1.安全の基本

1-1 手引の活用

『安全の手引』は、学生みなさんが実験/実習/工作ほか、キャンパスでの活動を安全に行うために、またケガをした時や災害が起きた時に適切な対応ができるように作成しました。各学科に共通する学生生活の安全についての一般的な知識と心構え、事故や災害に遭った時の処置と連絡方法、さまざまな保障制度などが書かれています。普段からよく読んで内容を理解し、実験の開始前には関連する項目に目を通して、安全なキャンパスライフと万一の事故対応に活かしてください。

1-2 火災

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1-2-1 火災予防
火事が起きると被害は大きく、大切な人命、装置、多くの資料/データが失われます。火災予防はとても大切です。ただし、どんな対策をしていても、普段から火事に対する心構えと知識をもって、訓練をしておくことがより重要です。

  • 消火器、消火用砂などを用意し、その位置を確認しておく
  • 「火気厳禁」と表示された所では火を絶対に使用しない
  • 実験室に置く可燃物は必要最小量にする
  • ガスホースは定期的に調べ、傷みがあったら新しい物と交換する
  • 電気コードは規格品を使い、タコ足配線はしない
  • ゴミやホコリによる漏電に注意する
  • 避難経路の確認をする
  • 防火・防災意識を持って、消防訓練には積極的に参加する
1-2-2 消火器
廊下には約20mおきに「ABC粉末消火器」と「強化液消火器」が交互に、または「ABC粉末消火器」が置かれています。「ABC粉末消火器」は、A普通火災、B油火災、C電気火災の初期消火に効果があります。「強化液消火器」は、冷却効果がある炭酸カリウム水溶液を霧状放射にすることで、A普通火災だけでなくB油火災にも適応でき、C電気火災にも対応しますが、特に油火災に威力を発揮します。ピンを外し、レバーを引くと消火粉や強化液が約15秒間吹き出します。実験室にはこれらの消火器以外に、二酸化炭素消火器などが配置されている場合もあります。

1.火元(3~5m程度)付近に行く
2.安全ピンを抜く
3.ホースを外して火元を狙って
4.レバーを強く握って放射
1-2-3 消防設備
そのほかにも以下のような消防設備があります。

(1)自動火災報知機

火災の煙や熱を自動的に感知して、警報ベルで建物内の人達に火災を知らせる設備。 建物内の各部屋、各エリアには自動火災報知用「熱」感知器や「煙」感知器があり、防災センターや施設管理室の受信機で常に監視をしています。 感知すると、その階(出火階)とその上の階(直上階)の警報ベルと非常放送が鳴り、順次他の階へ伝わります。(小さい建物は全館一斉に鳴ります)。時間差をつけるのは、特に高層建物で避難の混乱を避けるためです。

(2)屋内消火栓

消火器では消火ができなくなった火を消すために屋内に設置されています。赤いランプと緑色のシールが目印で、ふたの裏側に使用法が書いてあり、誰でも使えます。 使用する場合は、できる限り2人以上で、下記の手順で操作してください。

  1. 1.消火栓箱の上の窓についている「ボタンを押す」
     (→ポンプ起動、表示灯点滅、火報ベル鳴動)
  2. 2.消火栓箱の「扉を開く」
  3. 3.「ノズルを持ってホースをのばす」
  4. 4.「バルブを開いて火元へ放水する」

(3)非常放送設備

非常時や、必要なときに非常放送ができます。 スピーカーは天井に付いていて、マイクとアンプは、大宮キャンパス/中央監視室、豊洲キャンパス/防災センターに設置され、構内一斉放送や、エリアを選択して放送することができます。

(4)防火戸・防火シャッター

廊下、エレベーターホールや階段の入口、吹抜け周りなどに、炎と煙が広がるのを防ぐための防火戸/シャッターがあります。防火扉は普段は壁にたたまれていますが、感知器と連動して自動的に閉じるので、避難する時は閉まった扉を手で開けてください。※防火扉やシャッターが閉まる場所には物を置かないでください!

