電力変換器を「デジタル技術で自動最適化」〜高効率化と安全性確保の自動最適化を実現する 次世代パワエレ技術をCEATEC 2026で展示〜
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- 研究
芝浦工業大学(東京都江東区/学長 山田 純)工学部 畑 勝裕 准教授(先進電源システム研究室)と、横浜国立大学 大学院工学研究院 小原 秀嶺 准教授らの研究グループは、NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ2050の採択研究テーマ「デジタルアクティブゲート技術を駆使したノイズフリー・パワエレ電力ネットワークの創生」に取り組んでいます。
高効率な電力変換/電力供給を実現するパワーエレクトロニクス(パワエレ)機器は、電磁ノイズによる誤動作・事故等のリスクを回避するために、それぞれの電力変換器ごとにノイズ対策部品を取り付けて安全性を確保してきました。
本研究では、EV、再生可能エネルギー、データセンターなどで急速に進む電力変換器の大量導入に向けて、更なる高効率化と電磁ノイズ低減を両立させる新たな制御技術の確立を目指しています。その中核となるのが、デジタルアクティブゲートドライバと制御ソフトウェアを組み合わせた「デジタルオートチューニングユニット(Digital Auto-Tuning Unit: DATU)」です。
研究成果は、2026年10月13日(火)~16日(金)に幕張メッセで開催される「CEATEC 2026」のNEDOブースに出展します。会場では、DATUを用いてモータ駆動インバータの電磁ノイズを自動調整する「ノイズオートチューニング技術」の実証成果をデモ機とともに紹介します。
電力変換器を「デジタル技術で自動最適化」〜高効率化と安全性確保の自動最適化を実現する 次世代パワエレ技術をCEATEC 2026で展示〜
ポイント
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- 電力変換器の「高効率」と「低ノイズ」の両立を目指す
- 電力変換器を自動で最適化する「デジタルオートチューニングユニット(DATU)」を開発
- 「1台の最適化」から「電力ネットワーク全体の最適化」へ
- EV・再エネ・データセンターなど電化が進む幅広い市場への展開を想定

図1: ノイズオートチューニング技術による制御イメージ
安全確保に関わる電磁ノイズ対策を機器単体で個別対応するのではなく、デジタル技術を駆使してネットワーク全体で統括管理することで、効率と安全性を常時アップグレード可能なノイズフリー・パワーエレクトロニクス電力ネットワークの創生を目指す。
研究開発の背景
脱炭素社会の実現に向け、社会のさまざまな分野で「電化」が急速に進んでいます。EVのインバータ、太陽光・風力発電のパワーコンディショナ、蓄電システム、データセンターの電源、産業用モータなどでは、電力を用途に応じた電圧・電流・周波数へ変換する「電力変換器」が不可欠です。
一方、電力変換器の高効率化には、パワー半導体を高速にスイッチングさせることが有効ですが、高速化に伴って電磁ノイズが増加しやすくなるという課題があります。
このため従来は、フィルタなどのノイズ対策部品を追加し、個々の機器ごとに対策する方法が中心でした。しかし今後、社会のあらゆる場所に多数の電力変換器が導入されるようになると、個別機器への対策だけでなく、複数の電力変換器が接続された電力ネットワーク全体を視野に入れた電磁ノイズ対策が重要になります。
研究概要:「デジタルオートチューニングユニット(DATU)」の開発
本研究では、パワー半導体のスイッチング動作をデジタル制御する「デジタルアクティブゲートドライバ」と制御ソフトウェアを組み合わせた、デジタルオートチューニングユニット(DATU)を開発しています。
DATUによって電力変換器の動作特性を柔軟に変更し、運転状態などに応じて制御条件を最適化することで、これまでトレードオフの関係にあった「電力変換効率」と「電磁ノイズ」双方の最適化を目指します。さらに、この技術を1台の電力変換器にとどめず、複数の電力変換器が接続されたシステムへ拡張します。
将来的には、社会に広く存在する電力変換器を電力ネットワークとデジタルネットワークの双方で接続し、各機器の運転情報を活用しながら、ネットワーク全体の効率、電磁ノイズ、安定性などを継続的に最適化できる「パワーエレクトロニクス電力ネットワーク」の創生を目指します。

図2: デジタルオートチューニングユニット(Digital Auto-Tuning Unit: DATU)の試作機

図3: ノイズオートチューニングの実験風景
活用が期待できる市場
本技術は、電力変換器を多数使用する産業を中心に、幅広い市場での活用が期待されます。特に期待されるのが、電気自動車(EV)・充電インフラ、再生可能エネルギー、蓄電システム、データセンター、AI向け電源、産業用ロボット・工作機械、鉄道、航空・宇宙、スマートグリッド、住宅・ビル設備などです。
これらの分野では、電力変換器のさらなる高効率化に加え、多数の電子・電気機器が近接して動作することによる電磁ノイズへの対応、システムの安定性確保、装置の小型・軽量化などが重要な技術課題となっています。
DATUを活用して、電力変換器の運転状態に応じて効率と電磁ノイズを自動的に最適化できれば、次のような効果が期待できます。
- 〇 電力変換損失の低減による省エネルギー化
- 〇 電磁ノイズ低減による機器・システムの信頼性向上
- 〇 ノイズ対策部品の削減などによる装置の小型化・軽量化
- 〇 経験、スキルに依存した電磁ノイズ対策からデジタル技術による自動最適化
- 〇 多数の電力変換器で構成される電力ネットワーク全体の安定運用
特に、EVやデータセンター、再生可能エネルギー設備のように、今後さらに大規模な電化が進む分野では、個々の電力変換器だけでなく、多数の電力変換器を「システムとして最適化する技術」の重要性が高まると考えられます。
将来的には、電力変換器をデジタルネットワークにつなぎ、ソフトウェアによって継続的に性能を改善していく、新しい電力・エネルギーインフラへの展開を目指します。
CEATEC 2026 NEDOブースで実機デモを展示
CEATEC 2026では、デジタルオートチューニングユニット(DATU)を用いたモータ駆動インバータの「ノイズオートチューニング技術」について、デモ機を用いて研究成果を紹介します。
電力変換器を動作させながら、DATUによって制御条件を調整し、電磁ノイズを最適化する技術を紹介するとともに、今後想定される応用分野や、複数の電力変換器をネットワーク化した際の将来構想についても紹介します。
電力変換器をハードウェアだけで作り込むのではなく、「デジタル制御によって運転後も最適化する」という次世代パワーエレクトロニクスの可能性を示します。
CEATEC2026開催概要
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項目 |
詳細 |
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イベント名称 |
CEATEC 2026(シーテック 2026) |
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会期 |
2026年10月13日(火)~16日(金) |
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会場 |
幕張メッセ |
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展示 |
NEDOブース |