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認知言語学・言語データ分析研究室
Cognitive Linguistics & Quantitative Text Analysis Laboratory
人のこころの動きを言語や心理データから明らかにする
言語学は,実際に用いられていることばのデータから特徴を抽出し,その背後にある仕組みや傾向をモデルとして記述・説明しようとする学問です.しかし,個々の話者を一人ひとり網羅的に調査することは現実的ではありません.そこで,コーパスと呼ばれる言語データの集合体 (標本) を分析することで,観察可能な範囲において言語使用の傾向 (母集団) を明らかにします. 本研究室では,異なる年代やコミュニティ間で使用されることばの違い,心理状態の違いによる言語表現の相違などを,定性的・定量的の双方で分析しています.研究対象のコーパスは,Pythonを用いたAPIリクエストによるテキスト収集や,身近な人への小規模アンケート調査,調査会社を用いた大規模アンケート調査などを通じて作成します.得られた言語データや心理データは,プログラミングやソフトウェアによって機械的に処理し,統計的手法を用いて分析し,モデル化します.他方,得られた結果は,言語学や心理学の視点から解釈し,ことばの使用や人の認知の違いを説明することを目指します. 本研究室に所属する学生には,人のこころの動きや認知の違いがどのように言語表現として現れるのか,または言語表現がどのように社会に影響していくのかをモデル化することに関心をもつ人が多いのが特徴です.主な研究テーマについては,下記の「研究室クローズアップ」をご覧ください (定期的にアップデートしています).
工学部 機械工学課程 先進機械コース
/ 理工学研究科 修士課程機械工学専攻
/ 理工学研究科 博士課程機能制御システム専攻
認知言語学・言語データ分析研究室
担当教員 新谷 真由
- キーワード
- テキストマイニング、色彩語、認知言語学、動機づけ、心理測定尺度、教育工学、計量テキスト分析
- 研究室の場所
- 大宮キャンパス 4号館4F 4402-2
この研究室が取り組んでいるSDGsの活動
学べる分野
- 認知言語学
- 計量テキスト分析 (テキストマイニング)
- 言語統計
- 教育工学
- 心理測定尺度の作成・計測・評価
- Pythonを使った言語分析
社会のために
● ことばを観察して「人」とは何かを明らかにし,また,言語を通じて世界の多様性へ理解を深めます。 ● 人の心理状態やそれを表すことばを計量し分析することで,より良い教育の提供を試みます。
研究テーマ
- 心理特性・個人属性を説明変数としたコードスイッチング生起の予測モデル
- 生成AIに対する英語学習者の捉え方のテキストマイニング分析
- 英語学習へ向かう心理状態を測定する尺度の構築
- 工学系人材のコミュニケーション能力とその育成に関する調査
- 言語データと心理状態に基づく不気味の谷現象の解明
研究室クローズアップ
・分野:本研究室は,理系(定量)と文系(定性)の融合分野に位置づけられます.統計解析や数理モデルを用いながら,言語やコミュニケーション,人の認知を対象とした研究を行っています.「理系だけど言語研究がしたい」「統計の知識を言語研究に生かしてみたい」「プログラミングで言語データを分析してみたい」という学生に向いている研究室です.
・最近の学生の研究テーマ:「中国人留学生による日本語使用におけるコードスイッチング生起の予測」「J-Pop 歌詞を始めとする特徴量を用いた楽曲の人気度(売れる・売れない)の予測」「世代や属性の違いに着目した『推し活』に対する行動分析」「SD法に基づく不気味の谷現象の分析・モデル化」など.
・大学院・卒業研究ゼミ:豊洲キャンパスで実施しています.教材や論文の輪読のほか,Pythonや統計ソフトを用いたデータ分析実習をします.プログラミングや統計解析が初めての学生でも,段階的に学べるように指導しています.
・大学院進学を検討する方へ:本学大学院(修士課程・博士課程)において,当方から指導を希望される方は,事前にご相談ください→shintaniアットshibaura-it.ac.jp(アットと全角ピリオドを適宜変換して下さい).
・留学生の受け入れ:日本の学生ビザを所持している留学生の受け入れが可能です (実績あり).ご希望の場合は,事前相談ください (TAOシステムまたは直接).
