飛田昌克さん、中川蓮也さんが第20回ダイワハウスコンペティションにて入選
2026/03/26
- 建築学専攻
受賞者
飛田 昌克さん/中川 蓮也さん(ともに建築学専攻)
研究室名
小菅研究室/原田研究室
学会・大会名




作品について
今回のコンペのテーマである「帰りたい家」を、〈いえ〉と〈わたし〉の関係性から読み解きました。私たちは日常の中で、「帰りたい」と思う理由がその時々の状態によって変化していることに着目しました。例えば、〈わたし〉が疲れているときには「お風呂に入るため」に〈いえ〉に帰ろうと思い、また一日の目的を果たした後には「ゆっくりとするため」に家に帰ろうとします。このように、〈いえ〉は〈わたし〉の中に生まれた目的を果たすための場所として立ち現れることがあります。 一方で、目的を果たした後に訪れる、特定の目的を持たない〈無目的な家〉の状態も存在します。何かをするためではなく、ただそこに身を置き、時間を過ごす場所としての家です。本提案では、この二つの状態、すなわち〈目的を果たすための家〉と〈目的を果たした後の無目的な家〉の両方に着目しました。帰りたい家とは特定の機能や用途によって固定されるものではなく、〈わたし〉の状態に応じて意味を変えながら立ち現れる存在であると考えています。つまり、目的を果たす場所としての家も、目的を終えた後の居場所としての家も、ともに「帰りたい家」に含まれるのではないかと考えました。 また、帰るという行為は一つの目的を達成して終わるものではなく、その時々の〈わたし〉の状態や環境との関係の中で連続的に生まれていくものでもあります。本提案では、そのような日常の中で繰り返し立ち現れる「帰りたい」という感情を、建築的な視点から捉え直すことを試みました。 発表当日は、ある一日の中で状態の異なる複数の〈わたし〉を描いた映像を用いたプレゼンテーションを行いました。動画の中に現れる〈わたし〉の体験に観客が没入できるように構成し、先に述べたコンセプトを視覚と聴覚の両面から伝えることを意図しました。映像と建築提案を重ね合わせることで、「帰りたい家」というテーマをより具体的に想像できるような発表を目指しました。
今後の展望
今後の展望
テーマこそ「帰りたい家」でしたが、案を考えていく過程で、家と私、さらには建築と人間の関係性について互いに議論を重ねてきました。議論を進める中で、「帰りたい」という人の欲望に直結するテーマであったこともあり、自ずとわたし自身の主観的な眼だけでなく、自分以外の〈わたし〉の立場に立つ他者の眼の双方から考える場面も多くありました。今後も、普段何気なく感じている出来事や現象に立ち止まりながら、そこに潜む建築の可能性を探っていきたいと考えています。



