清水 崇史さんが第30回日本フードファクター学会学術集会にてYoung Investigator Awardを受賞
2025/12/23
- システム理工学専攻
受賞者
清水 崇史さん(システム理工学専攻)
指導教員
越阪部 奈緒美 教授(システム理工学部)
学会・大会名
第30回日本フードファクター学会学術集会 (JSoFF 2025)
賞名
Young Investigator Award (YIA)
発表題目
分子動力学的計算手法による苦味受容体とポリフェノールの相互作用の検証

研究内容
苦味受容体 (T2R)は味覚受容を担う口腔内だけでなく広く消化管にも分布します。消化管のT2Rは経口摂取した苦味物質と直接的に相互作用し、恒常性の維持に寄与することが判明しつつあります。我々は、一部のポリフェノールが強力な苦味を呈することを確認するとともに、この単回経口投与後に見られる耐糖能改善作用が、T2Rsを発現しない動物では消失することを見出しました。一方でT2Rと苦味ポリフェノールとの分子間相互作用については理解が進んでいないことから、本研究では分子動力学計算という手法を用いることにより、両者の相互作用を時空間的に再現することとしました。
研究目的
本研究では、苦味を呈するポリフェノールとT2Rの分子間相互作用を分子動力学シミュレーションによって解析しました。結果として苦味を呈するポリフェノールにおいて、そうでない分子と比較して安定なT2Rへの結合が確認されました。
今後の展望
本研究のような分子レベルの解析により、これまで見えなかった相互作用を可視化し、ポリフェノールの生理作用や苦味認識のメカニズムを解明したいと考えています。