髙砂宏太朗さんが地盤工学会第59回地盤工学研究発表会にて優秀論⽂発表者賞を受賞

2024/11/13
  • 社会基盤学専攻

受賞者
髙砂 宏太朗 さん(理工学研究科/社会基盤学専攻2年)

指導教員
稲積 真哉 教授(工学部)

学会・大会名
地盤工学会 第59回地盤工学研究発表会

賞名
優秀論⽂発表者賞

発表題目
AIを用いた地盤情報予測に基づく東京都江東区の液状化危険度の分析

takasuna

研究背景・目的

液状化による構造物の被害が広く認識されたのは、1964年に発生した新潟地震とアラスカ地震です。その後、現地調査や実験に基づき、液状化発生のメカニズムの解析が行われ、液状化の発生や対策に関する研究が進められてきました。近い将来、南海トラフ巨大地震などの大規模地震の発生が懸念されている状況を考慮すると、液状化危険度の評価はさらに重要となります。液状化などに対する危険度を評価するためには、地盤調査が必要です。そのためには、地盤内の情報を詳細に把握することが不可欠であり、限られた地盤調査結果に基づき、地盤内の未知のポイントや未知領域を高精度に予測する手法の開発・確立が必要と考えられます。

研究内容

本研究では、埋立地が多く、液状化の可能性が非常に高い東京都江東区を対象としています。さまざまな種類の予測手法を用いて、既知点の地盤情報から未知点の地盤情報を予測し、最も高い精度を有する予測手法の模索を行いました。その後、最も精度の高い予測手法を使用し、AIを活用して既知点の地盤情報から未知点の地盤情報を予測します。また、各種構造物の設計基準に用いられ、一般に広く採用されている手法であるPL法を用いて、予測した地盤情報から液状化危険度マップ(液状化ハザードマップ)の作成や、液状化危険度を示す手法の開発・確立を目的としています。


今後の展望

今後の研究では、地盤調査結果の予測精度向上が重要な課題です。学習に使用するデータ要素が予測精度に与える影響を検討することで、予測精度のさらなる向上を図る予定です。特に土質区分の予測においては、2種類以上の材料が混ざっている層を単一の材料として見なさずに、より精密な予測を行う予定です。また、今回作成した液状化危険度マップは200m×200mの正方形で構成されていますが、より細かく分割することで、さらに詳細な液状化危険度マップを作成することが可能であると考えています。