
「アジア工科系大学のトップ10」を目標に、ダイバーシティ推進先進校として多様性の確保に取り組む芝
浦工業大学。女子学生比率30%という目標を掲げる中で、女子学生たちは、今どのような日々を過ごし
ているのか。リアルな声を通して、芝浦工業大学で学ぶ彼女たちの等身大の姿に迫ります。
MEMBER PROFILE ※学年は取材当時

𫝆村 梨世 さん
システム理工学部 電子情報システム学科1年
東京都・文京学院女子高等学校出身。シンガ
ポール生まれ。幼稚園から小学校の途中まで
台湾で過ごし、その後、神奈川に暮らしなが
ら東京の女子校に通う。芝浦工業大学には理
工系女子特別入学者選抜で進学し、電子情報
システム学科の「国際プログラム」に在籍。
大宮キャンパスの生協食堂がお気に入り。

池田 晶 さん
工学部 機械機能工学科4年
三重県立伊勢高等学校出身。地元の三重県
から、大学進学を機に上京。芝浦工業大学に
は一般入試で入学。地元近くの国立大学にも
合格していたものの、研究施設やキャンパス
に魅力を感じて芝浦工業大学へ。大学のオス
スメスポットは、焼きたてパンを提供する大
宮キャンパスの「芝浦ベーカリー」。

