2022年度事業計画
2022年度 学校法人芝浦工業大学 事業計画
学校法人 芝浦工業大学
理事長 鈴見 健夫
はじめに
世界規模での大変革期を迎えた今、学校法人芝浦工業大学は、将来にわたり我が国の持続的発展を担う理工学系人材の育成を責務として、設置校を代表する芝浦工業大学を中心に学生・生徒のための学校経営を堅持し、建学の精神に基づく教育研究活動の展開に努めます。とりわけ、創立100周年を迎える2027年には『我が国の理工学系私学としてトップの社会的評価を得る』という中長期目標の実現をめざし、教職員一丸となり、全力で取り組む所存です。創立100周年を見据えた重点施策テーマは、改革路線の継続による組織運営体制の見直し・強化、学校法人の発展を持続可能とする盤石な財政基盤の確立、SGU事業の推進による教育研究改革及び学生支援、豊洲キャンパス新棟(本部棟)の開校、更に専用寮を新設した駅伝プロジェクトの推進などであり、これらの実現に向け経営資源の戦略的な選択と集中を進めます。
我が国の大学進学率において、近年は性別によるギャップが是正された反面、理学・工学分野における女子の進学率は依然として低水準に留まっています。本学学部生の女子比率は漸く19%程度まで上昇しましたが、創立100周年に向けての成長戦略の一環として、女子学生比率30%以上を新たな目標に掲げました。2022年度は女子学生の拡充強化元年と位置付け、入試広報の更なる強化を図ります。
2020年以来、感染拡大の猛威を振るう新型コロナウイルス対応においては、学生・生徒の健康を最優先として、キャンパスライフに不安・不利益が生じないよう万全な対策を講じ、安全かつ充実した教育環境の提供に努めます。また、教職員においても時差出勤やテレワーク等の導入を促進し、安心して業務に専念できる体制を推進します。
将来ビジョン検討委員会では、本法人全体の将来計画を実現するために、理事会、教学執行部、事務職員、外部有識者を交えて本学の将来ビジョンと新たな収入増計画を検討します。特に、1966年の開校以来、56年が経過する大宮キャンパスにおいては、再編成、再配置を含めた大宮キャンパスマスタープランの具現化に着手いたします。
理事会は、2022年度もこれまでに続き改革路線を継続し、創立100周年に向け新しい価値創造のための経営イノベーションに取り組みます。
1. 改革路線の継続
本法人のガバナンス改革では、私立学校法に基づき、理事会を最終的な権限と責任を担う最高意思決定機関であることを明確化し、また設置学校の中心である芝浦工業大学の学長のリーダーシップ確立を目的に、教職員による選挙方式から、学長候補者選考委員会が学長候補者を選考し理事会において決定する「学長候補者選考委員会方式」に改めています。また、理事及び評議員の選任についても「選考委員会方式」に改めています。2021年4月1日に就任した山田純学長についても、「学長候補者選考委員会方式」により決定しました。2021年6月27日発足の現理事会も、学校法人芝浦工業大学理事選考等実施細則に基づき、理事推薦委員会が答申した候補者を推薦し、理事会にて決定しています。この理事長、理事会と学長の連帯感のある体制により、大学改革を迅速かつ適切に展開する環境が整っておりますので、2022年度も引き続き教職学協働でスピーディな改革を実現してまいります。また、私立大学に対して、ガバナンス・コードの策定及び実施状況の公表が求められており、2021年度中に本学のガバナンス・コードを策定し、その遵守状況を公開しました。2022年度にも策定された各項目の遵守状況を把握し、「コンプライ・オア・エクスプレイン」に努めてまいります。
なお、文部科学省が2021年3月に学校法人のガバナンスに関する有識者会議を通じて「学校法人のガバナンスの発揮に向けた今後の取組の基本的な方向性」が示され、現在更なる検討がされています。本法人でも2022年度はその方針に対応する改正も検討し、本学の更なるガバナンス改革を実現します。
2. 盤石な財務基盤の確立
