器弁をしっかりと閉じる。

圧力調整器

(3)使用済みボンベ

ガス使用後は、概ね1MPa程度の残圧を残して業者に引渡す。
大気の混入・装置からの逆流により、容器の腐食・ガスの純度低下・可燃性ガスの爆発をひきおこすため、減圧には絶対しない。一次圧力に注意し、ある一定以下の圧力では使用をやめる。
また、ボンベからボンベへのガスの移し替えは絶対に禁止です。

(4)保管・運搬

直射日光を避け、40℃以下の場所に、必ず鎖で壁や実験台にしっかり固定して保管する。移動は、容器弁に保護キャップをしっかり締めてキャップがゆるまないように注意してボンベ用運搬車に乗せて運搬する。ボンベ底のへりで転がして運ぶのは危険なため行わない。

(5)返却

都道府県からの高圧ガス容器管理指針等に基づき、レンタル品のボンベは、使用後は直ちに供給業者へ返却する。また使用中であっても1年以上停留させないようにする。
2-5-4 可燃性ガス、酸素、有毒ガス、窒息ガスに対する注意事項
  • 室内に設置する可燃性ガス・毒性ガスのボンベはシリンダーキャビネットに納め、キャビネット内にはガス警報センサ、散水ノズル、強制排気ダクトを装備する
  • 可燃性ガス(水素、炭化水素類など)、三フッ化窒素または酸素を使用する設備から5m以内では、火気の使用を禁じ、引火性、発火性のものを置かない
  • 酸素を使用するときには、器具類から石油、油脂類の可燃性物質を除いた後に使用する。圧力調整器などは酸素専用のものを用いる。接続部には可燃性のパッキングは使わない
  • 有毒ガスを吸入しないように、ドラフトなど局所換気装置内で行う
  • ガス排気は屋外へ出し、有毒ガスの排気は、アルカリ吸収剤などを通して無害にする
  • 豊洲キャンパスにおいては、集中配管で使用しているガス(水素・窒素・酸素・アルゴン)の圧力が低下した場合には、集中配管のすべてのバルブを閉じて、中央監視室に連絡する。なお、集中配管で使用するガスの流量計は実験室内にあるので、週に一回程度使用量を確認することが望ましい。
2-5-5 低温液化ガス

(1)低温液化ガス

  • 極低温のため凍傷を起こします。乾いた革製手袋、保護眼鏡、保護面等を着用する。軍手は皮膚に張り付き凍傷になる恐れがあるので厳禁
  • 液を扱うときは必ず長ズボンとしっかりした靴を着用する
  • 液化ガスは気化すると体積が増え、空気と置き換わって窒息の危険があります
  • 液化ガスを密閉容器に入れてはならない。必ず気化ガスの逃げ口を作る
  • 液化ガス容器は、静かに、丁寧に扱い、日光の直射のない風通しの良い場所に置く

(2)液体窒素の取扱上の注意事項

1)取扱上の注意事項
  • 閉鎖空間で液体窒素を用いる場合、酸欠にならないように十分に換気する。閉めきった場所が外から見えるようにして、必ず2人以上で行う
  • 解放型容器は、必ず蓋をする。密閉型容器では昇圧弁、液取出弁を閉じ、ガス放出弁を開いておく
  • 液体窒素貯蔵容器は横に倒してはならない。衝撃に弱いので、丁寧に扱う
  • 容器は、金属製の液体窒素専用のものを使う。裸のガラス製のデュワーびんの外周には接触による割れ防止のためテープを巻き付けておく
  • 広口容器で長時間液体窒素を保管すると、大気中から酸素が入り液体酸素がたまることがある。酸素は有機物と接すると激しく発火するため、液体窒素の周りでは火の取扱には注意する
  • ガスボンベをエレベータで運搬している時には、同乗を避ける

2)液体ヘリウムの取扱上の注意事項
  • 液体ヘリウムは、外部からの僅かの熱流入で急激に蒸発し、体積膨張する
  • 液体ヘリウムは、真空断熱された金属容器に入っている。重心が高く転倒の危険があるため、移動時には転倒させないように注意すること。また、内側の容器は、外部からの熱流入を極力小さくするために極めて薄い特殊金属容器になっている。さらに、頸部分で殆ど宙吊り状態となっているため折れやすいので、衝撃を与えないように丁寧に扱う
  • 実験の際には、蒸発ガス放出口にゴム製のバルーンを蒸発モニター用として付けておくと良い。但し、放出口から空気が逆流入すると容器内部(容器の頸部分)で固化し、閉塞してしまうので十分注意する
  • 液体ヘリウムの移送には専用のトランスファーチューブを使い、移送に慣れた者の指導を十分に受けてから行う
  • 液体ヘリウム容器に液体が入ったまま保存しておく場合、容器上部に設置されている安全弁の開閉の確認、液体ヘリウム供給口の蓋、ガス放出口(微細孔)の確保などに十分注意する

2-6 薬品

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2-6-1 化学物質の管理と法令
大学での研究・教育活動では、非常に多くの化学物質が使われ、その性状は多種多様です。
使用する化学物質に関する知識が不十分な状態での取扱いは、非常に危険であり、爆発や火災といった事故に繋がるほか、有害物質への暴露による健康障害や排出・漏洩による環境破壊等、重大なリスクを有しています。
このような化学物質のリスクを回避/軽減するために様々な法律(特に消防法、毒物及び劇物取締法、労働安全衛生法、高圧ガス保安法)や条例(東京都環境確保条例、さいたま市生活環境の保全に関する条例)により規制されており、その入手から保管や利用、廃棄にいたるまで責任を持った対応が求められます。
実験者は、化学物質のリスクについて日常から正しく理解し、安全な研究や教育の実施に努めてください。 
2-6-2 一般的注意
  • 化学物質等の適正な使用及び管理について定める「学校法人芝浦工業大学化学物質管理規程」が制定され、2017年3月21日から施行されています。対象とする化学物質は、関係法令で規制を受ける化学物質等です。
  • 関係法は労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法、消防法、高圧ガス保安法、東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例等
  • 芝浦工業大学の化学物質管理体制は、学長の下に、キャンパスごとに化学物質管理責任者が選任され、化学物質担当責任者(学科主任)の下に化学物質使用責任者(研究室の教員)が化学物質の適正な管理、保管を行います。
  • 初めて入手する化学物質は、危険性や有害性などについて必ず調べること。
    使用する前に化学物質の性質や生成物の性質、またそれらの物質の取り扱い上の注意事項や法的な遵守義務等を安全データシート(SDS)で確認し、安全に作業を行ってください。
  • 毒物・劇物・危険物・特定化学物質等は、保管はもちろんですが、使用記録も厳密に作成しなければなりません。毒物は重量管理(使用毎に重量を記入する)、劇物は単位管理(使用毎に元の量の何%使用したかを記入)、危険物や特定化学物質は容器管理となっており、年度初めに前年1年分の使用記録をまとめて提出する必要があります。薬品を購入・使用・廃棄したら、忘れずに記録するようにしましょう。
  •  一定の危険有害性のある化学物質は、使用者への危険または健康障害のリスクを低減させるためにリスクアセスメントが義務づけられています。対象となる化学物質(908物質、2024年4月1日時点)を初めて取扱う際や、それまでの使用量や使用時間を変更したとき、対象化学物質の危険性または有害性などに変化が生じた場合は、必ずリスクアセスメントを実施して、その危険性や有害性の程度を見積り、そのリスクの低減策を検討しましょう。リスクアセスメントの具体的な実施方法については、大宮キャンパスは管理課へ、豊洲キャンパスは施設課にお問い合わせ下さい。

