大平和輝さんが測位航法学会・全国大会2025研究発表会にて学生最優秀研究発表賞を受賞

2025/10/23
  • 機能制御システム専攻
  

受賞者
大平 和輝さん(機能制御システム専攻)

指導教員
中川 雅史 教授(工学部)

学会・大会名

測位航法学会・全国大会2025研究発表会

賞名
学生最優秀研究発表賞

発表題目
都市河川における船舶搭載LiDARによるモデルベース物体認識
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研究内容
船舶に搭載したLiDARによるリアルタイム測域と動体認識の同時処理により、他船舶の自動回避を実現する船舶検出手法を提案しました。Fast Point Feature Histograms (FPFH)を用いた特徴量ベースマッチングによる初期姿勢推定と、Point-to-Plane ICPによる点群位置合わせを組み合わせることで、高精度なスキャンマッチングアルゴリズムを構築しました。スキャンマッチング後のスキャンに対して、形状モデルフィッティングを用いた物体認識を適用しクラスタの正確な位置情報を取得することで、高精度な動体認識が可能であることを確認しました。

研究目的
船舶搭載LiDARによるSLAMエラーを利用した動体認識により、他船舶の自動回避を実現する船舶検出手法を提案し、神田川・日本橋川といった都市河川環境での適用を行うことで、GNSSによる位置情報共有や深層学習を用いた画像処理といった船舶検出における従来手法と比較した提案手法の優位性を確認することを目的としました。

今後の展望
本研究の成果は、デジタルツイン基盤の実現のみならず、社会インフラの高度化・維持管理にも活用できる可能性を有しています。国内の社会インフラは高度経済成長期に建設された構造物が多く、老朽化が進行している土木構造物が増加していることが社会的課題です。また、災害が多いことも国内の特徴であり、緊急災害観測技術の重要性は年々高まっています。本研究に加えて、衛星観測や航空・UAV測量、地上レーザー測量、ウェアラブルデバイスなどを連携させた、多様な測量技術を組み合わせた手法を提案することで、これらの社会的課題の解決に貢献することが期待されます。