(5)避難誘導灯

緑色の(人が逃げる姿が描かれた)常に光っている照明で、非常口の位置や避難の方向を示しています。蓄電池による非常電源で、停電しても約20分間は点灯しています。なお、光っていない緑色のシール表示も避難口や避難方向をしましますので確認をしてください。

(6)非常照明

天井に付いていて普段は光っていませんが、停電のときには自動的に非常電源に切替わり、室内や通路を約20分間照らし、建物からの避難を助けます。

(7)スプリンクラー

熱や煙を感知すると、一時に大量の水を吹き出すことで消火します。常に水が満たされているので、間違ってもスプリンクラーの下でホットプレートを使ったりはしないでください。

(8)エレベータの管制運転

  1. 1.火災管制運転
    火災時には、強制的に避難階(1階)に直行し、扉を1回開いた後、閉じて止まります。
    ※豊洲キャンパスの非常用エレベータは、消防隊の消火および救出作業に使われます。
  2. 2.地震管制運転
    地震時には、全てのエレベータが強制的に最寄り階に停止し、扉を1回開いた後、閉じて止まります。(※内部から再度扉を開けるには、操作パネルの「開」ボタンを押してください)
    ※エスカレータは火災時や地震時に自動では止まりません。
1-2-4 火災が起きた時
発見者は「大声で」周囲に知らせてください。火災報知器が鳴らないときは非常ボタンを押してください。消火器、消火砂等で初期消火に努め、大宮/守警室、豊洲/防災センターに連絡してください。
通報例
『火事です。場所は○○館○○階○○室、原因は××です。 けが人はいません(又はけがをした人が○人います)。初期消火は不可能です』
大宮キャンパス
学生課 内線:5105
守警室 内線:5101・5201
外線:048-687-5101
外線:048-687-5201
学生課 内線:7370
豊洲キャンパス
防災センター 内線:7280
外線:03-5859-7280
学事・学生課 内線:2600
初期消火は慌てずに。延焼の3要素「熱」「酸素」「燃えぐさ」のどれかを無くすこと。
消火砂をかけて温度を下げる、濡れた布をかけ空気を遮る、周りの可燃物を取り除く、などが有効です。 万一衣類に火がついたら、もみ消す、脱ぎ捨てる、水をかぶる、布でたたく、床に転がるなどの消火方法があります。
1-2-5 消火方法
万一衣類に火がついたら、もみ消す、脱ぎ捨てる、水をかぶる、布でたたく、床に転がるなどの消火方法があります。火を扱う時にはフリースなどの化学繊維よりも木綿やウールなど天然繊維のほうが火は点きにくく燃え広がり難く、皮膚に張り付いて重いやけどを負ったりすることを防げます。

  • ガス栓、電熱器等の火元を止め、周囲の燃えやすい物は除ける
  • 爆発や有毒ガスの危険性を確認する
  • 油やアルコールは水に浮くため、水をかけると逆に火が広がる。慌てて水をかけることはしない

自力での初期消火は、炎が天井へ届く前が目安です。それ以後は「大声で周囲に知らせながら」部屋の扉は閉めて、速やかに避難してください。

  • 煙が出ていたらハンカチ等で鼻と口を覆い、低姿勢で煙の動きを見て風上に避難する
  • 周辺に救助が必要な人がいるか確認し、居合わせた人と協力し対処する
1-2-6 爆発が起きた時
爆発は突然に起こり、不意をつかれる事故です。以下の行動をとってください。

  • 近くの人が大きなけがをするケースが多く、負傷者の救護が第一
  • 爆発を起こした装置や薬品をみつけ、二次災害が起こらない状態に戻す   
  • 処置が困難で、二次災害の危険があるときは、速やかに避難する
  • 爆発により火災が発生した場合は火災の処置に準じます

1-3 地震

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1-3-1 地震の知識と備え
日本列島は地震の巣です。大地震が今!起きるかもしれません。地震災害は突然、同時に広範囲で起きるので、消防や警察などの組織的な活動はほとんど期待できません。自分たちの心構えと準備によって被害を軽減できる予防措置をとっておくことが大切です。

身の回りのこまめな対策をして、少しでも安全な生活環境を作っておく

  • 家具の転倒やガラスの破損に備え、室内で安全な場所を予め作っておく
  • 実験器具・薬品の転倒・落下を防ぐ工夫をする
  • 家具を壁などに止めつけて、転倒を防ぐ
  • 重い物を高いところに置かず、動きやすい物は固定する工夫をする
  • 窓や戸棚のガラスには飛散防止シートを張ると破損を防ぐのに効果的
  • 額や記念品など、必要性のないガラス製品はなるべく置かない

