椎名 基貴 さんが日本材料学会 第15回地盤改良シンポジウムにて優秀論文発表者賞を受賞

2022/12/11
  • 社会基盤学専攻

【受賞者】
椎名 基貴 さん(理工学研究科/社会基盤学専攻1年)

【指導教員】
稲積 真哉 教授(土木工学科)

【学会名】
日本材料学会 第15回地盤改良シンポジウム

【賞名】
優秀論文発表者賞

【発表題目】
粒子法解析による塑性流動状態の土砂挙動シミュレーション
本文02 のコピー
本文01 のコピー
【研究目的】
都市部における地下鉄や道路トンネルなど地下線状構造物の構築にあたって、近年では泥土圧シールド工法が多く採用されている。泥土圧シールド工法では、掘削した土砂に添加材を加えて塑性流動化させた上で切羽の安定性を確保するとともに、スクリューコンベヤから円滑に排土する必要がある。このため、チャンバー内掘削土の塑性流動状態を適切に管理することが重要である。従来、掘削土の性状管理はスランプ試験や技術者の主観によって判断しているのが一般的であり、管理の客観性やリアルタイム性の面など改善の余地があると考えられる。このように、塑性流動状態の土砂の挙動を把握することは、泥土圧シールド工法における問題に限らず、流動化処理土を用いた埋戻しなど様々な工法にも共通するものであり、実務的にも重要な課題であると考えられる。
そのため、本研究では泥土圧シールドのチャンバー内の挙動を再現した模型実験を実施し、且つ模型実験から得られる塑性流動化した土砂の挙動を数値シミュレーションにより再現することを目的としている。

【研究内容】
本研究では、流動状態にある土砂の性状と土圧の関連性の把握を目的とした小規模な模型実験を実施している。さらに、現状では不可視であるチャンバー内の可視化・可測化を念頭に、粒子法CAE解析によって模型実験の再現を試みている。
本研究において模型実験を行った結果、シールドマシン実機の土圧データで得られたチャンバー内掘削土の塑性流動性と土圧の関係性について、模型実験でも同様の傾向を得られることが明らかになった。また、模型実験の結果より、攪拌翼模型移動方向に対して前面側と背面側の差分とスランプ値に相関関係が見られた。さらに、粒子法CAEを用いた模型実験の再現解析は、解析パラメータとしてレオメーターにより土試料の物性値を測定することで高い再現性が得られることを明らかにした。

【今後の展望】
​本研究の今後は、解析上での撹拌翼模型が移動することにより受ける土圧の再現性に関して検討をする必要がある。そのため、土試料の境界条件に関する妥当性について検討を加えていく。その上で、地盤内で生じる様々な現象の全てをコンピューター上で可視的・可測的に設計・評価できる画期的なシステムを確立していく。

お問い合わせ


芝浦工業大学 企画広報課

〒135-8548 東京都江東区豊洲3-7-5(豊洲キャンパス本部棟2階)

TEL:03-5859-7070 / FAX:03-5859-7071

E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp