森田航平さんが第60回地盤工学研究発表会にて優秀論文発表者賞を受賞
2025/11/14
- 社会基盤学専攻
受賞者
森田 航平さん(社会基盤学専攻)
指導教員
稲積 真哉教授(工学部)
学会・大会名
第60回地盤工学研究発表会
賞名
優秀論文発表者賞
発表題目
建設発生土を利用した複合杭基礎構造の引抜き特性に関する数値解析および模型実験による評価

研究内容
本研究は、建設発生土の有効活用を目的とした新しい複合杭基礎構造の引抜き特性を評価したものである。円形鋼製部材内に羽根付き鋼管杭を挿入し、間隙に建設発生土を充填する構造を提案した。三次元弾塑性有限要素解析により144モデルを解析し、拡底翼径の増加に伴う引抜き力の変化を検討した結果、最適な拡底翼径が存在することを明らかにした。また、87ケースの模型試験により解析結果の妥当性を確認し、鋼製部材の凹凸構造が引抜き抵抗向上に有効であることを実証した。
研究目的
本研究は、建設発生土の有効活用を目的とした新しい複合杭基礎構造の引抜き特性を評価したものである。円形鋼製部材内に羽根付き鋼管杭を挿入し、間隙に建設発生土を充填する構造を提案した。三次元弾塑性有限要素解析により144モデルを解析し、拡底翼径の増加に伴う引抜き力の変化を検討した結果、最適な拡底翼径が存在することを明らかにした。また、87ケースの模型試験により解析結果の妥当性を確認し、鋼製部材の凹凸構造が引抜き抵抗向上に有効であることを実証した。
研究目的
本研究の目的は、建設発生土の有効活用を図ることである。建設副産物実態調査によると、建設発生土の有効利用率は79.8%、現場内利用率は54.3%にとどまっている。そこで、掘削時に設置した円形鋼製部材を地盤内に残存させ、その内部に羽根付き鋼管杭を挿入し、杭と鋼製部材の間隙に建設発生土を埋め戻す新たな複合杭基礎構造を提案し、その引抜き特性を評価することを目的としている。また、鉄塔や電波塔などの構造物は風荷重により引抜き力を受けるため、高い引抜き抵抗性能を有する基礎構造の開発が求められている。
今後の展望
今後の展望
本研究の今後の展望と課題として、まず、単一の複合杭基礎の解析にとどまらず、複数の複合杭上に構造物を配置し、風荷重や地震動などの動的外力を考慮した実際の条件に近い解析を行う必要がある。また、設計基準に基づく引抜き抵抗力を算出し、適切な複合杭基礎モデルの設計指針を確立することを目指している。 社会への貢献としては、建設発生土の有効利用率向上が期待される。本研究により、拡底翼付近の建設発生土の強度を高めることで引抜き抵抗力が向上することが示されたため、鋼製部材内の全ての建設発生土の強度を高める必要はなく、必要最小限の強度改良で材料使用量を削減できる。これにより、建設発生土の利用量を増加させることが可能となり、建設副産物の削減と資源の有効活用に貢献できると考えられる。