家族との連絡方法を決めておく

  • 「災害用伝言サービス」や「災害用伝言ダイヤル」など連絡方法を決めておく
  • 避難所等の集合場所を決めておく

生命を維持するために必要最小限の非常食や用品を備える

  • 組織的に救援態勢が整い、水や食料が安定して供給されるまで、1週間程度分の食料・水の備蓄があると安心です
    学内には、全学生3日分の水と非常食を備蓄していますが、「自助」の観点から各自でも用意することがのぞまれます
    ※水は、1日あたり1人3リットル必要
  • 生活用品は個人差があり、アレルギー食や常服薬など各自で備えてください

避難経路を確認し地震の後の行動を考えておく

  • キャンパスから自宅まで、事前の帰宅経路の確認と、事後の情報収集をしておく。
    大地震後は東京都の帰宅困難者対策条例に則り、2キャンパスとも学校内に3日間待機します。
    3日後以降は地震の規模、時間、交通機関の状況によって臨機応変に判断します。地図やスニーカーなど徒歩帰宅の準備を普段からしておいてください。
  • 豊洲キャンパスでは、津波に対する警戒が必要です。「大津波警報」が発令されたら各建物の上層階に避難してください。

マニュアルの活用

  • ガイダンスで配付される「大地震対応マニュアル」を普段から読み、携帯してください。
1-3-2 警戒宣言とは
東海地震が発生する恐れがある場合に内閣総理大臣から発令されます。テレビ、ラジオ等の情報に注意し、各自治体の防災計画に従って行動してください。
1-3-3 地震が起きた時の対処
生死を分ける大災害時には、なにより冷静沈着な行動が求められます。

  • 机や持ち物で頭を守る、落下物、家具の転倒、火、熱湯、薬品から身を守る
  • 地震の最中はすぐに火を消す必要はない
  • ※揺れているとき火に近づくのは危険。ほとんどの地震の主な揺れは1分以内なので、地震が収まった後に火を消してください
  • エレベータ内では、全階のボタンを押し、開いた階ですぐに外に出る
  • 外にいる時は、ガラスなどの落下物に注意し、頭を守り、頑丈な建物内に入る
1-3-4 避難と連絡
警察や消防・救急による組織的な救助や誘導態勢が整うには時聞がかかります。仲間や、その場に居合わせた人と協力し、迅速かつ適切に行動する必要があります。

地震直後

  • 裸足の場合は、ガラスに注意し、足を保護してから行動する
  • 火災発生がないか回りを点検し、ガスの元栓、電気器具のスイッチを切る
  • 火災発生の場合は大声で周辺に知らせ、周囲の人と一緒に消火活動を行う
  • 避難は階段を利用する(高層階にいる場合は、地震が収まった後に低層階に移る)
  • 情報の収集手段(ラジオ、TV)を確保し、正確な情報を得る
  • インターネットでは、情報源が不明で曖昧な情報、風評に注意する
  • 本学から送信される安否確認メールへ返信する

組織的な救援態勢が整うまで

  • 正確な情報の確保に努め、デマやファクトニュースに踊らされないよう注意する
  • 「171」(災害用伝言ダイヤル)を利用し、無駄な通信は極力控える
  • 大学の指示に従い、むやみに帰宅しない(被災地の移動は危険で困難です)
1-3-5 災害時指定避難場所

大宮キャンパス

大宮キャンパスでは、授業中に火災や地震が発生した場合、構内放送または教職員等を通じて災害に関する情報を伝達します。
避難場所は、総合グラウンドおよびスクールバス乗車場
停電時使用可能なトイレは、大学会館(B1F音楽練習室、B1F中央監視室前)5号館(数理棟は除く)、図書館、多目的コート
災害時指定避難場所大宮キャンパス

豊洲キャンパス

「地区内残留地区」として東京都から指定を受けています。
※地区内残留地区とは、市街地大火が発生しない地区で、火災が発生しても地区内の近い距離(一区画程度)に避難すれば安全を確保でき、広域的な避難をする必要がないところについて東京都が指定した地区のこと。
豊洲キャンパスでは、授業中に火災や地震が発生した場合、放送または教職員等を通じて災害に関する情報を伝達し、避難場所等を指示します。
なお、停電時は館内のトイレは使用不可になります。

