2022年度事業報告

1.改革路線の継続

熾烈な大学間競争に勝ち抜き中長期の大目標を実現するには、迅速な意思決定により他大学に負けないスピードで改革を実行することが必要です。この考えのもと学校法人芝浦工業大学(以下、本学)のガバナンス改革では、私立学校法に基づき、理事会を最終的な権限と責任を担う最高意思決定機関であることを明確化し、また設置学校の中心である大学の学長のリーダーシップ確立を目的に、教職員による選挙方式から、学長候補者選考委員会が学長候補者を選考し理事会において決定する「学長候補者選考委員会方式」に改めています。理事及び評議員の選任についても「選考委員会方式」に改めました。また、2025年に改正される私立学校法に対応するため、ガバナンス改革検討委員会を設置し、本法人の更なるガバナンス改革の推進へ向けて議論を重ねております。このように、鈴見理事長体制の下で、本学が創立100周年を迎える2027年に「我が国の理工学系私学としてトップの社会的評価を得る」という中長期目標の実現をめざし、教職員一丸となり全力で取り組んでおります。創立100周年を見据えた重点施策テーマは、改革路線の継続による組織運営体制の強化、学校法人を持続可能とする盤石な財政基盤の確立、スーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業の推進、教育研究改革及び学生支援の強化、大宮キャンパス施設設備計画、ダイバーシティ、DX化の推進、更に2019年度から本格始動した100周年記念事業駅伝プロジェクトの推進等であり、これらの実現に向け「将来ビジョン検討委員会」等にて検討を重ね、経営資源の戦略的な選択と集中を図りました。
理事会、監事会議等
2021年6月27日発足した現理事会は、2022年3月末に理事1名が退職しました。この欠員の充足として、学校法人芝浦工業大学理事推薦委員会の推薦により、2022年6月27日に新理事1名が選任され、鈴見理事長、職務上理事である山田学長を含む12名の理事体制となっています。監事についても、2021年6月27日に新たな新監事会議が発足し、現在2名の常勤監事、1名の非常勤監事の3名体制となっています。この理事長、理事会、監事会議と学長の連帯感のある体制により、大学改革を迅速かつ適切に展開する環境が整っており、2022年度も教職学協働でスピーディな改革を実現してまいりました。
エンゲージメント調査の実施
2020年度に事務職員を対象に始め、2021年度は大学教員・併設校教員に対象を広げ、2022年度は全教職員に対して実施し、前年度と比較するデータが取得できました。事務職員や大学教員、併設校教諭のそれぞれにおいて、肯定的回答が増えたところや、否定的回答が増えたところなどが明らかになり、それぞれの課題点や取り組むべき問題などを認識することができました。2023年度は、これらの改善に向け個別に対応策を検討していく予定です。
将来ビジョン検討委員会における検討
本学は、経営ビジョン「我が国の理工系私学としてトップの社会的評価を得る」に向けたブランディング戦略および学生満足度Nо.1を目指すことを目標としています。そのため本法人の発展構想及び各キャンパスの価値最大化などにより経営資源の活用を図り、将来構想(将来ビジョン)を検討することを目的に2020年9月から「将来ビジョン検討委員会」を設置しました。まず、大方針となるテーマを決めた後、2021年度から豊洲、大宮、芝浦、併設校の4つの分科会に分かれ、豊洲キャンパスの価値最大化利活用計画や大宮キャンパスのシステム理工学部改組計画、キャンパスマスタープラン計画、芝浦キャンパスにおける新規事業分野の創出、中高の将来計画の5項目を検討テーマとして、理事会、教学執行部、事務職員、外部有識者を交えて各種検討を進めてきました。この「将来ビジョン検討委員会」が2021年1月及び2022年4月に理事会に対して提出した答申を基に、法人、デザイン工学部の豊洲移転、芝浦キャンパスでの収益事業、大宮キャンパスマスタープラン検討を実施いたしました。なお「将来ビジョン検討委員会」は2023年度も「学部生1万人、大学院生2,500人を目指し名実共に理工系のトップランナーになる」ための検討内容をテーマに継続的な運営を行います。具体的には、年度ごとに決められたテーマに沿って検討を進め、具体的な検討内容は新たに委員会を設置し引き継ぐこととしました。最終的には創立100周年を迎える2027年には「アジア工科系大学トップ10」と「学生満足度Nо.1」の社会的評価を得るとともに盤石な財務基盤の確立を目標としています。
■ 地域に開かれた豊洲キャンパス、新豊洲キャンパス
芝浦工業大学豊洲キャンパス
フラワーガーデン
大階段に整備したフラワーガーデンは、四季折々の花を楽しめるよう年4回季節ごとの植え替えをしています。一年草や多年草を季節ごとに工夫を凝らして配置し、教員、職員、学生によるフラワーガーデンプロジェクトメンバーにて日常の花の管理や造園デザインを実施しました。また、植え替え時には学生教職員、近隣保育園、地域住民向けに花配布会を実施しています。
シバウラキッズパーク
研究棟のトップステージ上に約1,400㎡の遊び場を再構築しました。2022年に竣工した豊洲キャンパス本部棟の建設前は、キャンパス内の広場で、近隣の保育園児が自由に遊ぶ場として公開されていました。本部棟建設で失われた「遊び場」を取り戻すため、芝浦キッズパークを整備しました。シバウラキッズパークではクリスマスツリー前でサンタクロースによるプレゼント配布等、季節ごとのイベントを実施しました。

  
レストラン・カフェ
本部棟1階には、世界的建築家である坂 茂氏(坂茂建築設計)設計による特徴的なデザインのカフェとレストランを2022年9月にオープンしました。カフェは、「セガフレード・ザネッティ」が日本で初めて大学キャンパス内にオープンした、SIT Global Caffe empowered by Segafredoです。レストランは、1971年に銀座で創業した老舗の洋食店である銀座シシリア豊洲店です。これらの店舗は、学生教職員、近隣就業者、近隣住民の憩いの場として新たな風景をキャンパス内にもたらしました。
SIT Global Caffe empowered by Segafredo店内(左)と銀座シシリア豊洲店内(右)
有元史郎記念校友会館・交流プラザ
2022年9月20日に開催した豊洲キャンパス完成お披露目会に合わせ、有元史郎記念校友会館・交流プラザ(元製図室棟「アーキテクチャプラザ」)をオープンしました。芝浦校舎から移転してきた校友会事務局と多目的使用が可能な交流プラザを備え、卒業生同士または卒業生と在学生の交流の場所、地域交流・地域貢献の一環として、公開講座や多様なイベントが開催されるスペースとなりました。オープニングイベントとして、「リカルド・ボフィル追悼回顧展」を開催し多くの学内外の来場者を集めました。

  
ストリートピアノ
本部棟SIT Global Caffe empowered by Segafredoの2階部分に誰でもキャンパス利用者が自由に演奏できる、キャンパスピアノが設置されました。毎日9時~19時の間で使用可能です。

ダットサン16型セダン
豊洲キャンパス完成お披露目会と同時に本部棟1階には卒業生より寄贈を受けたダットサン16型セダン除幕式を実施しました。1937年製造のダットサン16型セダンを間近で見ることが可能です。
芝浦工業大学附属中学高等学校
403号機関車と高輪築堤オブジェ・高輪築堤築石モニュメントを公開空地に設置しました。前身が旧鉄道省の設置した東京鐡道中学であること、また現在も「しばうら鉄道工学ギャラリー」を設置しており、鉄道とは非常に縁が深いことから、地域また社会的広報価値が高い蒸気機関車(SL)の設置を芝浦工業大学附属中学高等学校100周年事業として、決定しました。車両については、西武鉄道株式会社が保有している元鉄道院403号機関車の寄贈を受け、2022年11月の創立100周年記念式典において除幕式がおこなわれました。当日は地元自治会による「ようこそSLまつり」が隣地の豊洲六丁目第二公園周辺でおこなわれ今では新豊洲の新名物として多くの人たちに地域のシンボルとして愛されることを期待します。
教員人事評価制度の導入
教育職員の人事評価制度については、教育職員人事評価制度検討準備委員会において、評価が処遇に反映される制度の構築を目指した答申案をまとめ、学長および学長室メンバーと共に、人事評価項目の整理とその評価方法について詳細設計を行いました。2023年度には人事評価制度の試行をする予定です。
職員研修体系の改善
コロナ禍において、研修形態が対面式からオンライン主流へ大きく変わり、人脈形成も兼ねた研修から、知識習得が中心のものと、人脈形成中心とするものなど研修意図の棲み分けを明確にしました。またコロナ以前では多く見られた人事課からの指名型研修は、本人の学習意欲とマッチしない状況も発生し、事務職員は研修に対する期待が薄れていました。これらを受け、研修体系の大幅な改善に着手し階層別研修や管理職研修、考課者・被考課者研修など必須の人事研修のほか、自主的な意欲を尊重した研修(オンデマンド研修など)を多く取り揃え、事務職員の成長意欲を促進する形で体系を改善しました。2023年度より実際に運営する形で進めていきます。
働き方改革への対応
大学教員については、ワークライフバランスアンケート(男女共同参画推進室主管)を元に、ベビーシッター補助金制度を利用すべく検討を行い、2023年度中に利用可能として進めています。また、併設校教諭については、2019年2月に、長時間労働問題に対応すべく、業務改善と部活動外部指導員の導入などについて検討する委員会を発足し、併設校の教諭への説明を経て、2021年7月から1年単位の変形労働時間制を導入しました。2022年度は、変形労働時間カレンダーと業務(学年分掌など)の改善に取り組み、2023年3月に外部指導員を提供している数社から説明をうけ、導入するための手続きを進めています。事務職員については、在宅勤務に関する規程を制定し、多様な働き方を支援する体制を整えました。
芝浦工業大学創立100周年記念事業「駅伝プロジェクト」
芝浦工業大学創立100周年に向けた記念事業の一環として、2018年度から始動した「駅伝プロジェクト」を2022年度も引き続き推進しました。我が国の国民的行事とも言える東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)を通じ本学の知名度、ブランド力を向上させるとともに文武両道の逞しい理工学人材輩出を目的としています。公募制推薦入学者選抜では、2019年度の6人、2020年の10人、2021年の12人に続き2022年4月には8人が入学し、駅伝部専用寮である白亜寮に入寮、勉学と練習の両立に励みました。これで公募制推薦入学者選抜入学選手が1年次から4年次まで在籍し、いよいよ箱根駅伝本戦出場に向け本格的な挑戦を進めていくことになります。第99回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会では、芝浦工業大学チームとして過去最高順位となる20位を記録しました。関東学生連合チームには橋本章央さんが選出され、第99回東京箱根間往復大学駅伝競走では往路5区(小田原~芦ノ湖20.8km)を走り2人の選手を抜き順位を上げる力走で9位相当の区間順位を記録しました。駅伝プロジェクトでは、創立100周年の2027年までにチームとしての箱根駅伝本戦出場を目指してまいります。     
芝浦工大ビルでの収益事業開始
2022年4月、芝浦工業大学豊洲キャンパス本部棟の完成により芝浦キャンパスで教育研究を展開しているデザイン工学部と法人本部、校友会本部等が豊洲キャンパスに移転し、芝浦キャンパスを有効活用するため全棟貸しの収益ビル事業(ビル名称:芝浦工大ビル)を開始しました。この事業は「建学の地」を残しつつ、財政基盤の強化、教育研究の整備・発展に寄与することを目的とし、収益事業から得られる収益を学校経営に充て、更に盤石な経営体制の確立と安定的な収入源を確保することを目的としています。