※化学物質等の管理方法の詳細については、大宮キャンパスは管理課、豊洲キャンパスは施設課に確認してください。
2-6-3 薬品の保管
  • 薬品は名称やその危険性、有害情報をはっきり表示した安全な容器で保管する
  • 薬品棚内は混合による事故が起きないように注意して分類保管する
  • 地震が発生した際に薬品びんが割れることのないように仕切りをつけるなどの工夫をして保管する
  • 特に毒物・劇物は少量でも生命に危険を及ぼす恐れがあるため、厳重な保管と管理簿記載など、法令に基づいた管理を行う
2-6-4 有機溶剤使用上の注意
  • 有機溶剤など、局所排気装置(ドラフトチャンバー)及びプッシュプル換気装置内での取り扱いが義務付けられている化学物質は、それらの装置を必ず使用する
  • 有機溶剤は人体に及ぼす作用があるので取り扱いには十分注意し、中毒が発生した時は適切に応急処置をすること

※有機溶剤中毒予防規則で、有機溶剤等使用の注意事項の掲示が義務づけられている。有機溶剤等の取り扱い上の注意、有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置については掲示を必ず確認すること。
2-6-5 危険物
  • 消防法の「危険物」には、爆発性、発火性、禁水性、引火性等があり、重大な事故や災害を引き起こすことから、管理、取扱いには細心の注意を払う必要があります
  • 危険物の保管場所は危険物の種類と量によって変わります
  • 大宮キャンパスと豊洲キャンパスは危険物の保管量が多いため運用管理が厳しく、室内に常時持ち込める量は制限されます
  • 保管場所は、研究室以外では大宮キャンパスは6号館横の危険物倉庫、豊洲キャンパスは大階段下が全学科共有の危険物置場です
2-6-6  共同溶媒
(1)豊洲キャンパス
豊洲キャンパスでは、4種類の有機溶媒(アセトン、ヘキサン、メタノール、エタノール)が共用溶媒として利用可能です。これらの共用溶媒は、いずれも引火点の低い第四類第一石油類の危険物(メタノールは劇物にも指定)であり、大階段下の危険物倉庫に保管しています。これら共用溶媒は、学校法人の費用負担により各研究室では無料で利用ができますが、使用にあたっては以下の事項を「厳守」して下さい。

  • 共用溶媒を汲み出す際には、台帳に学科・指導教員・氏名・日時・汲み出し量を記載し、新たな一斗缶を開封した場合にはその旨チェックする
  • 汲み出しにあたっては溶媒をこぼさないように細心の注意を払う
  • 共用溶媒の持ち運びには金属製のソルベン缶もしくは耐有機溶媒製のポリ容器を用い、ガラス製の容器は使用しない。

(2)大宮キャンパス
大宮キャンパスでは、6 種類の有機溶媒( アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル)が、共用溶媒として利用可能です。ジエチルエーテルは引火点が低い第四類の特殊引火物、それ以外は第一石油類の危険物( 酢酸エチルおよびメタノールは劇物にも指定) であり、6号館横の危険物倉庫に保管しています(月曜日から土曜日の午前6時から午後10時まで取出し可能。)。
これら共用溶媒は、学校法人の費用負担により各研究室では無料で利用ができますが、使用にあたっては以下の事項を「厳守」して下さい。

  • 危険物倉庫内にて火気を絶対に使用しないこと。また危険物倉庫に入る前に静電気除去パットに触れて人体の静電気を除去すること。
  • 危険物倉庫は常時施錠するとともに、その鍵は厳重に管理すること。
  • 危険物倉庫内での詰め替えや小分けは禁止する。
  • アセトンとエタノールはそれぞれハーフ缶 (9L)、 3L ビン、500mL ビンの 3 種類、メタノールはハーフ缶 (9L)と3L ビンの2種類、ヘキサンと酢酸エチルはハーフ缶 (9L)、 エーテルは 500mL ビンのみを保管しており、必要最小限の溶媒を容器ごと持ち出すこと。
  • 共有溶媒を搬出入した場合、備え付けの出納簿に、日時、氏名、持ち出す前の数量、持ち出し数量、持ち出した後の数量を正確に記入すること。
  • 共有溶媒を搬出する際には、適切な材質や強度を有し、仕切り等により容器の転倒や衝突の防止措置を講じた運搬用具あるいは容器( セーフティボトルやボトルキャリア、かご付台車等) を使用すること。
  • 共有溶媒の漏れ、あふれ、飛散等を発見した者は、備え付けの危険物漏洩対策キット等を用いて応急措置を講じるとともに、直ちに危険物保安監督者に連絡すること。
  • 危険物倉庫の利用にあたっては、事前に利用登録申請が必要となりますので、管理課までお申し出ください。
2-6-7  薬品の運搬
上記共用溶媒を含め薬品や廃液等を運搬する際には細心の注意が必要です。

  • 運搬する前に、容器の蓋がきちんと閉じていることや容器が劣化していないことを確認する
  • 劣化した容器やガラス容器を台車で運ぶ場合には、梱包材入りの段ボール・プラスチックケースなどに入れてから台車に乗せる
  • 豊洲キャンパスにおいては貨物用エレベータを利用する
2-6-8 IASO R7薬品管理システム
  • 工学部応用化学科と材料工学科、およびシステム理工学部の一部の研究室では、IASO R7薬品管理システムを導入し、保管している毒物および劇物等の薬品の在庫量および使用量が把握できます。