学生・教職員等の滞留場所

災害発生時の学生・教職員等の滞留場所は、原則として下記のとおりとします
学生 本部棟3~6階および交流棟教室棟の各教室
教職員
カフェ・レストランは休憩場所として使用可能
帰宅困難者
地域避難者
体育館・交流プラザ
芝浦工業大学では、東京都帰宅困難者対策条例に基づき、3日分の水と食料を備蓄していますが、「自助」の観点から、各自必要な物は備えておきましょう。
【通学時に携行したいもの】
警察や消防・救急による組織的な救助や誘導態勢が整うには時聞がかかります。仲間や、その場に居合わせた人と協力し、迅速かつ適切に行動する必要があります。
(1)貴重品
□ 現金(公衆電話用の硬貨として十円玉10枚程度と2~3千円程度の小銭
□ 健康保険証(コピーでも可)
□ 身分証明書(コピーでも可)
(2)情報収集用品
□ 大地震
□ 大地震対策マニュアル(大学が配布したものに必要事項を記入しておく)
□ 携帯電話、スマートフォン
□ 携帯ラジオ
□ 携帯バッテリー
□ 大学⇔自宅の地図(帰宅経路の確認用)
□ 予備用電池
□ 筆記用具(油性マジックとメモ用紙など)
□ 連絡先のメモ
□ 家族の写真
(3)帰宅用品
□ 懐中電灯(LEDミニライトなど)
□ コンパス(震災時は景色が変わり方向がわかならなくなる)
□ ホイッスル(助けを呼ぶため)
□ 100~500mlのペットボトル(水筒になる)
□ 携帯食(チョコレート、飴、など)
□ アレルギー用の食べ物(必要に応じて)
□ 常服薬(持病のある人)
□ マスク(防寒用にも)
□ バンダナや大判のハンカチ(三角巾代わり)
□ ティッシュペーパー
□ ウェットティッシュ
□ 携帯トイレ
□ ポリ袋
□ ばんそうこう
□ 雨具(雨合羽が良い)
□ 生理用品
□ 使い捨てカイロ
【研究室やロッカーに常備しておきたいもの】
(4)3日間滞在用品
□ 携帯バッテリー
□ 予備用電池
□ 飲料水
□ 非常食
□ アレルギー用の食べ物(必要に応じて)
□ 常服薬(持病のある人)
□ マスク
□ ティッシュペーパー
□ ウェットティッシュ(からだ拭き用も)
□ 洗面用具(水を使用しないタイプ)
□ ポリ袋
□ 応急医薬品
□ 雨具
□ 生理用品
□ 使い捨てカイロ
□ タオル
□ 下着・靴下
□ 軍手
(5)帰宅用品
(通学時に携行したい物(3)をバックアップとして置いておけば安心)
□ 懐中電灯(LEDミニライトなど)
□ コンパス(震災時は景色が変わり方向が分からなくなる)
□ ホイッスル(助けを呼ぶため)
□ 100~500mlのペットボトル(水筒になる)
□ 携帯食(チョコレート、飴、など)
□ アレルギー用の食べ物(必要に応じて)
□ 常服薬(持病のある人)
□ マスク(防寒用にも)
□ バンダナや大判のハンカチ(三角巾代わり)
□ ティッシュペーパー
□ ウェットティッシュ
□ 携帯トイレ
□ ポリ袋
□ばんそうこう
□ 雨具(雨合羽が良い)
□ 生理用品
□ 使い捨てカイロ

1-4 応急処置

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1-4-1 ケガの一般的な注意事項
  • ケガの原因(薬品名など)、種類、程度等を的確に判断する
  • 心停止、呼吸停止、意識障害、出血多量、服毒の時はいち早い処置が必要
  • 意識不明の時に、水などを飲ませると気管に詰まる恐れがあるので注意
  • 眼に異物が入った時は、絶対にこすらないで流水で洗い流す
  • 応急処置が済んだら必ず指導教員に報告し、今後の事故防止対策の参考にする