2.盤石な財政基盤の確立

本学の持続的な発展を実現するためには、盤石な財政基盤を堅持しつづけることが必要であり、その実現のため、中長期的な財政見通しを踏まえた計画的な財政運営に努めています。
2022年度は、2020年度に実施した大学学費の増額改定や大学院修士課程の在籍学生数の増加により前年度比で増収となりましたが、支出面は光熱費をはじめとする諸物価の高騰、ウィズコロナ禍での各種事業の再開、豊洲本部棟関連費など、前年度比で増大しました。芝浦工大ビルからは長期間の安定した賃料が入りますが、この新たな収入に頼らず、事務経費は継続して厳格な管理を行い、施設設備整備計画も取捨選択を行い、収支改善の取組を続けます。
2023年度から大宮キャンパス再整備が始まり、これに続けて柏中学高等学校の校舎整備等の大型投資も控えており、収支面の強化と内部留保の充実化が課題となります。今後も外部資金の積極的な獲得や支出の抑制などを推進し、盤石な財政基盤を確立していきます。

3.教育研究改革

 
スーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業の推進
芝浦工業大学は「社会に学び、社会に貢献する技術者の育成」を建学の精神として設立され、有為な人材を社会に送り出すことで高い評価を得ています。その考えを現代に展開した「世界に学び、世界に貢献するグローバル理工学人材の育成」を教育目標とし、2027年の創立100周年にも輝き続ける大学としての地位を維持し、更に前進するため、2022年度も学長のもと全学的な教職学協働による大学改革を展開しました。
2014年に採択されたスーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業においても、本学は世界水準の工学教育を教職学協働で進めることを合言葉に、本事業の終了年度である2024年3月までにこの目標の完遂を目指し、2022年度も全学を挙げて推進しました。
「コロナ2019」の出口が見え始めた2022年度においても、日本国政府や一部の派遣先国では依然として水際対策を継続していましたが、芝浦工業大学は学生の海外派遣及び留学生受入れの全面的再開に踏み切りました。派遣先では徹底した感染予防をはじめ、感染した学生には引率教職員と協定校教職員が一丸となって適切に対応しました。その結果、渡航型プログラム835人とオンラインコース206人、計1,041人の学生が、無事に派遣プログラムに参加することができました。同様に、海外協定校の学生にも渡航型の授業履修プログラム(サンドウィッチプログラム)や研究指導プログラムを提供し、1,014人(うち174人はオンライン)の学生が参加しました。
2022年度は、ロシアによるウクライナ侵攻や急激な円安による海外渡航費の高騰という、留学には深刻なマイナス要因が重なりましたが、派遣・受入れ実績はパンデミック前々年の実績に迫る結果を残し、SGU事業最終年度の2023年度に繋げることができました。
研究活動の強化
本学は、創立100周年に向けたアクションプラン(Centennial SIT Action)の中で、「研究力強化」を掲げています。その具体化に向け「SIT研究ビジョン」を策定し、研究活性化、公的研究資金の獲得、産学連携・社会実装、研究力強化組織体制の重点項目に取り組んでいます。2022年度は、創立100周年にむけた6年間を本学の「飛躍期」への移行期と捉え、2016年策定の「発展期」のビジョンを大幅に改訂しました。具体的には、研究「人材」、「資金」、「環境」の改善を一層押し進め、研究の大型化を目指し、大学と企業による「共同研究講座制度」の新設や「戦略的産学連携経費」を導入した他、国プロジェクト等の大型研究費を獲得した教員を「重点支援教員」と位置づけ、URA(University Research Administrator)拡充による伴走支援の強化や若手研究者向けの称号付与制度の規程化などを行いました。
ベイエリア・オープンイノベーションセンター
2022年10月、ベイエリア・オープンイノベーションセンター(通称「BOiCE」)が豊洲キャンパスに誕生しました。本学初の研究力強化やベンチャー支援・創出のための拠点であり、本部棟10階産学官民連携ラボ(本部棟)は10室中8室の入居が決定し企業との共同研究や大型国プロジェクトの研究を開始している他、シェアオフィスへ1ブース申し込みがありました。研究棟産学官民連携ラボ(ウェット系 2023年度よりオープン)や共通機器センター、先進製造プロセス研究センターをも有するセンターの名称には、BOiCEで実現する5つのオープンイノベーションとして、Laboratory(オープンイノベーションによる共同研究の推進)、Learning(学生・教員・社会人の起業家教育実践の場)、Social(地域と共に地域課題、社会課題を解決)、Resource(BOiCE利用者に学内設備・機器を提供)、Field(大学を実証の場として開放)の意味が込められています。その実現に向けて、学外の専門家支援やネットワークも拡充し、大学の立地する江東区やさいたま市などの自治体や企業、金融機関、研究機関等14機関が参画するSITオープンイノベーション協創ネットワークを立ち上げ、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)との起業家支援に関する連携協定締結、GTIE(※)へ参画いたしました。BOiCEの活動を支援する制度として、大学発ベンチャー認定・支援制度の規程化、スチューデント・ジョブ制度にISS(Innovation Student Staff)の創設等を整備しました。