学校法人が持続的かつ健全性をもって発展するためには盤石な財務基盤の維持、向上を図ることが必要です。そのため、2022年度も経常収支差額比率10%の達成と積立率の向上を目指した財政運営を行う事で、戦略事業に対する積極的な支援と将来の投資に備えた内部留保の充実の両立に努めます。特に今年度からは懸案である芝浦工業大学大宮キャンパス、柏中学高等学校校舎の施設整備計画を見据えた資金の充実に取り組みます。また、コロナ禍の見通しが不透明な中、学生に対する経済的支援策も継続します。さらに、財務強化の為、芝浦キャンパス移転後の事業化実現等、収入増が図れる施策や潜在的な寄付者に対する情報発信や寄付返礼制度の充実を図り、予算および執行の厳格化など、学校法人としての収入の多様化と将来を見据えた財政規律の実現を目指します。
3. 教育研究改革
芝浦工業大学は『社会に学び、社会に貢献する技術者の育成』を建学の精神として設立され、有為な人材を社会に送り出すことで高い評価を得てきました。その社会は今、グローバル化に加えてデジタル化の波にのまれ、大きな変貌を遂げつつあります。これにともない世界の産業構造も大きく変化しました。しかしながら、日本の大学教育における教育プログラムは、昭和の時代から引き継がれた学問体系から脱却できていません。2022年度には、建学の精神に則り、社会の要請に応える人材を輩出すべく教育プログラムの改革に着手します。工学部においては、学科制を廃止し分野融合を視野に入れた課程制の導入を進めます。デザイン工学部においては情報・ロボティクス系を発展させて、ICTやデータサイエンスなど情報技術をベースに社会課題に取り組むソーシャルデザイン系(仮称)への転換を進めます。さらに、システム理工学部においても時代に即した新規分野の設置を含む、改組および定員増の検討を本格化します。また、全学的には情報教育プログラムの充実をはかることで、既に始まっている情報社会を牽引できる人材を育成します。
2020年の年初から始まったコロナ禍において大学も大変な試練に晒されました。しかしその一歩で、遠隔(オンライン)授業という強力な教育手段を手にすることができました。遠隔授業は始まったばかりですが、今後、教育のデジタル化を加速させると考えられています。本学においては、キャンパスをもつ大学の意義をよく考えつつ、教育におけるデジタルトランスフォーメンション(DX)を推進し、アフターコロナにおける新しい教育スタイルを提案するとともに、それを実践します。
2014年9月に文部科学省より「スーパーグローバル大学創成支援」(SGU事業)に選定されて以来、グローバル化を推進してきた結果、学生の英語力や留学経験者数など大きな伸びを見せています。しかし、その一方で課題も見え始めています。技術者として国際社会で活躍するにはその能力に加えて学歴も重要と言われているなか、大学院への進学率が未だ十分とはいえないことです。国際社会での活動を意識付けすることを通じて、大学院への進学を推奨するとともに、長期留学を支援します。
大学の卒業研究および大学院における修士課程の研究を通じて学生は実践的スキルを身につけます。このことから、研究は教育の手段と言われるほどに大学とって重要なミッションです。研究を推進するための機器・設備の整備はもちろん、論文執筆・投稿支援や研究資金獲得支援に加えて事務補佐等の支援を充実させます。さらに、2022年秋から本格的に運用が開始される豊洲キャンパス本部棟に、ベイエリアイノベーションセンターを設置し、産学共同研究および教員や学生の起業活動を支援、推進します。
4. グローバル・ダイバーシティの推進
新型コロナウイルス感染症の今後の状況が見通せない中、学生が世界に通用するグローバル理工系人材としてのスキルを身に着けられるよう、オンラインやデジタルトランスフォーメーションなども活用して学びの機会を提供していきます。英語による授業・研究指導で学士の学位を取得できる「先進国際課程」、システム理工学部に設置されている海外留学を必修とする「国際プログラム」をはじめ、その他にも本学の学生が参加できる国際交流プログラムの拡充を図ります。その一方で、英語開講科目をより一層充実させることで、留学生の受け入れ拡大にも注力してまいります。また、「スーパーグローバル大学創成支援」(SGU事業)採択校として、これまでの成果を広く国内を中心とする高等教育機関に還元するべく取り組んでまいります。関連事業である「大学の国際化促進フォーラム」で幹事校を担い、グローバルPBLの普及に努めます。令和3年度に採択された「大学の世界展開力強化事業」においても、共同申請者である千葉大学とともに、グローバルPBLを手段として、デザインセンスを備えるエンジニアの育成にも努めてまいります。