健康相談室(保健室)の直通連絡先

     電話番号
                     開室時間
  大宮
  TEL:048-687-5113
    月~金 : 9:00~17:00
  豊洲
  TEL:03-5859-7400
     土  : 9:00~15:00   ※授業期間以外は別途掲示します
1-4-2 事故の救急処置
・その場に居合わせた人が応急処置をすることで、救命率や医療効果が上がります。
・まず声を掛けて反応を確認してください。
・反応がない時は、大声で周りの人を集め、協力を求めます。
・気を失っている時は、揺すったり叩いたり無理に動かさない。
・腰痛を訴えている時は、本人が最も楽な体位をとらせる。
・ベルト・ネクタイ・衣類等はゆるめ、毛布等で保温する。
・窒息しない体位にする。
・意識のない時は、そのままの体位で、まず頭をわずかに後ろに曲げ、下あごを前に突き出した形をとらせる(気道確保の体位)
・嘔吐や吐血がある場合で普段通りの呼吸をしている場合は、横向きにする。
1-4-3 外傷・捻挫・骨折の処置
高い所から落ちたり、転んだり、物に挟まれた時には、出血など外傷がなくとも、骨折等の症状を見落とさないように注意してください。
  • 出血が少なく傷口が汚れている時は、流水で洗い止血する
  • 止血(清潔な布をあて手で押さえる)しても出血が止まらない時は、心臓に近い動脈を指で押さえ、傷口を心臓より高く上げる
  • 捻挫、脱臼、骨折の疑いがある場合は、氷(なければ保冷剤)などで冷やしなるべく動かさないようにして病院へ行く※5~20分冷やしたら(患部の感覚がなくなったら)外し、痛みが出たら冷やすを繰り返す
感電は、軽い時はちょっとしたショック程度ですが、重くなると皮膚が深部まで変色し、炭化します。感電の傷の手当ては火傷と同様に処置してください。
【火傷】
・20分以上流水で流す。服の下が幹部であれば、服の上から冷やす   
・20分以上流水で流し、水疱やただれがあれば、そのままの状態で(消毒や軟膏、ガーゼなどでおおわずに)皮膚科を受診する
・衣服が燃えたときは、その周辺を切りぬき、傷口に付着した物は無理に取らない
・重傷でショック状態のときは、タオルや毛布で覆い、保温する
【凍傷】
・凍傷の患部は40度程度の湯に20分以上入れて温め、その後患部を高く上げておく(凍傷部分を強く摩擦するのは絶対に避ける)
【感電】
・感電による傷は見かけよりも深いので、早く医療機関に運ぶ
・救助者が二次事故を起こさないように電源を切る等、感電予防をして救助する
1-4-5 ガス中毒の応急処置
  • 救助に当たっては窓を開け、二次災害に注意する
  • 引火・爆発性ガスが疑われる所では、照明スイッチや換気扇の点滅も避け火気厳禁とする
  • 傷病者は呼吸困難・悪心・顔面蒼白などのショック状態をおこす恐れがあるので、すばやく新鮮な空気中に移し、安静と保温に注意する
1-4-6 薬品飛散時の処置

薬品を浴びてしまったら

  • 基本は、多量の水で15分以上十分に洗い流すこと
  • ただし、水で流すことが適当でない化学物質もまれにあるため、試薬の基本情報は事前にSDS(安全データシート)で確認しておくこと

(社)日本試薬協会の「SDS検索」:http://www.j-shiyaku.or.jp/Sds

薬品の身体への付着

  1. 1.目に入った場合
    どの試薬にせよ、清潔な大量の流水で目を15分以上洗い流す
    〈流し台洗眼器設置場所〉
     豊洲キャンパス:研究棟9〜14階 各階廊下SK2カ所、応用化学科各研究室、応用化学実験室
     大宮キャンパス:6号館2階廊下に2カ所、2階学生実験室に1カ所、3号館1階化学実験室に2カ所
  2. 2.皮膚に付着した場合
    直ちに大量の流水で15分以上洗い落とす (緊急洗浄シャワーを利用する)
    〈緊急洗浄シャワー設置場所〉
     豊洲キャンパス:研究棟9〜14階 各階廊下SK2カ所、応用化学実験室
     大宮キャンパス:6号館2階廊下に2カ所、2階学生実験室に1カ所、3号館1階化学実験室に2カ所
  3. 3.口に入った場合
    流水で口をすすぐ(薬品の種類によって対応が異なる)