御厨 沙良 さん
工学部 電気工学科4年
東京都・富士見高等学校出身。豊洲キャンパ
ス近くに住んでいて馴染みのあったことや、
周囲のアドバイスもあり芝浦工業大学を受験
し、一般入試で入学。企業連携の卒業研究に
取り組み、卒業後は大手グループ企業のシス
テムエンジニアに。友達と集まる時は、豊洲
キャンパス本部棟4階が定番スポット。
国公立や総合大学と比較して芝浦工業大学を選んだ背景とは
3人が理系進学を意識したのはいつ頃からですか?
池田 はっきりと理系に決めたのは高校2年の文理選択の時です。数学が得意だったことが、大きな理由になりました。
御厨 私も物理が好きだったので、理系を選びました。将来の目標より、得意科目をどう生かすかを意識していました。
池田 御厨さんは女子校出身ですが、共学校の出身者から見ると、女子校って文系のイメージがあります。理系が選びづらい雰囲気とかはないですか?
御厨 私の経験で言えば、女子校の方が理系を選ぶ女子が多いと思います。私の時は文理選択の割合はほとんど半々でした。
𫝆村 私も都内の女子校でしたが、3〜4割が理系を選択していました。
御厨 𫝆村さんはいつ頃から理系に進もうと考えはじめましたか?
𫝆村 私は結構早くて、中学1年くらいから理系を意識していました。数学が好きで、社会科が苦手だったというのもありますが、中学3年の頃には「理系の方が就職に強い」といったメリットを考えていました。
そんな中で3人が芝浦工業大学を選んだ理由を聞かせてください。
御厨 私は近所に住んでいたので、芝浦工業大学を昔から知っていました。キャンパスが綺麗で、先進的な印象があり、他の大学と比べてもイメージが良かったです。
池田 理工系だとキャンパスの雰囲気や、研究施設が決め手になりますね。私は地元近くの国立大学に合格していたのですが、受験でキャンパスに行ったら結構古びた雰囲気で……。駅から遠いことなどもあり、ここには通えないなと考えて、上京する道を選びました
2人が高校生の頃はコロナ禍で、オープンキャンパスにはあまり行けない状況でしたね。
池田 ネットで大学を調べるのが中心でした。私は地元が三重県なので、実は芝浦工業大学のキャンパスに来たのは入学する時が初めて。国公立や総合大学も受験していましたが、理工系大学の方が、専門知識が身につくだろうという期待感がありました。
𫝆村 私は海外で長く暮らしていて、中学生の頃から海外留学をしたいという思いが強くありました。留学制度が充実している点が、芝浦工業大学を志望した大きな理由です。システム理工学部の「国際プログラム」は留学先大学の学費が不要で、4年間で卒業できるのが魅力。総合大学も志望校の候補だったのですが、理系の学生を想定してない留学制度に違和感を感じて、芝浦工業大学を選びました。
御厨 私もMARCHレベルの総合大学を併願していましたが、両親からは「就職が強いから」と、芝浦工業大学をずっと勧められていました。当時は卒業後まで意識できませんでしたが、今になって就職に強い大学を選んで良かったと思います。
実践的な授業や研究活動で社会につながる専門知識を磨く
3人はそれぞれの学科で、どのような学びに取り組んでいますか?
𫝆村 高校の探究活動でAIについて学ぶ機会が多く、情報系や電気系の分野に進みたいと思うようになり、電子情報システム学科を選びました。今はプログラミングを学んでいる時間がとても楽しいです。オープンキャンパスで話をした三好匠教授が今でも気にかけてくれていて、時折、研究室にお邪魔しています。
御厨 高校から大学の勉強に変わって、大変なことはないですか?
𫝆村 演習などの実践的な授業が楽しい一方で、数学や物理の座学が少し大変です。けれど学習サポート室などのバックアップもあるので、無理なく授業にはついていけています。2人はどう学科を選んだのですか?
御厨 理工系の分野を調べる中で、興味が湧いたのがロボット分野でした。そこでロボットに関われる研究室を探して、電気工学科に決めました。
池田 私の場合は工学部という大まかなイメージがあり、とはいえ電気系には難しい印象がありました。そこで機械系の中から機械機能工学科を選びました。今思えば、少し感覚的な進路選択でしたが、研究室での研究も含めて、力学系の勉強を楽しんでいます。
4年生の2人は卒業研究ではどんなテーマに取り組んでいますか?
池田 私は伝熱工学や流体力学など、まさに力学をテーマにする研究室に所属していて、液体の表面で発生する「マランゴニ対流」という対流の解析に取り組んでいます。
御厨 私は企業連携型の研究に取り組んでいます。道路工事などで路面のアスファルトを切断する機械があり、熟練者は音などで切断の状況を判断できます。その技能をコンピュータによって自動化し、熟練者でなくても作業ができる、操作支援システムの開発を目指した研究です。
𫝆村 2人はどうやって研究分野や研究室を選んだのですか?
御厨 私は入学した時の「ロボットがやりたい」っていう思いを変わらずもち続けていて、関連する研究テーマを選択しました。
池田 私は研究室の小野直樹教授の人柄です。何を学ぶかも大事ですが、誰に教わるかを考えた時に、授業を受けて親しみやすさを感じた先生を選びました。
𫝆村 私はまだ具体的に研究したいテーマが思い浮かばなくて、少し不安もあるのですが。
御厨 まだ1年生だから焦らなくて大丈夫だと思います。2〜3年生になって専門科目の授業が増えてくれば、自然と楽しい授業、好きな分野が見つかるはずです。
はじめは不安に感じた環境も今では居心地の良い場所に
一般的には「理工系に女子が少ない」といったことが話題に上がりますが、理系に進学する時に不安はありませんでしたか?
𫝆村 入試広報のスタッフとしてオープンキャンパスの「理工系女子ルーム」を担当した時にも、高校生や保護者の方々からは、そうした相談がいちばん多かったです。
御厨 私は中学・高校と6年間女子校だったこともあり、正直に言えば、入学までは気にしていました。東大宮駅からのスクールバスに乗った時は男子ばかりで少し驚きました。
池田 男子学生の多さには、私もはじめは驚きましたね。
御厨 所属している研究室も女子が少ないのですが、今ではまったく気にならないです。
池田 男子がみんな本当に優しいのは、女子学生でも過ごしやすいポイントだと思います。
𫝆村 最近はオープンキャンパスでも女子高校生の参加者が増えていますよね。
御厨 これから女子学生はもっと増えると思いますし、すでに増えている実感もあります。
池田 芝浦工業大学にいると、女子校出身者と会うことも多いですね。
御厨 私も女子校でしたけど、多分女子校の方が、理系を選ぶ人が多いと思います。
𫝆村 将来設計をしっかり考える人が多い印象があり、その点から就職力の強さに惹かれるのかもしれません。私も就職に強いというメリットで、理系や芝浦工業大学を選びましたから。
池田 就職活動でも、理工系の女子というだけで、企業の方の反応が良かった気がします。
御厨 私も内定式に行ったら、周りの男子は大学院生と高専出身者ばっかりでした。
池田 私の会社も学部卒はほとんどいませんでしたね。
2人とも大学院生と肩を並べて、内定を獲得したのはすごいですね。卒業後はどういった企業に就職するのですか?
池田 私は測定機器を扱う専門商社の営業職です。入試広報スタッフや塾講師のアルバイトをして、人と話すことが好きだと思うようになり、営業職を選びました。
御厨 私はシステムソリューション会社のシステムエンジニアになります。内定先のインターンシップに参加した時に、コツコツと開発に取り組むより、営業と開発の技術的な橋渡しをしたいと思ったことがきっかけです。
𫝆村 私は将来が全然イメージできていないので、先輩たちのように、早く自分自身が納得できるキャリアの目標を見つけたいです。
新しい環境で新しい価値観に出会えたことが成長の後押しに
SNSなどでは「理系は文系より忙しい」「男子だらけで大変」という話も出ますが、実際に芝浦工業大学に通ってどう思いますか?
𫝆村 私は留学、ビジネスコンテスト、課外活動など授業以外にもやりたいことに挑戦できて、充実した時間を過ごしています。むしろ色々と詰め込みすぎて、少し忙しいくらいです。
池田 私もアルバイトもできていますし、芝浦祭実行委員会や入試広報スタッフの活動にも参加しています。理工系の大学だから特に忙しいということは感じません。
御厨 もちろん忙しい時もあるけれど、ゆとりがある時期もあり、しっかりキャンパスライフを楽しめています。
池田 もうすぐ卒業ですが、やり残したことはないと感じられるほど、勉強もプライベートもキャンパスライフを満喫できました。
御厨 私は中学・高校と6年間女子校に通ってきて、理工系の大学でまったく違う価値観の人たちに出会えたことが、すごく楽しかったですし、自分のためになったと思います。そういう意味でも、理工系に進んだことが正解でした。
池田 私は地元の三重から出てきて、はじめは東大宮に住んで、その後、勝どきに。一人暮らしで人間的にも成長できたので、地元の国立大学にこだわり過ぎなくて良かったと感じています。
𫝆村 私は比較的女子の友達と一緒にいることが多いのですが、男子学生と分け隔てなく仲が良い女子もいますし、女子だけで大学生活を過ごすこともできます。高校生が心配する気持ちも分かりますが、想像よりきっと自分らしく過ごせる環境のはず。先入観をもたずに一度大学に足を運んでもらいたいです。