勝海有紗さんがGEOMATE 2025にてBest Paper Awardを受賞
2025/11/18
- 社会基盤学専攻
受賞者
勝海 有紗 さん(社会基盤学専攻)
指導教員
稲積 真哉 教授(工学部)
学会・大会名
GEOMATE 2025 (The 15th International Conference on Geotechnique, Construction Materials and Environment)
賞名
Best Paper Award
発表題目
AI-Based Geotechnical Information Prediction and Liquefaction Hazard Mapping for the Tokyo Metropolitan Area(AI活用による地盤情報予測と東京圏の液状化ハザードマップ作成)

研究内容
本研究では、AIを用いた地盤情報予測と液状化ハザードマッピングの枠組みを構築し、東京都心部を対象としたリスク評価を試みました。13,926件のボーリングデータを基に、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、サポートベクターマシンを組み合わせた2段階スタッキングモデルを用いることで、未調査地点のN値・土質分類・地下水位を推定しました。さらに、この情報をPL法に適用し、200m×200mのハザードマップを作成した結果、既存の500mメッシュ公的マップと比較して空間的な分解能が向上し、特に埋立地が多い江東区などで高リスク領域をより詳細に把握できることが確認されました。
研究目的
本研究では、AIを用いた地盤情報予測と液状化ハザードマッピングの枠組みを構築し、東京都心部を対象としたリスク評価を試みました。13,926件のボーリングデータを基に、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、サポートベクターマシンを組み合わせた2段階スタッキングモデルを用いることで、未調査地点のN値・土質分類・地下水位を推定しました。さらに、この情報をPL法に適用し、200m×200mのハザードマップを作成した結果、既存の500mメッシュ公的マップと比較して空間的な分解能が向上し、特に埋立地が多い江東区などで高リスク領域をより詳細に把握できることが確認されました。
研究目的
本研究の目的は、地震リスクの高い大都市圏における液状化被害の低減に寄与し、都市のレジリエンス向上に役立てることにあります。従来の調査データが限られる状況においても、AIアンサンブル学習を用いることで地盤情報を効率的に活用し、未調査領域の予測精度を高めることを試みました。さらに、これらの推定結果を信頼性のあるPL法と組み合わせることで、都市規模でのより詳細なリスクマッピングが可能となり、インフラ計画や防災施策の検討における判断材料としての有用性が期待されます。こうしたデータ活用型の取り組みが、将来の安全で持続可能な都市づくりに向けた一助となればと考えています。
今後の展望
今後の展望
今後の展望として、本研究で示したAIを用いた液状化予測の枠組みは、都市防災におけるデジタル技術の活用をさらに広げる可能性があります。リアルタイムで取得される地盤情報の統合や深層学習の発展により、将来的には100mメッシュといった高い空間解像度での迅速なマッピングも視野に入ります。また、多様な土層構成や不飽和条件を考慮したモデル拡張により、さまざまな地域への適用性を高めていくことも期待されます。こうしたスケーラブルな技術を発展させることで、インフラの耐震設計や土地利用計画において、より確かな判断を支える基盤づくりに寄与できるものと考えています。国際標準化への展開も視野に、今後も地震リスクマネジメントの高度化に向けて取り組んでいきたいと考えています。