鶴原理司さんが日本フルードパワーシステム学会よりSMC高田賞を受賞

2025/07/15
  • 機能制御システム専攻
   

受賞者

鶴原 理司 さん(機能制御システム専攻

指導教員
伊藤 和寿 教授(システム理工学部)

学会・大会名
一般社団法人日本フルードパワーシステム学会

賞名
SMC高田賞

発表題目
Concurrent Learning に基づく水圧人工筋の線形近似モデルと適応変位制御
TSURUHARA-Satoshi-2
研究内容
水圧駆動人工筋は、水道水圧を作動流体として用いることから清浄度が高く、環境負荷の小さいアクチュエータである一方、高精度な位置決め制御の実現は容易ではありません。本研究では、制御系設計に用いる数学モデルを高精度に推定可能な新しい適応アルゴリズムを提案し、「実データとその条件」に着目したデータ駆動と従来のモデルベース駆動手法の融合により、設計工数を削減しつつ高精度な制御を実現可能な制御系設計手法の確立を目的としました。

研究目的
Concurrent Learningは、ある時間区間においてのみ制御対象の十分な特性データが獲得できればよいという緩和された条件の下で、数学モデルの真値パラメータを推定可能な手法として知られてます。本研究では、人工筋の線形近似モデルを導入し、制御弁への入力電圧および人工筋の変位情報から、モデル化できない動特性が存在する条件下においてもパラメータの真値近傍への収束を保証する手法へと改良し、これに基づく新たな適応制御系を提案しました。提案手法は、事前実験を必要とせず簡易なモデル構造のみを要求することから制御系設計の工数が低く、高精度かつ安全な制御系を達成可能であることを確認しました。

今後の展望
今後はより一層「実データの活用とその条件」という点に着目し、データ駆動、AI、制御理論の融合について研究を進めることで、より高精度かつ実用的な制御手法の開発と、水圧人工筋の応用範囲拡大へ貢献したいと考えています。