※GTIE(Greater Tokyo Innovation Ecosystem)世界を変える大学発スタートアップを育てるため、起業活動支援、アントレプレナーシップ人材の育成、起業環境の整備、エコシステム形成の4つの活動を、東京大学、早稲田大学、東京工業大学が共同主幹機関として実施するプログラム
芝浦ビジネスモデルコンペティション
急激な変化に対応し新しい価値を生み出す人材(アントレプレナー)の育成は社会の要請であります。第7回を迎えた芝浦ビジネスモデルコンペティション(通称SBMC)は、44チーム(対前年38%増)、160名(23%増)が参加し、最終審査会は本部棟阿出川シアターで行われました。学生による、身近な課題を発見し解決するアイデアから、テクノロジーを活用し新しい市場創造に挑戦するアイデアまで、多様なビジネスモデルの考案と実現を支援する企画であり、ビジネスを一から考える経験や異能チームで成果を出す経験は、起業への道であると同時に、コミュニケーション力やプレゼン力の向上やアントレプレナーシップの涵養が期待されます。2023年度からは、正課科目においてもアントレプレナー教育が体系化されます。今後もより多くの学生の参加を促す取り組みを継続します。
ダイバーシティ推進
芝浦工業大学では、2013年度男女共同参画推進室設置以降、特に女性の少なさが社会的課題である工学分野における女性教員の採用、女子学生の増加に全学的に取り組んでいます。2022年度は、女性教員19.1%(前年度19%)、学部学生19.1%(前年度18.7%)、大学院生17.2%(前年度15.7%で大学院進学率は男子38.3%、女子37.8%と僅差)、女性職員44.6%(昨年度45.6%)となり順調に推移しておりますが、一方で国立大学での女性教員採用強化や国・私立理工系大学における女子学生推薦枠の設置などが行われており、危機感を持って更なる努力が必要です。
また、well-beingを感じられる環境の実現を目指し、大学教員を対象にワークライフバランス調査を行った結果、様々な問題が浮き彫りとなり、関係部署と対応策を協議しています。ほかに大宮キャンパスにおけるオープンキャンパスでは、システム理工学部主催(入試部・男女共同参画推進室共催)の「女子高生の知らない工業大学の世界~私たち8人の理工ストーリー」と題したシンポジウムを開催。芝浦工業大学磐田副学長の講演、山脇学園西川校長の話に続き、8人の女子学生とのパネルディスカッションが行われ、女子学生の実体験が本音で語られることで、好評を得ました。また女性職員座談会「私立大学における女性職員のキャリアとwell-beingについて」やshiba-joプラチナネットワーク主催の女子学生とロールモデルとなる卒業生との懇談会も実施しました。
DX推進
理工学教育研究機能の強化やグローバル化の加速、教職学協働の活動など多岐にわたる改革を支援するため、芝浦工業大学内のDX化を一層推進しました。教育のDX化施策としては、コロナ禍における授業運営により得られた知見を活かし、ハイブリッド授業、ハイフレックス授業等による、より効果的で学生の学びが向上する授業を推進しました。また、LMSの利用が一般的となり、2021年度採択された文部科学省Plus-DX事業によって導入したラーニングアナリティクス基盤を一層活用し、これらから得られる教育データを積極的に活用する個別最適な学びを進めました。事務部門におけるDX化施策については、ワークフローシステムの導入や、会義室の簡易予約システムなどを構築し、業務効率化、情報共有の強化、ペーパーレス化等を一層進めました。また、事務系職員全員にノートPCおよびスマートフォンを配布し、働き方改革の一助とするテレワーク環境の向上をはじめ、コミュニケーション強化や業務遂行の円滑化を図りました。さらに、教育システム、研究システム、運営システムにおいて本学ICT化の進捗状況を他大学と細部にわたり比較して、本学の強み、弱みを洗い出し、今後のDX施策に役立てるようベンチマーキングを実施しました。
近年の情報システムは技術革新のスピードが速いため、最新技術の動向を常にウォッチし、学内システムへの適切な提供を行う体制を整える必要がある一方、情報セキュリティの対策が重要な課題となっています。2022年度に芝浦工業大学情報セキュリティ基本規程を制定し、マネジメント体制を強化するとともに最新の保全システムを導入し、脅威に対して迅速かつ安全に対応しました。