利用を希望する工学部の研究室は豊洲キャンパスは施設課、大宮キャンパスは管理課にご相談ください。

2-7 生物分野

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2-7-1 微生物実験
  • 微生物学実験で最も注意すべきことは、取り扱う微生物が肉眼では見えないことです
  • 実験室内では空気中に多種多様の微生物が浮遊し、実験台には落下細菌が存在し、また、実験者にも多数の微生物が付着しています。よって実際に微生物を取り扱う前に、消毒、滅菌、無菌操作について、理論とテクニックを学習しておく必要があります
  • 微生物を扱う実験室内での飲食は厳禁です
  • 実験に当たっては使用する微生物の特性をあらかじめ調べておき、その特性に沿った取り扱いをしてください。特に天然から分離した未同定の菌については細心の注意を払わなければならなりません。微生物の取り扱いに当たっては菌を手や衣服に付けないことはもちろん、使用した器具や廃棄物などからも環境を汚染しないよう厳重に留意すること。培養物を廃棄する場合は必ず滅菌してください
  • 生菌を取り扱う場合、実験着のポケットに、菌を植え込んだ培地類、試験管類を入れてはなりません。落下、破損による室内汚染の危険があります。菌が付着していると思われるガラス器具、針などで負傷した場合、必ず実験担当教官に報告すること
  • 病原体等のリスクのある微生物を取り扱う場合には、そのリスク群分類により、必要な措置をとる(国立感染症研究所病原体等安全管理規定)
2-7-2 動物実験
  • 科学的観点、動物愛護の観点から、動物実験委員会の設置、動物実験計画の承認手続き等必要な事項を定める「芝浦工業大学動物実験規程」によって行う
  • 「動物の愛護及び管理に関する法律」「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」に沿って行う
  • 実験計画書を申請し、承認を受ける必要がある
  • 実験動物とは、動物実験等に利用するために飼養又は保管している哺乳類、鳥類、爬虫類に属する動物をいう

(1)動物実験を行うには、以下に示す事項についての教育訓練を受けなければならない

  • 関連法令、指針、芝浦工業大学で定める規則等 ・動物実験の方法及び実験動物の取り扱いに関する基本的事項
  • 実験動物の飼養保管に関する基本的事項
  • 安全確保、安全管理に関する事項
  • その他、適切な動物実験の実施に関する事項

(2)動物実験等の実施に当たっては、動物愛護管理法及び飼養保管基準に即し、以下の動物実験等の原則に基づき適正に実施されなければならない

  • 代替法の利用(科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう)
  • 使用数の削減(科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により実験動物を適切に利用することに配慮することをいう)
  • 苦痛の軽減(科学上の利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう)に基づき、適正に実施しなければならない。 また、動物実験を行うことによって実験動物による咬傷、動物アレルギー、人獣共通感染症の発症等の創傷及び疾病を受ける可能性について学習しておく

(3)実験動物を扱う施設内では以下を守る

  • 専用の白衣・履物を着用し、キャップ、マスク、手袋を身に付ける
  • 施設内での、飲食、食品の保管等は禁止する
  • 実験の実施に先立ち必要な手技の習得に努める。自信がない場合はよく熟知した人(教員等)の指導の下に行う
  • 決められた場所で実験を行い、実験中に負傷した場合は教員に報告する ・麻酔用薬物、固定用試薬、溶媒類の使用は管理・換気に注意する
  • 体調不良の際には、実験動物との接触を避ける

(4)実験動物の飼養については以下を守る

  • 保管施設への入退室は記録をつけ、関係者以外が立ち入らないよう施錠する
  • 飼育に際しては、実験動物の生態、習性を考慮した給餌、給水、清掃、床敷の交換等を行い、快適な環境を保つようにする
  • 床敷の交換の際等では実験動物を逃がさないよう注意する。万一実験動物が逃亡した場合、他の部屋への逃亡防止措置を施した後、速やかに教員に報告する。逃亡した実験動物の取り扱いについては指示に従う
  • 飼養保管施設内で異常動物又は死亡動物を発見した場合には教員に報告する

(5)実験に使用した動物の処理は以下を守る

  • 業者に処理を委託する。血液等の液漏れがないように処理日まで冷凍保管する。アルミ箔、不要な紙類の混入は避け、針、刃物などが残ったまま包装しないよう注意する
  • 血液付着廃棄物、注射針等の針類、メス替刃等の危険小型刃物類は、感染性廃棄物専用冷凍庫に保管する
2-7-3 遺伝子組換え実験
(1) 生物から抽出したDNA分子の断片や人工的に合成したDNAを、試験管内で酵素などを用いてプラスミドやウイルスなどの自己増殖性DNA(宿主・ベクター)に人為的に移入して異種のDNAを増殖させる実験、およびその結果得られた組換え体を用いる実験を指す。

  • この技術により、自然界では起こらないような異種生物間の遺伝子を組み合わせた組換え体が作製されている。
  • 組換えDNA技術の発展は、組換え植物の栽培等遺伝子組換え生物の環境中での利用を実現させ、組換え作物の栽培や輸出入が、自然環境に生息する野生生物を含む非組換え生物の多様性を損なうことが心配されるようになった。
  • この結果、国際的には「生物多様性条約(カルタヘナ議定書)」が締結され、国内では「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性確保に関する法律」(カルタヘナ法)が平成16年に施行された
  • カルタヘナ法において拡散防止措置は圃場での栽培や飼料利用、食品工場での利用など、遺伝子組換え生物等の拡散防止処置をしないで環境中で使用する第一種使用と、実験室での使用や培養発酵装置での培養、飼育区画等での栽培・飼育など、遺伝子組換え生物等の環境中への拡散防止処置をして使用する第二種使用に分けられている

(2)第二種使用を想定した拡散防止措置について

  • 実験室内で作製された組換え体を外へ拡散させないために、「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」(平成16年文部科学省・環境省令)、「大学等における組換えDNA実験指針」(平成10年文部省)、「芝浦工業大学遺伝子組換え実験実施規程」に沿って行う
  • それには病原体に対する一般的バイオハザードの知識に基づいて組換えDNA実験におけるバイオハザード防止策が規定されている
  • 遺伝子組換え実験は、実験計画書を申請し、承認を受ける必要があり、微生物に関する知識と実験法に習熟していなければならない
  • 外界への拡散を防ぐために、実験施設・設備・操作法等による物理的な封じ込めは組換え体の危険度によってP1、P2、P3、P4のレベルに区分される
  • 生物的封じ込めは組換え体の外部環境での生存能力に応じてB1、B2のレベルに区分される

2-8 実験機器

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2-8-1 ドラフトチャンバー
化学物質の揮発や粉塵等の発生を伴う作業・実験では、作業者のばく露や室内空気の汚染を防ぐためにドラフトチャンバーが使われています。労働安全衛生法で有機溶剤や特定化学物質等を用いる際の局所排気装置等の使用が義務付けられていますが、法で指定されている物質に限らず、有害物質全般のばく露防止のため、正しく使用してください。

