学校法人会計基準について

学校法人会計基準は、昭和46年4月に私立学校に対する経常費補助金交付を目的として定められたものです。会計の原則には、
(1)真実性の原則
(2)複式簿記の原則
(3)明瞭性の原則
(4)継続性の原則
の4点があります。学校法人を運営する資金源泉の主なものは、学生生徒等納付金収入や寄付金収入、あるいは国・地方公共団体等からの補助金(国民の税金)など公共性が非常に高いものです。また公教育機関としての永続性を担保するため、健全かつ盤石な財政基盤を確立しなければならないことから、統一的な会計基準として制定されました。

学校法人の会計はどのように処理されていますか?

学校法人の会計は、「学校法人会計基準」に従って処理されます。

「学校法人会計基準」とは?

私立学校振興助成法第14条にある「文部科学大臣の定める基準」として学校法人会計基準が定められています。学校法人会計基準では、財務計算書として、

資金収支計算書並びにこれに附属する内訳表(資金収支内訳表、人件費支出 内訳表) 及び資金収支計算書に基づき作成する活動区分資金収支計算書
事業活動収支計算書及びこれに附属する事業活動収支内訳表
貸借対照表及びこれに附属する明細表(固定資産明細表、借入金明細表、 基本金明細表)を作成し、監査法人等の監査を経て、決算後2ヶ月以内に 所轄庁に届け出なければならないと義務付けています。
次に会計基準では、こうした計算書等を以下に掲げる会計処理の原則に基づいて行うことが規定されています。

「財政及び経営の状況について真実な内容を表示すること」
「すべての取引について、複式簿記の原則によって、正確な会計帳簿を作成すること」
「財政及び経営の状況を正確に判断することができるよう必要な会計事実を明瞭に表示すること」
「採用する会計処理の原則及び手続並びに計算書類の表示方法については、毎会計年度継続して適用し、みだりにこれを変更しないこと」すなわち「真実性」「明瞭性」「継続性」「複式簿記」を会計原則として掲げています。

資金収支計算書とは?

毎会計年度の諸活動に対応するすべての収入及び支出の内容並びに当該会計年度における支払資金の収入及び支出の顛末を明らかにするものです。
※活動区分資金収支計算書は、資金収支計算書を3つの活動区分 (教育活動、 施設若しくは設備の取得又は売却その他これらに類する活動、資金調達その他の活動)に分けて収支を記載するものです。
企業会計の「キャッシュフロー計算書」に類似したものです。

事業活動収支計算書とは?

毎会計年度、当該会計年度の教育活動収支、教育外活動収支、特別収支に対応する事業活動収入及び事業活動支出の内容、及び基本金組み入れ後の当該会計年度の諸活動に対応する全ての事業活動収入及び事業活動支出の均衡の状態を明らかにするものです。

※企業会計の「損益計算書(P/L)」に類似するものです。
※(P/L)=Profit and loss statement

貸借対照表とは?

毎会計年度末における総資産及び総資金(負債、純資産)の価額とその内訳を明らかにするものです。

※内容は企業会計の「貸借対照表(B/S)」と同じです。
※(B/S)=Balance sheet

基本金とは?

基本金は企業会計にはない、学校会計独自の会計処理です。学校運営に必要な資産のうち、継続的に維持していくべき資産(校地・校舎・機器備品・図書・現金・預金)の額を表したものを「基本金」といい毎年一定額を組み入れます。また学校法人会計基準第30条第一項において基本金は4つに分類されています。

4つの基本金の目的と違いは?

基本金の種類 目的
第一号基本金 自己資金で取得した校地・校舎、機器備品などの取得額
第二号基本金 固定資産を取得するために積み立てた預金などの資産の額
第三号基本金 奨学基金、研究基金などの資産の額
第四号基本金 学校法人の円滑な運営に必要な運転資金の額
この中で、第一号基本金はすでに固定資産に転化したものであり消費できる資金ではありません。第三号基本金は特定目的に対してのみ使用できる資金です。

さらに第四号基本金は、学校法人の運営が破綻した場合の一ヵ月相当の恒常的支払い資金です。従って、学校法人の新たな施設・設備取得のために資金を保留し使用可能な基本金は第二号基本金のみで、この額が潤沢なほど財政基盤が強固であると言えます。

なお第二号基本金は、目的である施設・設備計画等が終了すれば当然組み入れは不要となりますが、学校法人会計基準上組み入れが義務付けられている第一号及び第四号基本金は、学校法人を維持していくためには永続的に組み入れていかなければならない基本金であることはいうまでもありません。