本学は多様なメンバーがそれぞれ尊重され、力を発揮し、イノベーションをもたらす大学になることを目指しており、多様性拡大の重要な一部として理工系女性の育成に取り組んで参りました。しかしまだ、日本のジェンダー・ギャップ指数は120位(2021年3月)であり、男女共同参画は極めて遅れている状態です。女性がいきいきと活躍できる理工系大学の実現に向けて女性教職員及び女子学生を増やし、女性の活用を積極的に進め、より一層女性が輝くことのできる理工系大学を目指します。
男女共同参画社会基本法に基づき閣議決定された第5次男女共同参画基本計画では、第4分野「科学技術・学術における男女共同参画の推進」及び第10分野「教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進」を中心に、男女の研究者がともに働きやすい研究環境の実現や女子学生の理工系分野の選択促進や理工系人材の育成に向けた様々な取り組みの推進が求められています。また、男女ともに仕事と育児を両立できるようにするための環境整備等を目的に令和3年6月9日に改正された育児・介護休業法も令和4年4月1日から段階的に施行されます。これらの状況を鑑み、全ての教職員に法改正や考え方について理解いただく旨、関係部署と協力しつつ研修を通じて周知・発信するとともに、すべての人がwell-beingを感じられるような環境の実現を目指した取り組みを推進します。
5. 産学官連携の推進
本学では、建学の精神「社会に学び、社会に貢献する技術者の育成」に基づき、共同研究、受託研究、技術指導、及び技術移転など、社会実装に向けた産業界との連携に積極的に対応しています。特に、中小企業に対しても技術指導から始め共同研究へ展開する等、積極的な共同研究の取り組みを進めており、首都圏の大学の中にあって産学共同研究における中小企業比率が比較的高いことも特徴です。これには、港区や江東区、埼玉県等自治体との連携によるところが大きく官による産学連携もまた、本学の特徴です。最近では、大学発ベンチャー企業の創出に関しても、積極的に取り組む教員が増えてきており、各種制度、支援策の充実によりその発展を支援しています。今年で6年目を迎える芝浦ビジネスモデルコンペティション(通称SBMC)は、主に学生を対象としたイベントで、学生の起業意欲(アントレプレナーシップ)を醸成する取組のひとつです。
2022年度には、豊洲キャンパスに竣工する本部棟10階にベイエリアイノベーションセンターを開設します。産学官連携ラボ、シェアオフィスやコワーキングスペースを有し、企業との共同研究、受託研究等研究活動の誘致や立ち上げ期ベンチャーへのスペースニーズに応える他、SIT技術連携メンバー(※)等との交流を通じた産学連携の益々の発展拡大を目指します。
※ 芝浦工業大学技術連携メンバー:本学と共同研究等の連携を検討している会員(法人、個人)で、テクニカルセミナー(本学の研究、技術シーズ発信の場)や会員のニーズ発表会への参加機会や、技術相談の優先権などの特典を有します。
6. 戦略的広報活動
新学長就任の2021年度は、学長を中心とした広報を展開し、芝浦工業大学の長期ビジョン『Centennial SIT Action』の認知拡大を図りました。学長就任2年目の2022年度においても昨年度に続き学長を中心とした広報展開を図り、本学のブランディングアップに努めます。昨年度実施した学長と著名人との対談シリーズ『SIT Dialogue』においては、学内外に向けたイベント化や、学長のみならずテーマに沿った教員や学生が著名人と対談を行うスタイルに発展させ実施いたします。創立100周年記念事業の中核に位置付けて建設工事を進めてきた豊洲キャンパス本部棟(詳細は⑫にて後述)、同じく100周年記念事業である駅伝プロジェクト選手専用寮『白亜寮』は、予定通り2022年3月に竣工しました。2022年度は各種媒体を通して豊洲キャンパス本部棟を積極的にPRするとともに、白亜寮については文武両道の精神を養う駅伝プロジェクトの活動と併せ、幅広く広報してまいります。