  • 使用前に必ず排気ファンの作動を確認してから使用する
  • 薬品を吸い込むなどの事故防止のため、扉はできるだけ閉めて作業する
  • 感電事故防止のため、濡れた手でスイッチ操作および電源プラグの抜き差しは行わない
  • ガス等の臭気がするときは直ちにガスの元栓を閉め、窓や扉を開けて室内を十分に換気する。排気ファンや換気扇を回そうとすると、スイッチから火花が発生し、充満したガスに引火・爆発する危険があるので注意
  • ドラフトチャンバー内で熱源を使用するときは、内壁や観察扉からできるだけ離す
  • 作業面は使用する薬品の種類によって耐薬品性が異なるため、用いる試薬によって適切に使い分ける
  • ドラフトチャンバーは法令により外観、排気能力などを1年以内毎に1回、定期自主検査をしなければならない
2-8-2 電気炉
火災、火傷、感電、爆発に注意してください。特に100~500℃では炉内が炉内が赤くならないので、使用中=「熱いこと」をはっきり示すことが必要です。

  • 炉の周辺を整理整頓し、可燃物を近くに置かない
  • 炉を必要以上に高温にしない。また、使用中の異常な臭いなどに注意し、高温時には炉の側で監視する
  • 無人運転する時は、使用者、作業内容、連絡先等を記入した貼り紙等をする
  • 炉本体の高温部に触れない
  • 加熱された試験片などには直接手で触れない。試験片を扱うときには、安全靴を履き、手袋をする
  • 炉から取り出した高温の試料を、すぐに水中に入れるなど水分に触れさせない。特に溶湯(溶けた金属)を鋳型などに鋳込むときは必ず水分が無い状態で行う。水分が付着していると水蒸気爆発を起こすので、十分注意する
  • 電気炉には可燃性のガスや液体を絶対に入れない
  • スプリンクラー、熱感知器の下に炉を設置しない
2-8-3 遠心分離器
    • 内容物の飛散を防止するため、確実に蓋を取り付けてから使用する
    • 付属している適正なローターあるいはバケットを使用し、許容回転数を守る
    • 回転軸に対して対称の位置にある試料の重量バランスは厳密に取る。(バランスを取らないと、 遠心機の振動や装置の破壊を引き起こすことがある)
    • ローターがバランスするように、対称の位置にチューブやバケットを設定する
    • 回転中は、ふたを開けない、機械本体に衝撃を与えない
    • 回転が完全に停止するまで、ローターや回転軸に触れない
    • 法令により1年以内ごと定期に自主検査を行い、その記録は3年間保存をしなければならない
2-8-4 インキュベータ
  • 揮発性,引火性および腐食性ガスなどの化学薬品は庫内に入れない
  • 発火の原因となるような金属や異物、引火性のものをインキュベータ内へ入れない
  • 試料からのガスの発生などを考慮し、試料は密閉容器に入れない
  • 庫内に水などをこぼすとショートする可能性があるので注意する
  • ヒーターのスイッチは、使用者が作業終了後に必ず切る
  • 長時間連続使用する場合は、空炊きやオーバーヒートに対する対策をする

2-9 放射線

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2-9-1 放射線の人体への影響
放射線は、物質を透過する性質や電離・励起する性質をもっており、研究でも広く利用されています。一方、人間は放射線を感じることができないため、十分な放射線安全取扱いの知識がないと被曝の危険があります。
放射線事故を引き起こさないためには、放射線の特徴・放射線と放射能の違い・放射線の検出法や障害の防止方法などについて、基本的な理解を持つことが重要です。
 地球上では常に微量の放射線を受けています。これは自然放射線とよばれ、宇宙線など数種類があります。自然放射線の被曝線量は地域差がありますが、世界平均では1年間に約2ミリシーベルト(mSv)です。このほか医療機器により人工の放射線を受けることがあります。

研究による放射線業務従事者の被曝線量は、電離放射線障害防止規則によりその限度を100mSv/5年かつ50mSv/年とされています。これは自然放射線の約10~25倍です。
一般的に放射線の人体への影響は、原子・分子・細胞・組織・臓器および個体の各レベルへの影響の結果障害となり、障害の一部は子孫に影響をおよぼすこともあります。
放射線被曝は、線源が体内にある場合は内部被曝、体外からの場合を外部被曝と呼びます。これらの被曝を防ぐ方法は、内部被曝では「吸入・経口摂取・経皮侵入」を防ぐこと。外部被曝では「時間・距離・遮蔽」の三原則が重要です。
2-9-2 放射性同位元素と放射線発生装置
放射性同位元素を用いる実験は、アイソトープ管理区域内で行い、実験者は法令に定められた特殊健康診断を受診し、教育訓練を受講する必要があります。また、実験時は被曝線量計を着用して被曝線量を把握するほか、以下の主要な注意点を守ってください。

  • 放射線は目に見えないため、実験開始前・終了後に、放射性同位元素による汚染が無いか計測器を用いて確認する
  • 実験終了後には、身体/白衣/手袋/スリッパが汚染していないか確認してから退出する
  • 使用する放射性同位元素の物理的、化学的特性を良く理解した上で取り扱う
  • 作業経験の少ない者は、単独での作業を控える
  • 実験室は整理整頓して、汚染事故が起こらないように努める
  • 実験室に不要な物は持ち込まず、実験室の物を外に持ち出す場合は必ず汚染検査を行う
  • 被曝事故や放射性同位元素の盗難、地震、火災等の緊急事態が発生した場合は、直ちに放射線取扱主任者に報告する
2-9-3 エックス線装置
エックス線回折装置、蛍光エックス線分析装置等のエックス線発生装置から出るエックス線も、人体に対して放射線障害の危険性を持っています。これらの使用については、労働安全衛生法並びに電離放射線障害防止規則で規定されており、エックス線装置の使用を許可された者だけが扱うことができます。エックス線は人体に有害であり、その取扱いには、被曝を避けるように細心の注意を払うことが必要です。

  • 装置を使用する場合は、装置の機能や機構をよく知って、不用意な取り扱いをしないよう十分に注意して被曝を最小限に抑えるようにする。装置の設置・移動・変更をする場合は事前に届け出る必要がある
  • 装置内のみが管理区域として設定されるエックス線発生装置は、装置の各部に被曝防止のためのインターロック等の安全装置が取付けてあるので、通常の使用時にはエックス線被曝の恐れは少なく特殊健康診断の対象とはならないが、使用者はあらかじめ、その機構を知る必要があり、不用意な取扱いをしないよう十分注意する。もちろん、各部品を不注意に外したり変更を加えたりしてはいけない

2-10 無人航空機

航空法改正により無人航空機(ドローン等)については飛行禁止区域が設定されています。大宮キャンパスが位置する見沼区では国際学生寮と大宮運動場以外は人口密集地区(飛行禁止地区)であるため、国土交通大臣の許可なく屋外で無人航空機を飛行させることができません。

