下条 陸久さんが日本建築仕上学会で卒業研究賞を受賞

2023/04/03
  • 建築学部

【受賞者】
下条 陸久(建築学科/専攻4年)

【指導教員】
濱崎 仁教授(建築学科)

【学会名】
日本建築仕上学会

【賞名】
卒業研究賞

【発表題目】
コンクリート膜養生剤の評価方法およびその効果に関する研究

下条_建築仕上学会
【研究目的】
コンクリート構造物において、養生中の水分逸散が、ひび割れの発生や強度・耐久性等に悪影響を及ぼすことが問題になっている。その対策として施工現場では膜養生剤が使用されているが、その効果の評価方法および評価基準が定められていないため、養生効果が不明瞭な状態である。そこで本研究では、膜養生剤の効果を評価する試験方法を提案し、膜養生剤の有無および品質の違いによって水分逸散立や中性化速度係数、強度などに違いがあるかを比較することで、膜養生剤の効果を検討し、それらに基づいた評価基準を定めることを目的とした。

【研究内容】
膜養生剤の効果を水分逸散率によって評価する試験方法を提案し、水分逸散率と強度発現、中性化の進行、透水性、色変化などの関係を明らかにした。これらの結果から、強度や中性化の観点から見た膜養生剤の品質基準として、水分逸散率が70%程度以下であることを提案した。
 
【今後の展望】
この研究は、膜養生剤の品質を明らかにし、不十分な養生によるコンクリートの劣化や品質の問題を解決する手段の一つとして社会に貢献できると考える。本研究で評価方法を提案したことから、今後は実験対象となる膜養生剤の種類や確認項目を広げることで、膜養生剤の品質の向上に寄与することができると考える。