2023年度は本学のウェブサイトを刷新する年に定めています。昨年度進めた、新ウェブサイトに求める機能・利便性等のアンケート結果や、制作業者の選定結果に基づき、2022年度から約1年で新ウェブサイトの制作を完了させ、2023年6月に公開する計画です。
2022年度も、紙面を中心とした新聞等の広告媒体から、より積極的にSNSやWebを活用した広報活動に注力します。また、本学の強みとなる研究成果の公開においては、国内外への発信のさらなる強化を図ります。さらに、専門的な広報アドバイザーによる広報戦略の立案や、学生スタッフの起用によるSNSの活用戦略を進めてまいります。
7. DX化の推進
理工学教育研究機能の強化やグローバル化の加速、教職学協働の活動など多岐にわたる改革を支援するため、学内のDX化の推進を一層進めます。教育のDX化施策としては、コロナ禍における授業運営により得られた知見を活かし、ハイブリッド授業、ハイフレックス授業等による、より効果的で学生の学びが向上する授業を推進します。又、LMSの利用が一般的となり、昨年度採択されたPlusDX事業によって導入したラーニングアナリティクス基盤を一層活用し、これらから得られる教育データーを積極的に活用する個別最適な学びを進めます。法人系のDX化施策については、ワークフローシステムの導入や、個人用ポータルサイト、会義室の簡易予約システムなどの構築を計画しており、業務効率化、情報共有の強化、ペーパレス化等を一層進めます。また、事務系職員全員にノートPCおよびスマートフォンを配布することにより、働き方改革の一助とするテレワーク環境の向上をはじめ、コミュニケーション強化や業務遂行の円滑化を図ります。近年の情報システムは技術革新のスピードが早いため、最新技術の動向を常にウォッチし、学内システムへの適切な提供を行う体制を整える必要がある一方、情報セキュリティの対策が重要な課題となっています。2022年度中に情報セキュリティポリシーを整備し、マネジメント体制を強化するとともに最新の保全システムを導入し、脅威に対して迅速かつ安全に対応します。
8. 学生募集・女子学生の拡充
コロナ禍においても、大学及び併設校の入試に関する様々な施策により、いずれも確実に志願者を獲得してまいりました。2022年度は、総合型選抜の比率を4割と定め、その4割について明確な方針を検討し、志願者の安定的確保に向けた戦略の立案に取り組むとともに、入試観点からの各学部改組について中長期ビジョンを検討します。また、2023年度入試では、ポストコロナに焦点を定め、本学のブランド力強化の施策である女子学生比率3割以上を目指し、工学部で展開してきた公募制推薦(女子)入試の全学展開に加え、女子校との高大連携強化など新たな取り組みを開始するとともに、総合的・多面的な入試により多様な能力を持った学生を獲得するため、特別・推薦入試を活用しダイバーシティのさらなる推進・拡充に取り組みます。このほか、2024年度工学部課程制開設に向けた告知や説明会・相談会・オープンキャンパスなどの対面、オンラインを併用した効果的かつ積極的な広報活動を展開し、工学部課程制の広報のみならず、社会における本学のブランド力および認知度向上を目指します。9. キャリア教育
芝浦工業大学は「就職に強い大学」との社会的評価を得ており、就職率は毎年極めて高い水準にあります。個々学生に寄り添い真に「納得できる就職」の実現に重きを置きつつ、就職率の高さと同時に就職先の質の高さも重視し、学生の性格・特性を把握のうえ本人の希望も踏まえたキャリア教育を展開することで、有名企業への就職実績も上位にランクされています。引き続き、完備された就職支援システム(オンライン環境を含む)も活用し、学生の就職力向上のための指導に努めます。さらに、就職内定が得られさえすればよいという安易な姿勢を排し、将来に向け継続的に取り組みたいことを明確に意識させ、より高い目標を設定のうえ志望企業にチャレンジする強い気持ちが持てるよう、学科の就職担当教員やキャリアサポートセンターと協力連携しながら指導・支援をしてまいります。
