河田卓也准教授が日本流体力学会にて竜門賞を受賞
2025/10/24
- 工学部
受賞者
河田 卓也 准教授(工学部)
学会・大会名
日本流体力学会
賞名
竜門賞
発表題目
発表題目
壁乱流における非線形スケール相互作用におけるエネルギー輸送に関する研究
研究内容
乱流は様々な大きさ(スケール)の渦を伴う非常に複雑な流れで、スケールの異なる渦構造の相互作用による乱流の維持メカニズムの解明は物理・工学分野において非常に難しい問題の1つです。この研究では、「壁乱流」と呼ばれる壁面付近の乱流に対してユニークな解析手法を考案し、壁乱流においてどの様にスケールの異なる渦構造が相互作用することでエネルギーが輸送されいているかを明らかにしました。
研究目的
乱流は、空気や水といった流体の流れが非常に複雑に乱れた状態のことで、水道の蛇口からの水流や、走行する乗り物の周囲の気流等、私たちが日常生活で接する水や空気の流れのほとんどは乱流です。流れの乱流化は、摩擦抵抗や熱の伝達等を著しく増加させるので、乱流現象をより良く理解し、正確に予測・制御できるようになれば、私たちの身の回りの様々な工業機械のエネルギー効率を大きく改善することができます。しかし、乱流は様々な大きさ(スケール)の渦運動の発生を伴う非常に複雑な現象で、スケールの異なる渦構造同士がどの様に相互作用することで乱流が維持され、摩擦抵抗や熱伝達の促進が生じているのか、その根本的なメカニズムの解明は大きな課題です。この研究は、この様な乱流の維持メカニズムを調べることを目的とした研究です。
今後の展望
今後の展望
乱流現象に関する理解が進めば、空調設備等の様々な機器で用いられる熱交換器や、乗り物といった輸送機械等、私たちの身の回りの様々な工業機械のエネルギー効率を大きく改善することができます。さらに、次世代のエネルギー源として期待される核融合発電の実現においても、乱流の理解・制御は大きな役割を果たします。乱流の基礎的な性質を調べ、それにより得られる知識を活用して乱流の予測や制御を行う手法を構築していくことで、将来的にはエネルギー問題の解決に貢献していきたいと思っています。