4.学生募集とキャリア支援

学生募集
芝浦工業大学において、2022年度は「大学の根幹となる入試の安定化を目指した入試制度改革とブランド力向上」を目的に掲げました。入学者の40%を特別・推薦入試にて確保すること、女子入学者比率の向上(100周年時に30%)、及び地方出身入学者率の向上(100周年時に25%)を目指して、諸活動に取り組みました。
全入学者における特別・推薦入試による入学者の割合は35.0%(前年は31.2%)となりました。2024年入試及び将来の改組・定員増に向けて、連携協定校の拡充(2法人5校)、指定校推薦制度の見直し、特別指定校推薦対象校の設置などを行いました。なお、一般入試の志願者総数(延べ人数)は、36,687名となり、前年比96.9%を確保しました。
女子学生の獲得においては、新たに昭和女子大学附属昭和高等学校と教育連携協定を締結したほか、女子生徒を対象とした座談会やサマーインターンシップ、及びミニオープンキャンパスなどを実施しました。また、公募制推薦(女子)入学者選抜を全学部に拡大して実施し、定員64名に対し実人数で75名の出願があり、63名が入学することとなりました。これらの諸活動の結果、2023年の度全入学者における女子入学者数比率は21.2%(前年は20.1%)となりました。
地方出身者の獲得においては、地方出身者を対象とした「朝日に輝く奨学金」を新設し、そのプロモーションに力を入れました。結果として、一都六県以外からの入学者比率が17.9%(前年は15.6%)へ向上しました。また、2024年入試以降の対応として、地方からの指定校推薦入学者を増加させるために、地方の新進高校や道府県を代表する工業高校との関係づくり(特別指定校推薦対象校に指定)に努めました。
 
キャリア支援
芝浦工業大学では、2022年度においても就職率の向上と質の高い就職先の実現を目指し、個々の学生に合わせたキャリア支援を展開しました。2023年3月卒の就職実績は98.9%で、前年比で1.7ポイント増となりました。就職率向上に向けて、相談窓口を早朝から夜間、日曜祝日も対応可能な体制を整え、ひとりでも多くの学生にアドバイスを行い、不安や悩み等の相談に応じました。また、企業や行政の人事採用経験者を招聘し「企業役員人事カウンセリング」を新設しました。学生相談の利用件数は、対前年比3割増の年間約9,000件となりました。効果的なアドバスを受けた学生が増加し、就職率向上に寄与したものと考えています。今後もこの取り組みを継続発展し、「真に納得できる就職」を実現するために個々の学生に寄り添った支援を行ってまいります。
質の高い就職先の実現については、有名企業400社への就職率向上を目指し、学生への積極的なアドバイスや従来より企業数を増やした「リーディングカンパニー業界研究会」を開催しました。また、2022年度からは有名企業400社への出張訪問も行い、採用実績の増加・維持、過去実績企業の復活、新規企業の開拓等に努めました。その結果、社会環境が戻りつつあることも相まって、2023年卒の有名400社への就職率は32.2%となり、前年比6.9ポイント増加しました。また、芝浦工業大学校友会との連携による「卒業生企業役員によるパネルディスカッション」やOB・OGと接点を持ち仕事研究を行う「仕事研究フェア」、「合同企業説明会」など毎年恒例の重要イベントをオンラインと対面の組み合わせによるハイブリッド型で開催しました。加えて本学独自の就職支援システム(CAST)も最大限活用することで、学生への情報提供を的確かつ迅速に行いました。