芝浦工業大学校友会、同後援会との連携並びに協力体制も強固なものとし、殊に校友会本部が芝浦キャンパスから豊洲キャンパスに移転する後期以降は、企業に勤める卒業生が頼り甲斐ある先輩として、就職活動中の学生と気軽に接することのできる場の創出にも注力します。
10. 学生支援の充実強化
本学はキャンパスごとに「大学院課」「学生課」「キャリアサポート課」を設置し、修学支援、課外活動支援、就職・進路支援等あらゆるサービスを提供しています。また、年に1回、学生から要望を聞く場を設け、正課・正課外に関わらず、全学関連機関にて意見交換を行い、組織的な学生支援を実施しています。この他、学生の海外留学、大学院進学、女子学生、コロナ対応への財政面を含む積極的な支援、TOEICスコアの向上による学生の英語力強化支援などを継続していきます。その他、課外活動等にて優秀な功績を挙げた場合に表彰するSIT賞や課外活動奨励金、学生プロジェクトなど学生の各種活動に関する支援にも引き続き注力します。今年度は特に学生サービスの向上に資する業務改善活動を実施します。芝浦工業大学校友会、同後援会との連携による就職・進路支援、修学支援・課外活動支援等も引き続き強化いたします。
11. 中高大連携強化と理系女子の育成
2021年10月、法人と併設校の連携促進と法人全体の将来ビジョンを推進するために、新規事業開発室に新たな機能を追加し「新規事業開発・中高大連携室」を設置しました。当室では法人と両併設校の橋渡し役として両校長と密接に連携を取り各種課題解決を図りながら、更なる連携強化と両校の発展に努めてまいります。(芝浦工業大学附属中学高等学校) 2021年度から中高一貫の共学校となり、それに伴い、中学では大規模なカリキュラム改革を行いました。新たな教育観の下、特に基幹教科である数学と英語の学び、学ばせ方を見直し、さらにグローバルとITをベースとした多種多様な探求授業を実践しています。また自立学習を促すための時間を本課内に設け、生徒の学習態度を「教わる・習う」から「考える・学ぶ」へと変化させることで子どもたちの成長を加速させ、個々人の「才」を開花させます。 また高校では、理工系教育の先進校としてSTEAM(Science、Technology、Engineering、Art、Mathematics)教育をさらに進化、発展させ、高大連携のハイレベルで独自の教育プログラムで将来性のある有能な理工系人材の育成を目指します。海外を見据えた短期留学制度を充実させる他、意欲的で向学心の高い生徒を一人でも多く推薦できる推薦制度改革を継続します。
好評の女子児童・生徒向け企画「ガールズデイ」をさらに実効性の高い施策とし、「女性技術者の卵」の発掘へ向けて理工学の魅力を発信し続けます。
(芝浦工業大学柏中学高等学校) 柏中学高等学校が、2018年度に文部科学省スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に再度指定されたことを機に、これまで以上に大学との間で実施する中高大連携活動を推進します。現下のコロナ禍の状況で、ICTを駆使しながら、例えば大学主催のオンラインによる国際PBLやシンポジウムに積極的に参加し、また建築学部をはじめとし大学教員、大学院生などをTAとした生徒の課題探究活動の支援やワークショップを、これまで以上にオンライン開催を含めて、企画・実践いたします。さらに柏中学高等学校は、芝浦工業大学の海外協定校であるベトナムFPT大学、その付属高校と2020年度と2021年度はオンライン交流の機会を持ちましたが、2022年度もこれを足場として、相互交流を一層推進します。
理系女子の育成については、芝浦工業大学・大学院の女子学生の協力、または社会で活躍する女性、さらにオンラインを活用することにより、海外で活躍する先輩を講師に迎え、「リケジョ・カフェ」を開催し、中学3年生から高校生にいたる女子のキャリア教育を充実させてまいります。
12. キャンパスや諸設備の整備