  • 屋内屋外とも原則飛行禁止
  • 屋内は限定した場所でのみ実施可能 (豊洲テクノプラザ、条件付で豊洲研究棟および大宮体育館)
  • 屋内(豊洲研究棟内・大宮体育館)あるいは屋外(大宮運動場を含む)でドローン等の衝突や誤操作などに対する暴走防止の措置がある場合には、実施を認める場合がある (但し、研究推進室/施設課に事前相談すること)
  • 研究室内については、指導教員の責任のもとに、安全に行うこと
  • 人への傷害、施設・設備を毀損した場合は、実施者の責任で賠償・修繕等を行う(必要に応じて保険に加入する)。 上記による実施を希望する場合には、研究推進室に申し出て、所定様式による計画書(※1)を提出する。なお、航空法の規定に従い、屋外では国土交通大臣の許可(※2)なく無人航空機を飛行させることはできません。

※1 実施を希望する場合には、研究推進室に指導教員の名前で計画書(所定様式)を提出し、飛行を行うことについて学内の承認を得る必要があります。
※2 100g以上の機体を屋外で飛行させる場合には、国土交通省の許可を得ることと合わせて、同省が提供するシステムに、機体を登録する必要があります。詳細は、国土交通省のポータルサイト(https://www.mlit.go.jp/koku/done)をご参照下さい。

2-11 実験廃棄物

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2-11-1 廃棄物の分類と処理について

廃棄物は一般家庭の日常生活に伴って生じた家庭系廃棄物と、事業活動に伴って生じた事業系廃棄物に大別されます。さらに事業系廃棄物は、廃掃法で規定された産業廃棄物(20種類の廃棄物)と、産業廃棄物以外の事業系一般廃棄物に分類されます。
また、産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものは特別管理産業廃棄物として規定され、その処理に関して通常の廃棄物よりも厳しい規制が行われます。

大学から発生するすべての廃棄物は事業系廃棄物に分類されますので、ルールに従って正しく廃棄物を処理しなければなりません。

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事業系廃棄物は、事業者が自らの責任において適正に処理をすることが法令で義務づけられています。そのため不法投棄や不法焼却など法令に違反した場合、最大で5年以下の懲役若しくは1千万円以下の罰金、又はその両方の罰則が科せられます。

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2-11-2 実験系廃棄物について
化学物質や、それらが付着した廃棄物以外にも、培養している菌類、観察している動物・使用した注射針・プラスチック製遠心チューブ・水銀含有物質等、協議の上で処理をしなければ捨てることのできない廃棄物が実験、研究室内にはたくさんあります。こうした廃棄物についても大宮キャンパスは管理課、豊洲キャンパスは施設課に相談のうえ処分してください。 また、薬品ビンを落として割ってしまった、廃液をこぼしてしまった等の事故時も、速やかに管理課や施設課に相談・報告をしてください。

また実験廃液等の廃棄については引火等の危険性や水質汚染・土壌汚染を引き起こす可能性があるため、法律および自治体ごとの条例で規制されています。そのため研究や実験等で使用した試薬類および試薬等が付着した容器・固形廃材・使用済の試薬ビンを勝手に処分することは禁止されています。中でも廃液の処理は、豊洲キャンパスでは年3回の回収日に合わせて処理をしているので、申請等の手続きを経て処分してください。また大宮キャンパスでは分別ルールに従って記入した実験廃液情報シールを貼付の上、廃液倉庫(齋藤記念館と体育館の間)に運び込み、産業廃棄物の種類に応じて区別して保管してください。事前に利用登録をすれば、月曜日から土曜日の午前6時から午後10時まで搬入可能です。

 

廃液は各部屋で大学が提供するポリタンクに密栓して保管し、外から内容物・所属(研究室・団体名)・責任者が判るように明示してください。これらの具体的な細則および回収日程については、大宮キャンパスは管理課、豊洲キャンパスは施設課に確認してください。



お問い合わせ先

大宮キャンパス:大宮キャンパス管理部管理課(内線5000)

豊洲キャンパス:施設管財部施設課(内線7270

2-11-3 豊洲キャンパスでの廃棄物の出し方
実験系廃棄物の分別

  廃棄物分別ルール
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水銀の含有・付着がないもの
◆ 滞留廃液類

回収日時
 6・10・2 月の「滞留廃液類(廃試薬含む)及び実験廃棄物の回収」概ね最終水曜日
 9:30 ~ 12:00 学科ごと回収時間を指定

回収場所及びポリタンクの保管場所(案内図参照)
回収場所
研究棟ビバホーム側ゴミ保管庫前搬入スペース
エレベーターは貨物用を使用
搬出経路は案内図を確認
回収受付を済ませてから番号札の前に並べる
空ポリタンク保管場所
大階段下実験廃棄物置場前室
(教室棟1階 防災センターで鍵を借りる)
持ち出すポリタンクの個数を台帳に記載
在庫がなくなった場合は施設課(7270)に連絡
回収方法
 回収までのスケジュール(回収月のカレンダー)
 
第1週       申請書配布      
第2週       申請締切      
第3週              
第4週   シール配布   回収当日      
受付期間 シール貼付期間
諸注意
 ペットボトル等・変形したポリ容器での持ち込み不可
 ポリタンクには八分目にラインを入れてそれ以上入れないこと
 中蓋と外蓋をしっかり締めること

台車で運ぶときは…
 2 段重ねにはせず、床の段差や傾斜地、アスファルト路を通過するときに台車から落下しないように十分注意すること
 かご台車、落下防止ベルトなどを用い、落下しないよう十分注意すること

廃液として処理できないもの

       × 水銀を含む実験廃液
          ↓
 都度研究棟5階 施設課(7270)に相談

回収までの仮置場(案内図参照)
 申請締切前に自身が所有する研究室の仮置きが無いか必ず確認すること
大階段下 実験廃棄物置場
処理番号 No.2・3 および消防法危険物第4類が含まれる廃液
1部屋につきポリタンク10個まで
床置きではテープの仕切り内に置くこと
棚置きでは下段を利用すること(上段は危険)
「(教員名)研」と表記して仮置きすること
11・13階 実験廃棄液貯蔵庫
処理番号 No.2・3 以外、および消防危険物第4塁を含まない廃液
「(教員名)研」と表記して仮置きすること
転倒防止用チェーンをかけること
室温上昇によるポリタンク膨張に注意すること
◆ 廃試薬
回収日時
 6・10・2 月の「滞留廃液類(廃試薬含む) 及び実験廃棄物の回収」 概ね最終水曜日
 9:30 ~ 12:00 学科ごと回収時間を指定

回収場所
 研究棟ビバホーム側ゴミ保管庫前搬入スペース
 エレベーターは貨物用を使用・搬出経路は案内図を確認すること
 回収受付を済ませてから番号札の前に並べること

回収方法
 回収までのスケジュール(回収月のカレンダー)
 
