小原沢 諒人さんが第66回 日本薬学会 関東支部大会で優秀口頭発表賞を受賞

【研究目的】
私の研究の目的は、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の候補となる化合物を見出すことです。現在、ウイルスが増殖するのに必要な酵素に対して阻害作用を示す可能性のある化合物を多数化学合成し、強い阻害活性を持つ化合物を探索しています。

 【研究内容】
コロナウイルスが体内で増殖するために必要不可欠な酵素である「3CLプロテアーゼ」の働きを阻害する可能性がある化合物を22種類合成しました。それらの3CLプロテアーゼに対する阻害作用を調べたところ、強力に阻害する化合物を発見しました。

【今後の展望】
今回見出した3CLプロテアーゼ阻害剤は、従来のペプチド様の化学構造を持つ化合物とは全く異なるため、体内への吸収や安定性の問題を大きく改善できる可能性があります。今後はさらに強い活性を持つ化合物の探索を行うと同時に、細胞に対する毒性の有無や、動物に対する効果についても検討する予定です。