創立100周年記念事業の核として、2018年に着工した豊洲キャンパス新校舎は2022年3月に竣工しました。新校舎は「本部棟」と命名し、4月よりLANや追加の工事を行い、夏季期間を利用し引越しを実施、後期から広く研究教育活動に活用します。本部棟の運用開始に併せ、交流棟1階に新たに工作室、教室棟1階に各種機器をそろえた新たなテクノプラザを開設し、研究棟8階の図書館も拡張します。本部棟1階では新たにカフェ、レストランの営業を開始し、研究棟前大階段には大型の花壇を用いたフラワーガーデンを設置するなど、豊洲キャンパスが大きくリニューアルされ学生のキャンパスライフのさらなる充実と地域住民の交流の場を目指します。
豊洲キャンパス本部棟の運用開始に伴い、芝浦キャンパスのデザイン工学部ならびに事務部門は豊洲キャンパスに移転いたします。移転後の芝浦キャンパスについては、「建学の地」を残しつつ教育研究活動、施設計画の基盤となる収益事業を展開し、大学運営の基盤となる安定的な収入源を確保するため施設貸出の強化を図ります。
また、豊洲キャンパスのアーキテクチャープラザは「校友会館」に改め、校友会事務局並びに校友倶楽部が芝浦キャンパスから移転してまいります。校友会館では、卒業生、在校生並びに地域住民の方々への交流スペースをはじめ、地域連携・生涯学習企画推進課主催によるリカレント教育の場としても提供いたします。
大宮キャンパスでは2021年3月に新設した駅伝部専用寮「白亜寮」の運用を開始し、部員が共同生活を通じて、創立100周年記念事業である駅伝プロジェクトのさらなる強化に資する予定です。また、2022年3月の理事会で承認された大宮キャンパスマスタープランについては、2022年度より具現化してまいります。
豊洲キャンパス本部棟の運用開始に伴い、芝浦キャンパスのデザイン工学部ならびに事務部門は豊洲キャンパスに移転いたします。移転後の芝浦キャンパスについては、「建学の地」を残しつつ教育研究活動、施設計画の基盤となる収益事業を展開し、大学運営の基盤となる安定的な収入源を確保するため施設貸出の強化を図ります。
また、豊洲キャンパスのアーキテクチャープラザは「校友会館」に改め、校友会事務局並びに校友倶楽部が芝浦キャンパスから移転してまいります。校友会館では、卒業生、在校生並びに地域住民の方々への交流スペースをはじめ、地域連携・生涯学習企画推進課主催によるリカレント教育の場としても提供いたします。
大宮キャンパスでは2021年3月に新設した駅伝部専用寮「白亜寮」の運用を開始し、部員が共同生活を通じて、創立100周年記念事業である駅伝プロジェクトのさらなる強化に資する予定です。また、2022年3月の理事会で承認された大宮キャンパスマスタープランについては、2022年度より具現化してまいります。
13. 附属・併設学校の強化
数多(あまた)の私立中高の中にあって学校の独自性をより鮮明に打ち出し、基軸はぶらさずも社会情勢の変化や価値観の多様化に対応できる学校作り、校務運営に努めます。 附属中学高等学校には先進的なSTEAM教育と大学との連携教育、柏中学高等学校はSSHの実践と高い進学実績という強みがあります。両校ともに学校としての特長、個性、そして「強み」をさらに強化するとともに、恵まれた学校施設を最大限に活用し、新たな教育観を見据えた時代に即応できる「新しい学び」を研究・推進します。附属中学高等学校では、前身となる鐡道中学の設立から100周年を迎えるにあたり、2022年11月12日に創立100周年記念式典(於本校)及び記念祝賀会(於帝国ホテル)を挙行いたします。また、11月30日には東京国際フォーラムにて生徒向けの記念イベントを実施いたします。創立100周年のシンボルとして、明治時代に活躍した蒸気機関車を校舎敷地内で静態保存展示を行います。柏中高では、創立50周年を迎える2029年を目途とし、校舎の建て替えの検討を本格化し、私学として魅力ある教育環境の充実を行います。
また、両校をあげて芝浦中高ブランド力を高め、地域の期待にも応え得る教育力の向上と魅力ある学校風土の醸成に努めます。校内においては教員の働き方改革を推進し、労働環境の整備や待遇の改善を行い、魅力ある職場づくりに努めます。
また、両校をあげて芝浦中高ブランド力を高め、地域の期待にも応え得る教育力の向上と魅力ある学校風土の醸成に努めます。校内においては教員の働き方改革を推進し、労働環境の整備や待遇の改善を行い、魅力ある職場づくりに努めます。
14. リスクマネジメント体制の強化(新型コロナウィルスへの対応)
