佐藤秀崇さんが第68回 日本薬学会 関東支部大会にて優秀ポスター発表賞を受賞
2024/10/04
- システム理工学専攻
研究目的
我々はこれまでに、ビタミンKには神経の素となる神経幹細胞を活性化し、脳機能を司る神経細胞への分化を促進させる作用(神経分化誘導作用)があることを見出しました。この作用を強めた化合物を開発することができれば、アルツハイマー病などの脳神経変性疾患により死滅してしまった神経細胞を新たに作り出し、脳機能の回復に繋げることができる可能性があります。そこで、ビタミンKの化学構造の一部を変えた化合物を化学合成し、神経分化誘導作用を向上させた化合物の創製を目指しました。
研究内容
我々は、ビタミンKの一種であるメナキノン-2の側鎖末端にアルキル鎖を導入すると、分化誘導作用が向上することを明らかにしました。そこで、さらに短鎖から長鎖のアルキル鎖を導入した新規化合物を合成して、それらの神経分化誘導活性を評価しました。
今後の展望
側鎖末端に短鎖のアルキル鎖を持つ化合物では、作用が強くなる傾向が見られました。一方で、アルキル鎖が長鎖になるほど細胞毒性が大きくなることが明らかとなりました。今回得られた知見を基にしてさらに化合物の合成を進め、強い神経分化誘導剤の候補となる化合物を見出す予定です。