・避難、救護が必要なほど、有害あるいは多量な薬品が飛散したときは、緊急連絡体制に従って緊急連絡する
・研究中の学生、院生の指導責任はその指導教員にある。事故は大至急指導教員に伝え、指示を受ける。連絡が取れない場合は、同じ学科内の教員に連絡し、指示を受ける
・有害性の高いガスの発生は、部屋を封鎖し、至急付近の作業者、同じフロアの研究室に伝え、避難するよう指示する
・引火性の高い溶剤類が飛散した場合、爆発の恐れもあるので、近くにいる人に協力を求め、付近を立入禁止とし、着火源を近づけない。特に廊下や、階段など人通りの多い場所で溶剤を飛散させた場合は細心の注意が必要です
1-4-7 学生・教職員健康相談室(保健室)の利用
学生・教職員健康相談室(保健室)は、ケガをした時の応急処置や心身の不調時の相談に応じています。設置場所は下記のとおり。時間外の緊急事態は 守警室・防災センターで指示を受けてください。
大宮キャンパス(2号館)
開室:月~金 午前9時~午後5時
土 午前11時~午後3時 ※授業期間以外は別途掲示します。
保健室 内線:5113 
守警室 内線:5101・5201 直通:048-687-5113
豊洲キャンパス(研究棟2階)
開室:月~金 午前9時~午後5時
土 午前9時~午後3時 ※授業期間以外は別途掲示します。
保健室 内線:7400 
防災センター 内線:7280  直通:03-5859-7400
1-4-8 命を守る救急法を学ぼう




1-5 作業環境

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1-5-1 一般的原則
作業環境とは、温度、湿度、空気清浄度、照度、光など、各種条件の集まりです。事故や災害に至らないよう、これらの作業環境を良い状態に維持することが大切です。
1-5-2 作業環境の衛生基準

(1)温度・湿度

実験室では作業の内容、季節などに応じて、温度、湿度を適切な状態に保つことが望まれますが、事務室とは違って作業上どうしても避けられないような条件があり、結果的に快適といえない状態にもなり得ます。作業者に生理的、心理的に負担をかけない温度は、冬期で18~20℃、夏期で25~28℃程度、望ましい湿度条件は50~60%程度です。

(2)空気・換気

実験室では、空気環境における浮遊粉じん、二酸化炭素などの濃度が、作業者に悪影響を与えることがあります。また、特定化学物質、鉛や有機溶剤等の有害物質によって健康に影響を与えないように、ドラフトチャンバーやプッシュプル換気装置の使用が一般的ですが、作業環境中の気中濃度にも注意が必要です。事務室の衛生基準が定められているので、参考として表1に示します。

表1.事務室の衛生基準一覧表
項目
基準
空気
環境
気 積
10m3/人以上
窓その他の開口部
最大開放部分の面積が常時床面積の1/20以上(1/20未満のとき換気設傭を設ける)
室内空気の環境基準
一酸化炭素
50ppm以下
炭酸ガス
0.5%以下
温度
10℃以下のとき
暖房等の措置を行う
冷房実施のとき
外気温より著しく低くしない
(外気温との差は7℃以内)
空気調和設備
供給空気の清浄度
浮遊粉じん量(10マイクロメートル以下)
0.15mg/ m3以下
一酸化炭素
10ppm以下
二酸化炭素
0.1%以下
ホルムアルデヒド
0.1mg/ m3以下
室内空気の基準
気流
0.5m/s以下
室温
17℃以上28℃以下に努める
相対温度
40%以上70%以下に努める

(3)採光・照明

適度な照度を確保し、極端な明暗差やまぶしさがないこと、また自然光の取り入れ、室内の色、光源の特性などにも配慮が望まれます。JISの照度基準(Z9110-1979)で所要照度が定められているので、その例を表2に示します。

表2.JISによる所要照度(工場の場合)
○印の作業の場所は、局部照明によって、この照度を得てもよい。
照度 lx
場 所
作 業
3,000~1,500
○制御室などの計器盤及び制御盤
精密機械、電子部品の製造、印刷工場での極めて細かい視作業、例えば、○組立、○検査、○試験、○選別、○設計、○製図
1,500~750
設計室、製図室
繊維工場での選別、検査、印刷工場での植字、校正、化学工場での分析など細かい視作業、例えば、組立、○検査、○試験、○選別
750~300
制御室
一般の製造工程などでの普通の視作業、例えば、○組立、○検査、○試験、○選別、○包装、○倉庫内の事務
300~150
電気室、空調機械室
粗な視作業、例えば、○限定された作業、○包装、○荷造
150~75
出入口、廊下、通路、階段、洗面所、便所、 作業を伴う倉庫
ごく粗な視作業、例えば、 ○限定された作業、○包装、○荷造
75~30
屋内非常階段、倉庫、屋外動力設備
○荷積み、荷降ろし、荷の移動などの作業
30~10
外(通路、構内警備用)

