しばうら人 橋本 章央さん(プレス工業株式会社)

2024/11/29
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関東学生連合チームで「箱根駅伝」に出場プレス工業に入社し、夢は「オリンピック」

現在、プレス工業株式会社(以下、「プレス工業」という)の陸上競技部に所属する橋本章央さん。芝浦工業大学在籍時には、環境問題に関する研究に取り組みながら、個人として「箱根駅伝」にも出場するなど、学業と陸上競技の両立に励んだ。卒業後は、プレス工業で働きつつ、実業団ランナーとして競技を継続。将来的にはマラソンでオリンピックに出場することを目指している。

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橋本 章央さん

プレス工業株式会社

システム理工学部 環境システム学科

2024年卒業

スポーツと学業の両立を目指して芝浦工業大学への進学を決断

陸上競技の長距離種目を始めたのは中学校の部活動からです。日々懸命に練習に取り組んでいましたが、当時はまだ実力が足りないと感じていました。中高一貫校に通っていたため、高校からはスポーツ推薦で入学してきた部員たちと共に練習するようになりました。東京都内でもトップクラスに強いチームで切磋琢磨する中で、私も次第に成長していきました。

高校3年生の時、高校の監督を通じて芝浦工業大学の駅伝プロジェクトについて知りました。当時は、一般受験で大学の理系学部に進学するか、スポーツ推薦で進学して陸上競技を本格的に続けるかで迷っていた時期だったため、陸上競技と理系分野の学業を両立できる芝浦工業大学への進学は私にとって非常に魅力的でした。

芝浦工業大学駅伝部の監督と相談し、システム理工学部に進むことを決意。駅伝部の部員はさいたま市の大宮キャンパス近くにある寮に住むため、1年次から4年次までを大宮キャンパスで過ごせるシステム理工学部は、陸上競技の練習と学業を両立させる上で理想的でした。また、分野横断型の学びを特長としている学部でもあり、グループ授業や演習科目を通して他学科の学生と関われるのも魅力的でした。私は、建築や都市設計、環境、エネルギーなど幅広く学ぶことができる「環境システム学科」を選択。中学生の頃から部活動を行う中で、年々厳しくなる夏の暑さを感じており、環境問題に関心があったからです。

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第55回全日本大学駅伝1区を出走

持続可能な社会を目指して省エネに関する卒業研究に挑戦

4年次から、低炭素で高効率なエネルギーシステムの設計を目指す「エネルギー・システム工学研究室」に所属して、エアコンの省エネ効果を調べる卒業研究に取り組みました。具体的には、駅伝部の学生寮の各部屋に、エアコンを遠隔操作できる装置やセンサーを設置して、室温を一定に保ったり、稼働を停止したりするシステムを構築。また、その際に省エネ努力を行う需要側にかかる負担も調査しました。持続可能なエネルギーシステムを構築するためには、エネルギーの供給側と需要側の双方の努力が不可欠。簡単には結論を出せないのが難しいところです。

環境システム学科では、建築からプログラミングまで幅広く学べる分、苦戦する分野もあり、特に建築分野の『製図』科目は苦労しました。製図は設計を図面に表現する技能で、これをもとに建築が進められていきます。そのため、ミリ単位の正確性が求められる上に、細部にわたる計算や表現が必要になるため作業量も膨大になります。課題に取り組んでいる期間は、陸上競技との両立が大変でしたが、幅広い学びが将来の役に立つと感じていました。

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第99回「箱根駅伝」5区で区間9位相当の快走

3年次に個人で「箱根駅伝」に出場そして、プレス工業へ

芝浦工業大学駅伝部は、創立100周年を迎える2027年までに「箱根駅伝」出場を目指しています。毎日の練習は、早朝と午後に実施。朝練習は6時に開始されるため、5時30分には起床し準備を始めます。1時間ほど集団走を行ってから、1限の授業に向かいます。午後の練習は、18時からスタート。週に2〜3度は負荷強度を高めたポイント練習を行い、土日祝日には、30km以上走るロング走を実施。これらのトレーニングを継続していくことで、レベルアップを図ります。

3年次には、第99回箱根駅伝に個人で出場しました。チームとしての出場は実現できなかったのですが、関東学生連合チームに選抜され、5区を走りました。5区は箱根駅伝を象徴する「山上り」があるコース。「箱根駅伝の5区を走る」という高校時代の恩師との約束を果たせてうれしかったです。家族や親戚からもたくさん応援をいただけて幸せでした。

箱根駅伝での走りを評価いただけたのか、プレス工業の陸上競技部からお誘いがあり、家族や監督と相談し、プレス工業に就職することを決意。実業団ランナーとして社会人生活をスタートすることを決めました。

そして4年次となり、私としては最後の箱根駅伝への挑戦。結果的に本大会への出場は叶いませんでしたが、チーム合計タイムは過去最高の10時間5014秒を記録。芝浦工業大学駅伝部の力が確実に進歩していることを実感しました。後輩には2027年までにチームとして「箱根駅伝」に出場できるように頑張ってほしいです。

夢はマラソンで「オリンピック」に出場すること

プレス工業での配属は、今年新設された労働部環境課になりました。この部署では、プレス工業が環境にやさしい「ものづくり」を推進し、持続可能で豊かな社会の発展に貢献するための支援を行います。具体的には、グループ会社全体からデータを収集し整理。目標に対して、どのようなアプローチを実行できるのかを考えます。まだ配属されたばかりで右も左も分かりませんが、上司の仕事を見ながら、少しずつ力になれるように頑張ります。

陸上競技部に所属しているため、日々の練習や合宿などを優先して社業に取り組んでいます。大学時代と異なるのは、お金をもらって走っているということ。まずは、応援される存在になれるように、陸上競技と社業の両面で誠実に取り組んでいきます。

将来的な目標は、「ニューイヤー駅伝」で活躍すること、そしてマラソンに挑戦し「オリンピック」に出場することです。仕事をしながらの挑戦は困難も多いと思いますが、学業と競技を両立できた芝浦工業大学での経験が、今後の私を支える大きな力になると信じています。

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(広報誌「芝浦」2024年秋号掲載)