第1週       申請書配布      
第2週       申請締切      
第3週              
第4週   シール配布   回収当日      
受付期間 シール貼付期間
(1)不要な薬品・廃サンプル
 廃棄方法
  薬品管理システムIASO を利用している研究室は空ビン登録を行う
  試薬ビン・薬品プラ容器はそのままの状態で廃棄する
 【廃試薬として処理できないもの】
  × 金属水銀・水銀試薬 → 都度研究棟5 階 施設課(7270) に相談
  × 安全に溶解・混合できるもの → 処理番号 No.1 ~ 15・20 に該当する滞留廃液として廃棄
  × オイル類 → 廃液用ポリタンクに移して 処理番号 No.1 「廃油」として廃棄
  ▲ 塗料・スプレー → その他

(2)シリカゲル・モレキュラーシーブ・セライ
 廃棄方法
  45L 透明ポリ袋は必ず二重にし空気を抜き入れ口をしっかり絞ること
  処理番号 No.21 「廃試薬」として申請すること
 【廃試薬として処理できないもの】
  × 水銀が付着しているもの → 都度研究棟5階 施設課(7270) に相談

(3)有害物付着薬品空ビン
  有害物質が付着し、洗浄ができないもの
 【廃試薬として処理できないもの】
  × 水銀が付着しているもの → 都度研究棟5 階 施設課(7270) に相談

◆ 実験廃棄物

回収日時
  6・10・2 月の「滞留廃液類(廃試薬含む) 及び実験廃棄物の回収」 概ね最終木曜日
  9:30 ~ 12:00 学科ごと回収時間を指定

回収場所及びフタ付きメディペール缶の保管場所(案内図参照)
回収場所
研究棟ビバホーム側ゴミ保管庫前搬入スペース
回収受付を済ませてから番号札の前に並べる
フタ付きメディペール缶の保管場所
大階段下実験廃棄物置場前室
(教室棟1階 防災センターで鍵を借りる)
在庫がなくなった場合は施設課(7270)に連絡
 45L ポリ袋は各研究室にて購入すること
 11・13 階および大階段下の実験廃棄物仮置場のキャビネット上段に回収までの間、仮置き可能
 (マジック等で必ず、学科・研究室名(教員名)・廃棄予定月を明記すること)

回収方法
 回収までのスケジュール(回収月のカレンダー)
 
第1週       申請書配布      
第2週       申請締切      
第3週              
第4週   シール配布   回収当日      
受付期間 シール貼付期間
(1)手袋・キムワイプ・ろ紙・シリンジ・プラスチック等の可燃性のもの
 廃棄方法
  実験を連想させる廃棄物はこれに該当
  45L 透明ポリ袋は必ず二重にし、空気を抜き入れ口をしっかり絞ること
 【実験廃棄物として処理できないもの】
  生活系ごみの混入厳禁
  シリンジと針は分けて申請すること
  先端が鋭利でなくても、ポリ袋を突き破るおそれのある場合は、新聞紙などでつつむ
  × 感染性廃棄物 → 施設課(7270) に相談

(2)ガラス器具(洗浄困難)
    廃棄方法
  実験を連想させる廃棄物はこれに該当
  メディペール缶に入れてフタをし、中身が確認できるように仮止めの状態で持参すること
  シールは貼り付けずに持参すること
        【実験廃棄物として処理できないもの】
          × 水または適当な溶剤で洗浄(※参照) が可能なもの → 実験用薬品ビンで廃棄

(3)先端が鋭利で危険なもの
  注射針・針と一体化した注射器
  ピペットチップ
  メス
  その他 針・虫ピン
 廃棄方法
  任意の容器に入れて、中身が確認できるように仮止めの状態で持参すること
  シールは貼り付けずに持参すること
      【実験廃棄物として処理できないもの】
  × 感染性廃棄物 → 施設課(7270)に相談

◆ 実験用薬品ビン・薬品プラ容器

回収日時 申請不要
 6・10・2 月の「実験用薬品ビン(容器) の回収」 概ね最終金曜日 13:00 ~ 14:00

回収方法
 回収までのスケジュール(回収月のカレンダー)
 
第1週       案内配布      
第2週              
第3週              
第4週   シール配布 回収当日   
シール貼付期間
 「洗浄済み」シールは教員サポートセンターに取りに行くこと

 回収場所およびフタ付きメディペール缶の保管場所(案内図参照)
回収場所
研究棟ビバホーム側ゴミ保管庫前搬入スペース
種類や色ごとに分別して廃棄する
フタ付きメディペール缶の保管場所
大階段下実験廃棄物置場前室
(教室棟1階 防災センターで鍵を借りる)
在庫がなくなった場合は施設課(7270)に連絡
(1)薬品ビン
 <例> 洗浄した薬品ビン
 【実験用薬品ビン(容器)として処理できないもの】
  × 有害物が付着して除去できないもの → 処理番号 No.23「実験廃棄物」として廃棄

  廃棄方法
  薬品管理システムIASO を利用している研究室は空ビン登録を行う
  必ず空にし、水または適当な溶剤など必要回数洗浄(※参照)し、洗浄液は廃液分類のポリタンクに回収すること
  「洗浄済み」シールを貼る → シールは教員サポートセンターに取りに行くこと
  キャップはは分別して廃棄する

 諸注意
  洗浄しないで廃棄すると雨水や他の薬品と反応して危険につき未洗浄が指摘された場合は持ち帰ること
  出来るだけ乾燥させること

 (2)薬品プラ容器
 <例> 洗浄した薬品容器(プラスチック製)
 【実験用薬品ビン(容器) として処理できないもの】
  × 有害物が付着して除去できないもの → 処理番号 No.23「実験廃棄物」として廃棄

 廃棄方法
  薬品管理システムIASO を利用している研究室は空ビン登録を行う
  必ず空にし、水または適当な溶剤など必要回数洗浄(※参照) し、洗浄液は廃液分類のポリタンクに回収すること
  「洗浄済み」シールを貼る → シールは教員サポートセンターに取りに行くこと
 
 諸注意
  洗浄しないで廃棄すると雨水や他の薬品と反応して危険につき未洗浄が指摘された場合は持ち帰ること
  出来るだけ乾燥させること

(3)ガラス製品(洗浄済み)
 <例> 洗浄したガラス製・磁製の実験器具
 【実験用薬品ビン(容器) として処理できないもの】
  × 有害物が付着して除去できないもの → 処理番号 No.23「実験廃棄物」として廃棄

 廃棄方法

  水または適当な溶剤など必要回数洗浄(※参照) し、洗浄液は廃液分類のポリタンクに回収すること
  フタに「洗浄済み」シールを貼る → シールは教員サポートセンターに取りに行くこと
  満タンに入っている場合、メディペール缶にいれフタをし、養生テープで目貼りして持参すること
  内容量に余裕がある場合は目貼りはせずに仮止めをして持参すること

 ※水または適当な溶剤など必要回数洗浄とは?