(4)騒音・振動

騒音は不快で、会話や合図を妨げることで危険な状態になることも多く、難聴の原因にもなります。特に、大きい音や狭い周波数帯域に集中した音(純音)、周波数の高い音、長時間に渡る定常的な音などが危険で、その許容基準は85デシベル(dB)です。騒音防止ができないときは、耳栓を使用してください。参考として騒音値の基準と目安を表3に示します。

表3.騒音値の基準と目安
目安1
(うるささ)
目安2(身体/生活への影響)
騒音値(dB)
騒音発生源と距離
(大きさの目安)
きわめてうるさい
聴覚機能に異常をきたす
120dB
・ジェットエンジンの近く
110dB
・自動車のクラクション(2m)
100dB
・電車が通るときのガード下
うるさくて我慢できない
90dB
・騒々しい工場の中
80dB
・地下鉄の車内
うるさい
かなり大きな声を出さないと会話ができない
70dB
・騒々しい事務所の中
・騒々しい街頭
声を大きくすれば会話ができる
60dB
・静かな乗用車
・普通の会話
普通
通常の会話は可能
50dB
・静かな事務所
聞こえる会話には支障なし
40dB
・図書館
静か
非常に小さく聞こえる
30dB
・郊外の深夜
ほとんど聞こえない
20dB
・木の葉のふれあう音
1-5-3 VDT作業
IT化により実験環境が変化し、コンピュータ作業(VDT作業)が日常的になり、VDT(Visual Display Terminals)作業からさまざまな障害がおきています。

(1)VDT障害-VDT症候群目の症状としてはドライアイ、充血、視力低下・眼精疲労など。

体の症状としては頸肩腕症候群(キーパンチャー病)、首・腰・肩のこり、だるさ、痛み、慢性化すると背中の痛み、手指のしびれなど。
心の症状としては食欲減退、イライラ、不安感、抑うつ症状などがあります。

(2)管理の実際(予防法)

  1. 環境管理
    適正な照明、採光及びグレアの防止、騒音の低減、正しい作業姿勢のための適正なイスや机、VDT機器等の調整などが大切です。
  2. 作業管理
    地震時には、全てのエレベータが強制的に最寄り階に停止し、扉を1回開いた後、閉じて止まります。(※内部から再度扉を開けるには、操作パネルの「開」ボタンを押してください)
    ※エスカレータは火災時や地震時に自動では止まりません。

1-6 連絡体制・届出制度・保障制度等について

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1-6-1 夜間または休日の連絡
深夜または休日に起きた緊急事態は、原則として守衛室・防災センターに連絡して指示を受ける。
大宮キャンパス(守衛室)
内線:5101・5201
直通:048-687-5101
豊洲キャンパス(防災センター)
内線:7280
直通:03-5859-7280
1-6-2 徹夜実験・休日入構の届出
夜間や休日に研究室を使用する場合、事前に申請フォームより申請をすること(大学のアカウントでログインが必要)
※学生単独での徹夜実験は禁止する。
1-6-3 学生のための保障制度
本学学生が安心して学業が続けられることを目的に設置された制度です。この制度は学業等の活動中に起きた本人のケガや、他人の物を壊したり、ケガをさせたときの傷害保険と日常生活を保障する総合保険とで構成されています。なお、この保険制度に係わる保険料は、全額大学側が負担しています。この制度の適用に関する詳細は学生課に問い合わせてください。

学生総合保障制度の種類

制度
保険制度
種類
学生教育研究災害障害保険
学生総合保険
取扱機関
(財)日本国際教育支援協会
損害保険会社
内容
学業等活動中の保障(正課または課外活動中)
日常生活上の保障

保険制度の適用範囲

※学生教育研究災害傷害保険
学生本人が大学敷地内の学業等活動中、または大学に届け出た課外活動中の傷害事故に適用される制度です。
※学生総合保険
学生本人の死亡、後遺傷害、偶然な事後により他人に与えた法律上の損害賠償及び学生本人の保証人が事故により死亡した場合に適用される制度です。
1-6-4 その他安全に係わる活動(消防訓練の実施)
tetsuduki