2022年度就職先ランキング
1 NECソリューションイノベータ(株) 21
2 本田技研工業株式会社 19
3 株式会社SUBARU 16
4 東日本旅客鉄道株式会社 15
5 三菱電機株式会社 14
東海旅客鉄道株式会社 14
清水建設株式会社 14
6 日本電気株式会社 11
7 日産自動車株式会社 10
東日本電信電話株式会社 10
大成建設株式会社 10

5.学生支援の充実強化

■    学生生活支援
2022年9月に芝浦工業大学芝浦キャンパスが豊洲キャンパスに移転したことに伴い、大学院理工学研究科・工学部・システム理工学部・デザイン工学部・建築学部の学生支援は、大宮・豊洲の2キャンパス体制で実施することになりました。
授業においては、新型コロナウイルス感染に伴う活動制限がある中、マスクの着用・換気・消毒・三密の回避等の基本的な感染防止対策を徹底し、対面授業の実施を基本としました。対面授業と併せてライブ配信型授業・オンデマンド配信型授業を組み合わせたハイブリッド授業を全科目において実施しました。また、海外の大学に留学中の学生が本学の開講するオンラインもしくはオンデマンド授業を履修できる制度を整備しました。
<2022年度に新たに整備した主な学生生活支援制度>
 ①    芝浦工業大学「朝日に輝く奨学金」の制定
  地方出身の指定校推薦による入学者で大学共通テストで基準を満たした者対して年間50万円×最長4年間の奨学金を給付しました。
 ②芝浦工業大学校友会大学院博士(後期)課程女性研究者育成奨学金の制定
  本学大学院理工学研究科修士課程に在学する学生のうち、博士課程に進学を希望する女性1名に対
  して年間100万円×3年間の奨学金を給付しました。
 ③学校法人芝浦工業大学有元記念留学支援制度の制定
  カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)に留学する学生に要する学費等相当額を経済支援しました。
 ④新学生寮の設置
  豊洲キャンパスに通学する学生向けに、江戸川区西葛西に提携学生寮としてドーミー西葛西3(男子
  学生専用)とドーミー西葛西Lei(女子学生専用)を設置しました。

■    課外活動支援
<芝浦工業大学2022年度課外活動奨励金表彰団体および主な成績>
 ①自動車部
  全日本学生ジムカーナ選手権大会(男子団体の部)3位
  機械機能工学科3年 下村渉さん:男子個人の部96名中3位
  機械工学科4年 佐々木竜也さん:男子個人の部96名中4位
 ②アメリカンフットボール部
  関東学生アメリカンフットボール連盟2部Aブロック4位
  初の関東リーグ2部残留ならびに上位進出
 ③サッカー部
  埼玉県大学サッカー連盟から東京都に移籍初年度に3部準優勝・2部昇格
  土木工学科2年 山田爽太さん:東京都大学サッカー連盟チャレンジリーグ(3部)得点王
 ④男子バスケットボール部:関東理工系大学バスケットボール大会(秋季トーナメント)優勝
              関東大学バスケットボールリーグ4部昇格
 ⑤硬式庭球部:関東大学テニスリーグ男子6部昇格

6.中高大連携強化と理系女子の育成

■    芝浦工業大学附属中学高等学校
2021年度からの中高一貫共学化に伴い、中学では大規模なカリキュラム改革を実施しました。新たな教育観の下、特に基幹教科である数学と英語の学び・学ばせ方を見直し、さらにグローバルとITを基軸とした多種多様な探求授業を実践しました。また自立学習を促すための時間を本課内に設け、生徒の学習態度を「教わる・習う」から「考える・学ぶ」へと変化させることで子どもたちの成長を加速させ、自走の学びへと繋げていきます。
また高校では、理工系教育の先進校としてSTEAM教育をさらに進化、発展させ、高大連携のハイレベルな独自の教育プログラムで将来性のある有能な理工系人材の育成を目指します。海外を見据えた短期留学制度を充実させる他、意欲的で向学心の高い生徒を一人でも多く推薦できる推薦制度改革を継続します。
好評の女子児童・生徒向け企画〈ガールズデイ〉をさらに実効性の高い施策とし、「女性技術者の卵」の発掘へ向けて理工学の魅力を引き続き発信します。

