井上雅喬さんがLIFE2024にて若手プレゼンテーション賞を受賞
2024/09/24
- 機能制御システム専攻
研究目的
①疾患部位に薬物を届けることと
②生体適合性の向上の2点を両立させるために、血液細胞の一つである血小板に薬剤を取り込ませ、生体に投与する「血小板ベースの薬物送達法(ドラッグデリバリ―システム)」が研究・開発されつつあります。そこで、本研究ではこの血小板ベースの薬物送達法を血栓症治療に応用できるかを検討するため,血栓溶解薬を内包した血小板が血栓を溶解できるかを検証しました。
研究内容
実験の結果、血栓溶解薬が血小板内に取り込まれたことが観察され、さらに血栓溶解薬を内包した血小板と血栓を模擬した凝固血液を混ぜると、血栓が溶解されていくことを確認しました。
今後の展望
本研究は血栓溶解薬を内包した血小板が血栓を溶解できることを実験として示したのみであり、今後は生体内でも作用するか、臨床的に使用可能か、等の点を動物実験により明らかにしていく必要があります。これらの課題が問題なくクリアできた場合、副作用を抑えた新規血栓溶解法として将来的に臨床応用ができる可能性があると考えています。