「次世代デザイン優秀賞」をはじめ複数賞を受賞した、「次世代を担うデザイン展2021」レポート

2021/11/15
  • 学び
橋田 規子教授(デザイン工学科)の「エモーショナルデザイン研究室」より、「次世代を担うデザイン展2021」に、学生12名が出展しました。
今年度のテーマは、【連 : TSURANARU】。 「Art と Design の境界線からの提案としての生活装置」として、連なることによりコミュニケーションを生む物・事などを表現した作品が並びます。
参加校は、芝浦工業大学・工学院大学・多摩美術大学・東京造形大学の4大学です。


芝浦工業大学は次世代デザイン優秀賞、株式会社スペース賞を受賞。
また、出展作品のうち篠崎 巧真さん(デザイン工学科4年)の「Born Stool」、芳賀 鞠佳さん(デザイン工学科4年)の「Wooden Dress」が次世代デザイン賞を受賞。
安田 泰弥さん(デザイン工学科4年)の「かまくら」が APSDA賞を受賞しました。


出展した学生4名に、取材を行いました。


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△左から、取材に応じてくれた原 誠太朗さん、山邊 航太さん、姫井 春紀さん、藤本 優太さん
SDGsにも配慮した、ミツバチの巣を思わせるユニット家具

【作品名】
BEE UNIT
【デザイン・製作】
山邊 航太さん(デザイン工学科4年)
【特徴】
すべてが段ボールで製作されたミツバチの巣を連想させる、ユニット家具です。
六角形のユニット同士を組み合わせることで、様々な家具として使用できます。
ハニカム構造を取り入れているため、段ボールという素材ですが強固な造りとなっています。
段ボール同士の連なりが、展示会テーマの「連 : TSURANARU」を連想させます。
【素材の選択理由】
2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村で、段ボール素材のベッドが提供されたことや、避難所での利便性向上のために導入されるなど、段ボールは近年話題の材質です。
ただし、本来は梱包用の素材であるため、安っぽさを感じがちなのが欠点です。
山邊さんは、「段ボールのどの点が安っぽさを感じさせやすい点」であるかを調査。大きなのっぺりとした面が最も安っぽさを感じる原因であると分析し、あえて断面を見せる構造をデザインしました。
【使ってほしい対象】
生活環境が変わりやすい、20~30代の若者です。
BEE UNITは段ボール製のため、安価で提供することができます。また、ユニットを交換すれば長く使えることもポイントです。
【苦労した点】
展示会に出品した経験がなかったので、期限に間に合わせることが大変でした。期限2週間前からは、毎日豊洲キャンパスのレーザー加工機のある部屋に、朝8時から夜の10時半まで籠って作業をしていました。
また、段ボールはレーザー加工機で燃えやすいという性質にも苦労しました。

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使用シーンに応じて、心地いい距離感を実現するスツール
【作品名】
Narabi Stool
【デザイン・製作】
原 誠太朗さん(デザイン工学科4年)
【特徴】
使用シーンに応じて並び替えることで、各々が程よい距離感を保つことができます。
連結するとソシオペタル(交流促進)、ジグザグに並べればソシオフーガル(交流抑制)に配置することができます。
【使ってほしい対象】
ロビーなどパブリックスペースにおいて、幅広い人に対して提供することを前提としています。
【苦労した点】
強度を出すために、スツールの中心に棒が入っています。
削り出しが難しく、微細な調整を重ねました。
【学んだこと】
今回は、会場の設営も私たち学生が主体となって取り組みました。
作品の設置など、勉強になる点が多かったです。
また、私は空間デザインの仕事に内定をいただいているため、今回の経験が多く活かせると思います。
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学内の照明環境改善に役立つライト
【作品名】
CAMPUS LAMP
【デザイン・製作】
姫井 春紀さん(デザイン工学科4年)
【特徴】
各パーツが分離でき、組み立てて『連ねて』使用することができます。
【使ってほしい対象】
芝浦工業大学をはじめとした学生です。
細かい作業をする際に学内の照明環境に不満を覚えることがあり、照度計測と学生の行動観察をしたところ、同じように感じている人が多いことが明らかになったことから、これを改善できればと考えました。
【アピールポイント】
パーツが分かれ、組み立てて『連ねて』使うことができます。タイプは5タイプあり、キャンパス内で適材適所で活用することができます。
タイプは分かれてもパーツは同じであることから、デザインの統一感とコストダウンを狙いました。
【苦労した点】
5タイプとも同じパーツなので、各タイプの安定感やシルエットに支障が出ないようにデザインすることが難しかったです。
悩んだ際には橋田教授からアドバイスをいただきました。
【学んだこと】
プロダクトデザインばかりで設計から体験したことがなかったので、良い経験になりました。
照明業界に内定が決まっているので、今回の経験を活かせると思います。
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波が『連なる』ような、軽やかな印象のスツール

【作品名】
flex stool
【デザイン・製作】
藤本 優太さん(デザイン工学科4年)
 【特徴】
ポリプロピレンのシートを重ねることで、波をイメージさせる、軽やかな印象のスツールをデザインしました。見て楽しめる点がポイントです。
部品はひとつずつ交換できるので、長く使用することができます。
座部にはスエード生地を貼ることで、座り心地にも配慮しました。
【使ってほしい対象】
一人暮らしの方です。
部屋に置いた際に癒し効果を感じてもらえればと思います。
【苦労した点】
ポリプロピレンのシートを曲げる際に、手で曲げる以外に方法がなかったため、非常に力の要る作業になった点が大変でした。
曲がる角度は事前にCGモデルで計算して行いました。
【学んだこと】
オフィス系のインテリアデザイン職に内定しています。デザインから実現することの大変さを学んだので、デザインの際にそういったことも気を付けるようにしたいです。
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他作品の紹介
●右から安田さん、芳賀さん、望月さん、蒲さんの作品
△左から蒲 朋恵さん(デザイン工学科4年)、望月 満裕さん(デザイン工学科4年)、佐々木陸さん(機械工学専攻1年)、「次世代デザイン賞」を受賞した芳賀 鞠佳さん(デザイン工学科4年)「Wooden Dress」、APSDA賞を受賞した安田 泰弥さん(デザイン工学科4年)「かまくら」
●右から篠崎さん、本道さん、井村さんの作品
△左から井村 紗枝子さん(機械工学専攻1年)、本道 綾花さん(デザイン工学科4年)、「次世代デザイン賞」を受賞した篠崎 巧真さん(デザイン工学科4年)「Born Stool」

なお、「次世代を担うデザイン展2021」での展覧会は終了しましたが、芝浦キャンパス1階のギャラリーで2022年1月末まで作品を展示しています。
作品は入校しなくてもご覧いただけるように工夫しております。

皆様のお越しをお待ちしております。

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