  水溶性かつ水反応性でない薬品→水
  非水溶性および水反応性(黄燐を除く消防法危険物第3 類の多くの物質)の薬品→適切な溶剤
  洗浄回数は3回

◆ 薬品が付着していない18L缶(一斗缶)
廃棄方法
 薬品管理システムIASO を利用している研究室は空ビン登録を行う
 必ず空にし、水または適当な溶剤などで洗浄(洗浄方法はガラス製品と同等)すること
 フタははずして廃棄すること

廃棄場所
 大型廃棄物置場(粗大ゴミ置場)

◆ バッテリー
(1)小型充電式電池(本キャンパスではリサイクル活動を取り組んでおりません)
 <例> ニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池

005 廃棄方法
  本体とともに大階段下廃棄物置き場(粗大ゴミ置場)内乾電池回収ボックス
  教室棟1階 防災センターで鍵を借りる

(2)特殊バッテリー
 <例> 放電処理が必要なバッテリー
  製造・購入元に相談して回収を依頼すること

(3)乾電池
 <例> アルカリ乾電池
  研究棟貨物エレベーター附室(ゴミ保管庫横) に専用回収ボックス有
  × 鉛バッテリー、小型充電式電池、特殊バッテリー、ノートパソコン用バッテリー

006

(4)鉛バッテリー
  鉛バッテリーは研究棟5階 施設課(7270)に相談

水銀の含有・付着があるもの
◆ 水銀
 ・金属水銀
 ・水銀温度計
 ・水銀を含む実験器具(マノメータ・真空管など)
 ・水銀付着ゴミ
 ・蛍光ランプ
 ・水銀ランプ
 ・水銀電池・空気亜鉛電池

回収日時および場所
 日時:随時
 場所:研究棟5階 施設管財部(内線7270)

水銀をこぼしたとき
 第一報を…授業日は施設課(7270)、夜間・休日は防災センター(7280) に連絡
(1)換気をよくし、作業は、防毒マスク、保護手袋、保護メガネなどを着用して行う。水銀は揮発しやすく、蒸気として吸入するおそれがあるため注意すること。
(2)大量の場合は、紙やプラスチック板、スポイトなどで集め、密閉できる容器(ガラス・ポリ)に入れる。
(3)細かいものは、錫箔、銅線(電線の被覆をめくって、中の細かい銅線を使用)や、線ハンダの先に貼り付けて取る。
  (アマルガムを生成)…スズ箔、銅線・はんだ銅版など
(4)最後はスズ箔、銅の粉末、亜鉛末(いずれも酸化されていないもの) を水銀の上に振りかけて吸着させ、小さなほうきのようなもので集める。
(5)回収した水銀、水銀付着物は密閉し、施設課(研究棟5階) に持参する。

その他
◆ コンクリートガラ・鉄くず
廃棄方法(案内図参照)
 都度回収コンクリートガラ置場鉄くず置場 → いっぱいになったら管財課(7270) に連絡

007◆ 塗料・スプレー
008◆ 実験用機械類・消耗品
 下記のものを廃棄する時は、あらかじめ管財課(7270)に連絡してください
 • 大型実験機器
 • PC 機器(バッテリーが分別できるもの)
 • 什器
 • 蛍光管
 • ボタン電池

◆ 空ボンベ
 高圧ガスボンベは巴商会(03-5735-4311)に回収を依頼する

◆ 模型廃棄物
廃棄方法
 生活系事業ゴミ扱いにつき必ず分別すること
 <例> 木材・ボード・ダンボール・パネル
  「大量ゴミ廃棄予約票」を防災センターへ取りに行き、予約前日の15 時までに提出
        ↓
  清掃担当より予約受理の連絡がある
        ↓
  当日15:15 にゴミ保管庫に持っていく
 
【模型廃棄物として処理できないもの】
 × 生活系事業ゴミとして未分別のもの

◆ 実験系ではないゴミ(生活系事業ゴミ)
廃棄方法 所定の場所に設置されている分別表参照
 • 可燃ゴミ 残飯類(生ゴミ)・紙くず・布類・小さな木くず類(割りばし)・草花
 • 不燃ゴミ 弁当容器・ビニール類・プラスチック類・ゴム類・皮革製品・携帯用カイロ・金属類
 • ガラス・陶器類・油物(サラダ油、ツナ缶) スプレー缶は使い切り、穴をあけて廃棄

 ※豊洲キャンパスは生火厳禁・カセットコンロは使えません。
 • びん・カン・ペットボトル  飲料物の飲み残しは中身を空にして捨てる、フタは取り除き不燃ゴミへ
 • 粗大ゴミ 1 辺30 cm以上のもの・実験機器・家電製品
 • その他のゴミ 書籍 → ビニールひも等で縛る
 • ダンボール(一辺60 cmまで)・刃物・食器など(厚紙に包んで【危険】と表示)

     【生活系事業ゴミとして処理できないもの】
 × 実験系廃棄物

諸注意
 作業員の安全、効率的な処理のため、生活系のゴミの中に実験系廃棄物を混ぜない!!

化学物質をこぼしたとき

 • 第一報を…授業日は施設課(7270)、夜間・休日は防災センター(7280) に連絡する。
学内/電話の応答
××棟の××階の××で化学物質が飛散しました。
薬品は○○です。
ケガ人は○人で薬品を被ったことによるものです。
その他被害状況は…(量、反応の様子) …です。応援願います。

私は(教員名)研 △△です。
 • 研究室に常備している安全データシート(SDS) を確認、またはスマートフォンで検索する。
 • 換気(窓をあけ外気を取り入れる・換気スイッチを入れる) をよくする。
 • 毒性の強い物質の場合は当該フロアから人を避難させる。
 • 消防法危険物第4 類特殊引火物など引火性の高い物質の場合は電気(スイッチ、静電気) 厳禁!!
 • 作業は、防毒マスク、保護手袋、保護メガネなどを着用して行う。

廃棄場所案内図
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2-11-4 大宮キャンパスでの廃棄物の出し方
大宮キャンパスで発生した廃棄物は、さいたま市の「事業ごみの処理ガイド」に準じて分別・処理をおこなってください。
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産業廃棄物
分別ルールに従って分別し、透明なビニール袋へ入れて排出してください。ガラスくずなど中身が突き出る恐れがある場合は、金属缶等に入れての排出も可能です。
外部委託業者が収集し、学内の集積場所まで運搬しますので、運搬しやすいようにご配慮を願います。

◆ 飲料用ペットボトルや飲料用ビン・缶
材質に応じて廊下に設置したごみ箱へ分別して捨ててください。
【注意点】

中身が残っている場合は、中身を流しへ捨ててください。


◆ 発泡スチロール
透明なビニール袋に入れてごみ箱の横へ出してください。
【注意点】
ウレタンフォームは材質が異なるので混ぜずに、廃プラとして捨ててください。(素手で折れるのが発泡スチロール、折れないのがウレタンフォーム)

◆ 廃トナーボトル、使用済みカートリッジ類
原則として毎月15日(その日が土曜日・日曜日・祝日等の場合、翌日)13時までに5号館1階、ワークショップ室入り口まで持参し、メーカー別の回収ボックスに入れてください。

◆ 感染性廃棄物

霊長類の死体、血液、体液、組織や遺伝子組み換え生物、またそれらが付着したプラ、ガラス、金属、紙類 等は感染性廃棄物に該当し、特別管理産業廃棄物に規定されます。回収まで8号館の冷凍庫に保管し、多くなってきたら管理課へ連絡ください、管理課から専門業者へ処分を依頼します。

【注意点】
  • 本学では霊長類以外の実験動物の死体も感染性廃棄物として処理する。
  • 動物のフンや床敷、霊長類以外の血液や体液が付着したものは「もえるゴミ」として処理する。
  • 薬品やオートクレーブにより完全に滅菌処理した廃棄物は、「付着ゴミ」あるいは「付着ゴミ(有害)」として処理する。

◆ 擬似感染性廃棄物
注射針、メス、カミソリ/カッターの刃、カニューレ、ナイフ等鋭利なものが該当します。合成化学実験などのように動物実験以外で使用したものも一旦廃棄されると、感染性廃棄物とは区別が困難なため擬似感染性廃棄物として処理し、上記の感染性廃棄物処分時に一緒に処分してください。

◆ 廃試薬
安全に溶解・混合できるものは実験廃液に混ぜ込んで廃棄すること。安全に処理できないものや、大量にある場合は管理課まで連絡してください。

◆ 付着ゴミ、付着ゴミ(有害)

薬品類や実験材料が付着したプラ、ガラス、金属、紙、樹脂 等が該当します。液体は切った上で主な材質に応じてビニール袋に入れて排出してください。排出時には管理課へ連絡をしてください。

  • プラ類の例:シリンジ、チップ、シャーレ、遠心管、ピペット、ゴム手袋、空ポリタンク等
  • ガラス類の例:ガラス器具、パスツールピペット、ガラスキャピラリー、プレパラート、カバーガラス等
  • 金属類の例:アルミホイル、金属片、薬さじ、スパーテル等
  • 紙類の例:ろ紙、薬包紙、キムワイプ、ペーパータオル等
  • その他:シリカゲル、セライト、モレキュラーシーブ、活性炭、樹脂、ゲル等

【注意点】
特定有害物質が付着した廃棄物は、特別管理産業廃棄物として規定されるため、付着ゴミ(有害)としてその他の廃棄物と区別して集めて出してください。
特定有害物質は以下のとおりです。
  • 金属・無機物: HgCdPbCr6+AsSe、シアン及びこれらを含む化合物、石綿
  • 有機塩素系溶媒:ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,3-ジクロロプロペン(クロロホルムは含まれない)
  • その他有機化合物:ベンゼン、1,4-ジオキサン、有機燐化合物、PCB、ダイオキシン類
  • 農薬:チウラム、シマジン、チオベンカルブ

◆ 薬品類や実験材料が付着していない廃プラ、金属くず、ガラス・コンクリート・ガラスくず
材質に応じてビニール袋に入れた上でごみ箱の横に排出してください。

◆ 空の薬品ビン、18L缶、ハーフ缶等

洗浄・乾燥後にラベルに赤ペンで“洗浄済み”と明記しの上で材質ごとにまとめて排出してください。

薬品管理システムを利用している研究室は、空びん登録を行ってください。利用していない研究室は、IASOのバーコードラベルを検収センターへ持参してください。

◆ 実験機器、家電・OA機器等類

薬品類や溶媒、電池等が含まれていたら、除いた上で排出してください。また大きくて搬出が困難な場合は、事前に管理課までご相談ください。

PCは原則として毎月15日(その日が土曜日・日曜日・祝日等の場合、翌日)に検収センターへ持ち込んでください。なお、固定資産登録されているものは、必ず事前に廃棄登録をしておいてください。

なお、家電・OA機器等類のうち、下記の家電4品目(いずれも家庭用機器のみ)については、家電リサイクル法に基づき、有用な部品や材料はリサイクルされます。

  • エアコン
  • テレビ(ブラウン管・液晶・プラズマ)
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 洗濯機・衣類乾燥機


◆ 電池、バッテリー類

透明なビニール袋へ入れて排出してください。バッテリー類(鉛、リチウム)等端子が飛び出ているものやボタン電池については、必ず絶縁テープにて絶縁処理を行ってください。絶縁テープは各学科書記室に準備してあります。

上記以外の電池類については、絶縁処理は不要です。

◆ スプレー缶
スプレー缶に装着されているガス抜きキャップを用いて、中身を出し切って廃棄してください。中身が多く残っている場合は、事前に古紙やウェスを入れたビニール袋の中に中身を出した上でガス抜きを行ってください。
スプレー缶に穴を開けて中身を抜く行為や狭い場所でガスを抜く行為は、危険なので絶対に行わないこと。

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(社)日本エアゾール協会・ガス抜きキャップの使い方:https://www.aiaj.or.jp/safety/lid/


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◆ 実験廃液

分別ルールに従って分別して「実験廃液情報シール」に正しくチェックし、ポリタンク側面に貼付してください。漏洩しないようにしっかりとキャップを閉めた上で、台車を用いて廃液倉庫(斎藤記念館と体育館の間)へ搬入してください(月曜日から土曜日の午前6時から午後10時まで搬入可能)。


【注意点】
  • 原則として腰痛防止のために10Lのポリタンクに入れてください。
  • 漏洩防止のため中身は8割程度にとどめてください。
  • ポリタンクおよび「実験廃液情報シール」は、3号館1階ポリタンク倉庫(自販機の横)と6号館6113室(旧廃液倉庫)に常備してあります。前者は管理課から、後者は6号館書記室から鍵を借り出し、必要な数を持ち出してください。不足している場合は、管理課までご連絡ください。
  • なお廃液倉庫の利用にあたっては、事前に利用登録申請が必要となります。利用希望者は教員を通じて管理課まで連絡してください。


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事業系一般廃棄物

産業廃棄物に分類されない廃棄物は、事業系一般廃棄物としてリサイクル可能な廃棄物は回収し、リサイクルできない廃棄物は廊下のごみ箱(「もえるゴミ」)へ捨ててください。


【注意点】

  • 機密書類は、段ボール箱に入れて封をし、作業依頼書を作成の上、エスアイテックに回収を依頼してください。
  • シュレッダーくずは透明なビニール袋に入れて出してください。
  • 運搬するからの負担を考慮して、重さは10kg以下になるようにお願いします。

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