学校法人芝浦工業大学は、2011年3月に発生した東日本大震災の直後に、主に大地震などの自然災害に対する備えと、災害発生後における復旧・復興計画立案のために「危機管理室」を設置しました。以降、危機管理室では「災害危機管理基本計画書」(防火・防災業務の総合的かつ計画的な推進を目的とする)の策定、及び本法人設置各学校における「災害対策本部運営要領」(大地震等災害発生時の対応)などの策定を行ってきました。また2019年度には、リスクマネジメントにおける大きな目標であった本法人「事業継続計画(BCP)」をとりまとめ、具体的運用に至っています。
2021年度においては、年度当初より新型コロナウイルスワクチン職域接種の接種計画の立案、準備、実施等を行い、3回目以降の職域接種に向けて、ノウハウを確実に蓄積することができました。また、2022年においては、年明けから新型コロナウイルスはオミクロン株による感染爆発という新たなステージを迎えましたが、学生・教職員健康相談室と連携してこれまでのところは学内でのパンデミック発生は回避することができました。2022年度においては、新型コロナウイルスを含めた感染症への対応マニュアルの整理を行うとともに、「事業継続計画(BCP)」をはじめとする各種災害対応要領の拡充を行い、防災・減災・復旧に関して現実的かつ実効あるマネジメント体制整備に努めます。
2021年度においては、年度当初より新型コロナウイルスワクチン職域接種の接種計画の立案、準備、実施等を行い、3回目以降の職域接種に向けて、ノウハウを確実に蓄積することができました。また、2022年においては、年明けから新型コロナウイルスはオミクロン株による感染爆発という新たなステージを迎えましたが、学生・教職員健康相談室と連携してこれまでのところは学内でのパンデミック発生は回避することができました。2022年度においては、新型コロナウイルスを含めた感染症への対応マニュアルの整理を行うとともに、「事業継続計画(BCP)」をはじめとする各種災害対応要領の拡充を行い、防災・減災・復旧に関して現実的かつ実効あるマネジメント体制整備に努めます。
15. 地域貢献・社会貢献
芝浦工業大学は地域と共にある大学として、これまで進めてきた地域や自治体と連携した教育・研究・社会貢献を一層進め、地域社会、また産学官連携の中核的存在となるよう取り組んでいきます。新型コロナウイルスの感染拡大により過去2年間中止となっていた「船カフェ」や「豊洲水彩まつり」などの地域の方々や自治体と共に開催したイベントや、豊洲キャンパス近隣企業と協業したまちづくり活性化イベントの再開も目指します。
また、大学における公開講座は、大学の第3の機能である「社会貢献」・「地域貢献」の役割を担っており、大学が持てる専門知識を広く社会・地域に還元することは大学の使命であります。 本学のアウトリーチ活動としての講座や、幅広い年代層を対象に「本学らしさ」を強調した公開講座を積極的に開講していきます。特に子ども向け講座については、子どもの「ものづくり」に対する興味・感心をそそり、未来の理工系人材を育成するための講座の開発、拡充を図ります。またこれに加えて、国が推進する社会人のためのリカレント教育に教学部門と協働して取り組むとともに、SDGsの各目標を意識した公開講座を地域社会に向けて実施します。
また、大学における公開講座は、大学の第3の機能である「社会貢献」・「地域貢献」の役割を担っており、大学が持てる専門知識を広く社会・地域に還元することは大学の使命であります。 本学のアウトリーチ活動としての講座や、幅広い年代層を対象に「本学らしさ」を強調した公開講座を積極的に開講していきます。特に子ども向け講座については、子どもの「ものづくり」に対する興味・感心をそそり、未来の理工系人材を育成するための講座の開発、拡充を図ります。またこれに加えて、国が推進する社会人のためのリカレント教育に教学部門と協働して取り組むとともに、SDGsの各目標を意識した公開講座を地域社会に向けて実施します。
大宮キャンパスではシステム理工学部の学部再編とキャンパスマスタープラン実行に伴い、さいたま市とスポーツ健康分野を中心とした地域連携を検討してまいります。
以上