都市・環境コース

カリキュラム

社会基盤システムを「人」「自然」「モノ」の観点から学び、社会インフラの建設技術だけでなく、自然や社会を俯瞰して理解する能力や、複雑な問題を分析して解決策を提案する力を育成します。

1年次 社会での土木の役割を、数学・情報・経済・環境との関係から学ぶ

●主な授業科目
導入ゼミナール/環境の科学/地盤工学1/土木と経済学/土木情報処理/土木数学1

2年次 都市・交通・地震・橋・水害・材料・測量など土木の基礎を学ぶ

●主な授業科目
土木の力学/流れの力学/マテリアルデザイン/地盤工学2/都市計画/土木工学総合講義/測量学実習1・2/水理学

3年次 研究活動や専門科目の講義・演習から、社会問題の解決方法を学ぶ

●主な授業科目
材料実験/土質実験/水理実験/土木応用実験/土木キャリアセミナー/地盤工学演習/土木設計演習/卒業研究1・2

4年次 研究室の分野を飛び越え、総合工学としての土木の先端技術を学ぶ

●主な授業科目
卒業研究3・4

授業紹介

導入ゼミ

導入ゼミナール

講義と、学生が主体的に調査するグループワークで構成される土木工学の導入授業です。大学の勉強で必要な文章読解力や伝達力、表現力、ディスカッション能力を向上させます。

測量

測量学実習1・2

地形図作成を目標に、1年をかけてさまざまな測量器械を取り扱い、測量における誤差の処理や地形情報の取得方法を学びます。測量技術だけでなくチームワーク力も養われます。

土木③

材料実験、土質実験、水理実験、土木応用実験

“土木”の重要科目である水理・土質・材料の実験を班に分かれて実施し、実習とレポートを自ら行うことで、2年生までの机上での講義と関係づけて学ぶことができます。

研究テーマ例

河道内樹林の動態解析

河川・流域環境研究室:宮本 仁志 教授

河川の砂州の中には、ここは本当に河川なの? と見間違えるほど大きな樹木がたくさん繁茂するところがあります。このような河川の樹林化は、日々の河川環境にとって大切な役割を果たしますが、一旦大きな洪水になると植生が水位を上げる抵抗になり、河川近くで生活する市民の災害危険度が増すことにもなります。当研究室では河道内樹林と河川の洪水流との関係を学術的に考究します。

河道内樹林の動態解析1

洪水後の砂州への植物種子混入に関する実態調査で河川植生の二次遷移の発端となる種子を同定

河道内樹林の動態解析2

ドローンによる鬼怒川の航空機計測を行い地形、流れ、植生など土地被覆の経年変化をモニタリング

海外との活動事例

世界で土木工学を学ぶ!

地盤工学研究室×タイ/キングモンクット工科大学

グローバルに活躍する土木技術者の育成をめざし、土木工学に関連したGlobal Project Based Learning(グローバルPBL) を積極的に展開しています。土木工学科の学生は、自らが海外の大学との国際交流プロジェクトを進めることにより、国籍や専門分野の異なる現地学生・若手技術者とチームになって土木工学が貢献すべき諸課題を熱く議論し、斬新な解決策を提案しています。このような取組みを通じて、土木技術者としてのグローバル意識を育んでいます。

gPBL

タイ・キングモンクット王立工科大学トンブリ校(KMUTT)に集合し、これより都市環境に関連したグローバルPBLが始まります!

卒業研究の例

CO2ガスを用いた再生骨材の改質

今後大量に排出される可能性がある、コンクリート塊をコンクリートに再利用するため、再生骨材を製造しますが、そのコストやエネルギーを出来るだけ抑えて、よい骨材とするために、地球温暖化物質であるCO2を利用して改質し、その骨材を用いたコンクリートの性能を今まで以上に良くするための方法とそのメカニズムについて研究しています。

CO2ガスを用いた再生骨材の改質
この研究の応用先

今後、構造物の再構築などで大量に放出される可能性があるコンクリート塊を有効利用し、ごみを減らすとともに、リサイクルコンクリートの実現を可能にします。東京オリンピックなどで大量に構造物を製造することになるのを考慮して、いかにしてリサイクル材を有益に利用できるかを積極的に考えています。

都市鉄道の遅延連鎖予測シミュレーションの開発

正確な運行で世界中から信頼を集める日本の鉄道システム。しかし最近、東京圏の都市鉄道は莫大な利用者数でダイヤ通り運行できない遅延が頻繁に起きています。この遅延のメカニズムを研究し、コンピュータ上で、列車1編成ごとの挙動と利用者の乗降時の行動とを再現するソフトウェアを開発。これによってさまざまな遅延対策の効果を事前に予測することができます。

都市鉄道の遅延連鎖予測シミュレーションの開発
この研究の応用先

効果的で効率的な交通計画を立てるためには、計画決定を論理的に支える数理分析が必要です。例えば、20年先の交通量の予測技術、交通が地域経済に与える影響を分析する技術、上の研究例のようなさまざまな改善策のシミュレーション技術などです。卒業研究で解明された交通現象や開発された技術は、国土交通省や自治体、交通事業者の調査・計画に生かされています。