清水崇史さんが第26回フードサイエンスフォーラム学術集会にてベストプレゼンテーション銅賞を受賞

2025/09/25
  • システム理工学専攻

受賞者

清水 崇史 さん(システム理工学専攻)

指導教員
越阪部 奈緒美 教授(システム理工学部)

学会・大会名
第26回フードサイエンスフォーラム学術集会

賞名
ベストプレゼンテーション銅賞

発表題目
計算化学を用いた苦味受容体とポリフェノールの相互作用の検証【5】

 

shimizu

研究目的

苦味物質を感知する苦味受容体 (T2R)は味を感じる口腔だけでなく身体各所に発現しています。近年、このT2Rが食欲や血糖値の調節といった機能を有することが判明しつつあります。緑茶やチョコレートに豊富に含まれるポリフェノールの一部は強い苦味を呈し、T2Rを介して健康に寄与している可能性が見出されております。一方で、T2Rの構造はほとんど明らかになっていないことから、ポリフェノールとT2Rの分子間相互作用については不明な点が多いのが現状です。本研究ではコンピューターを用いたシミュレーションにより、その詳細な相互作用を推定することを目的としました。


研究内容

本研究では、苦味を呈するポリフェノールとT2Rの分子間相互作用をドッキングシミュレーションおよび分子動力学シミュレーションによって解析しました。結果として既知のリガンド (作動薬)よりも安定的にT2Rに結合する可能性のあるポリフェノールを数種類見出しました。

今後の展望

ポリフェノールはその分子構造によって、生体に与える影響や味が全く異なります。本研究のような分子レベルの解析により、これまで見えなかった相互作用を可視化し、ポリフェノールの生理効果や苦味認識のメカニズムを詳らかにすることができると考えます。