■    芝浦工業大学柏中学高等学校
2018年度に文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に再指定され、指定の最終年度となる2022年度に中高大連携活動のさらなる深化を図りました。
具体的には、芝浦工業大学の教員が来校し、生徒のポスターセッションについての指導や助言をいただいたほか、課題探究活動におけるコーチ役を通年で依頼しました。さらに、後期に芝浦工業大学への推薦を希望する優秀な生徒3人を大学の研究室で受け入れてもらい講義に参加させるなど、これまでにない取り組みもスタートしました。
また、コロナ禍が落ち着く中で芝浦工業大学の海外協力校であるベトナム・FTP大学の付属高校との連携協定を締結するため、2023年1月に現地に赴き、調印式や現地の生徒との国際PBLを行いました。相互交流の一層の促進を目指します。各種シンポジウムへの積極的参加を促したほか、3年ぶりに対面にて課題探究活動発表会を実施し、全国各地から集った大学や高校の教員など約200人の前で、日ごろの成果を発表しました。
理系女子の育成については、卒業生で芝浦工業大学に進学した女子学生4人の協力を得て、対面による理系女子講演(交流)会を実施しました。当日は中学3年生から高校3年生まで39人が参加し、自身の今後のキャリアについて考える良い機会になりました。

■    昭和女子大附属昭和高等学校との教育連携協定を締結
芝浦工業大学は、2022年12月に昭和女子大学附属昭和高等学校(東京都世田谷区/校長 真下峯子)と教育連携協定を締結しました。創立100周年となる2027年に女子学生比率30%以上を目標に掲げ、女子生徒がこの教育連携協定の下で実施する探究活動を通じて理工系分野へ進学する意欲を喚起することを企図しています。この教育連携協定により、今後は本学女子学生による分野別の学びの説明会、高等学校教員を対象とした研究室見学、生徒が希望する研究室でのサマーインターンシップ、またインターンシップを利用した特別推薦入学などの実施をして、探究型学習を深化させてまいります。

7.キャンパスや諸設備の整備

■    芝浦工業大学豊洲キャンパス二期工事計画
創立100周年記念事業の中核事業である豊洲キャンパス第二校舎建設(名称:本部棟(Centennial Main Building))が2022年4月15日に竣工しました。同建設工事は2019年11月に着工し、29か月をかけて完成しました。引渡し後は、セキュリティなどの別途工事、14階内装実装工事、坂茂先生の設計による1階イタリアンレストランとカフェの内装工事が行われ、法人本部、建築学部、デザイン工学部や芝浦キャンパスの事務部門が移転し9月より本格稼働しました。また、本部棟の完成に合わせて、地域交流の場としてフラワーガーデンとシバウラキッズパークを整備しました。

■    2022年度新設、着工した主な施設設備
①    森の復興
芝浦工業大学大宮キャンパスマスタープランの一つである4号館前の森の復興工事が2023年1月に着工しました。この工事は、ナラ枯れによる木々の損傷が激しいことから、雑木林を整備するものです。ナラ枯れの木を伐採し園路・デッキを設け、エリア一帯を芝生化する工事となります。2023年9月に完成予定です。
森の復興
②    芝浦工業大学豊洲キャンパス本部棟完成に伴う既存棟改修工事
本部棟完成により学部・部署が引越ししたことから、既存棟の空いた部屋を改修しました。主な工事としては、研究棟5~8階のラーニングコモンズ、レンタルラボ化等改修工事、交流棟1階のアスレチックジムをテクノプラザに改修する工事、アーキテクチャプラザを校友会施設にする改修工事、交流棟生協購買の拡張工事等がありました。

③    芝浦工業大学芝浦キャンパス改修工事
民間企業に1棟貸しが決まったことから、照明のLED化、空調機械の更新、排煙工事を実施し2023年3月に芝浦工大ビルとして完成しました。

■    2022年度の主な施設設備の維持管理
①    芝浦工業大学豊洲キャンパス中央監視盤更新工事
竣工後17年が経ち、機器の更新時期が過ぎました。監視盤に組込まれたシステムも古く、またシステムを開発した企業が開発をやめてしまったことから更新する事となりました。

②    芝浦工業大学柏中学高等学校ホール棟GHP室内機更新工事
ホール棟に設置されたガス空調機の室内機の劣化が顕著で、交換部品の残数も限られてきたため、室内機を交換し、空調設備の保全につなげました。

■    次年度以降に向けての計画・検討
①    芝浦工業大学大宮キャンパス新施設の検討
2023年1月に第一優先交渉権者となる実施設計・施工者が決定しました。2023年度は、新施設建設に向けて、各部署の意見を取り纏めて実施設計に反映させる予定です。

②    芝浦工業大学柏中学高等学校再編計画に向けた検討
開校42年を迎えた柏中学高等学校は建物や設備が老朽化しています。今年度は、基本計画を検討し建設の見通しが立ちました。2023年度は、開発許可等の行政協議、地権者との借地の折衝を行い基本設計に移行していきます。

8.併設校の強化

 数多の私立中高の中にあって学校の独自性をより鮮明に打ち出し、基軸はぶれずに社会情勢の変化や価値観の多様化に対応できる学校作り、校務運営に努めます。
芝浦工業大学附属中学高等学校には先進的なSTEAM教育と大学との連携教育、芝浦工業大学柏中学高等学校はSSHの実践と進学校としての高い評価を強みとして両校ともに学校としての特長や個性をさらに強化・尖鋭化させるとともに新たな教育観を見据えた時代に即応できる「新しい学び」を研究・推進します。芝浦工業大学附属中学高等学校は開校100周年に伴う式典他の記念事業を成功裏に終えました。次代に向け恵まれた教育環境を最大限に活用しさらに魅力ある教育活動を実践、展開します。芝浦工業大学柏中学高等学校では、創立50周年を迎える2029年を目途とし新校舎の建設に向けた具体的な検討を本格化させ、新校舎を見据えた魅力ある教育環境の充実を図ります。
また、両校をあげて芝浦中高のブランド力を高め、地域の期待にも応え得る教育力の向上と魅力ある学校風土の醸成に努めます。校内においては教員の働き方改革推進を継続させ、労働環境の整備や待遇の改善を通してさらに魅力ある職場づくりに努めていきます。

9.リスクマネジメント体制の強化

本学は、2011年3月に発生した東日本大震災の直後に、主に大地震などの自然災害に対する備えと、災害後の復旧計画立案のために「危機管理室」を設置しました。以降、「災害危機管理基本計画書」「災害対策本部運営要領」の策定を行い、2019年度には、リスクマネジメントにおける大きな目標であった「事業継続計画(BCP)」をとりまとめ、具体的運用に至った経緯があります。
2019年から2022年まで、新型コロナウイルスの世界的拡大による、さまざまな活動制限を経験しましたが、本学では「事業継続計画(BCP)」に基づき、教学部門のDXを活用した新たな教育方法の構築や、働き方の工夫(テレワーク等の遠隔業務の環境整備)、及びいち早いワクチンの学内接種をはじめとする、学生・教職員健康相談室との連携により、パンデミック発生を回避することができました。現在は、コロナ5類移行方針に沿って、コロナ前同様に対面での活発な学校活動に向けた準備を進めています。
一方、2022年9月より大宮キャンパス、豊洲キャンパスの2キャンパス体制になったことに伴い、「災害危機管理基本計画書」、「災害対策本部運営要領」の見直しに着手し、それぞれの各部署が災害に対して自律的に対応できるように、策定のプロセスから協働で見直し検討、策定を目指します。


10.地域貢献・社会貢献

2022年度は、新型コロナウイルスの感染拡大により過去2年間中止となっていた6月の「船カフェ」や11月の「豊洲水彩まつり」などの地域の方々や自治体と共に開催したイベントや、芝浦工業大学豊洲キャンパス近隣企業と協業したまちづくり活性化イベントの「豊洲みらいプロジェクト」を再開いたしました。「船カフェ」「豊洲水彩まつり」はまだ一部のイベントでの再開でしたが、「豊洲みらいプロジェクト」は近隣企業含めた4社合同の本来のスタイルでの再開ができました。
また、大学と地域との交流の場として、芝浦工業大学豊洲キャンパス有元史郎記念校友会館に交流プラザを開設し、公開講座や特別展の開催、大学生の卒業制作などの発表の場として活用も行っています。
大学の第3の機能である「社会貢献」・「地域貢献」の役割を担うものとして、芝浦工業大学が持てる専門知識を広く社会・地域に発信することを使命として開講している公開講座では、幅広い年代層を対象とした講座や親子参加の講座、オンデマンドによる講座を開講し、2022年度38講座、延べ1,200人以上の受講者を集めることができました。
特にキッズ向け講座では、子どもの「ものづくり」に対する興味・感心をそそり、未来の理工系人材を育成する内容の講座を、前後期合計18講座をすべて対面で開講しました。
さらに、新しく社会人向けリカレント教育プログラムとして、企業との連携により、企業教育への協力として「橋梁技術基礎講座」を開講しましたが、それを発展させ、教務部門との協働による「履修証明プログラム」の開設をしました。これについては2023年度以降、新コースを開設し、社会貢献のさらなる展開を図ります。