髙松直輝さんが WCSE 2025 にて Best Presentation Award を受賞

2025/07/10
  • 電気電子情報工学専攻
   

受賞者
髙松 直輝 さん(電気電子情報工学専攻)

指導教員
上岡 英史 教授(工学部)

学会・大会名

2025 the 15th International Workshop on Computer Science and Engineering (WCSE 2025)

賞名
Best Presentation Award

発表題目
Auditory Cues for Enhanced Code Structure Recognition by Visually Impaired Individuals
takamatsunaoki
研究内容
視覚障害のある人は、プログラムを音声で一行ずつ読み上げて理解します。しかし、この方法では条件分岐や繰り返しなどの「入れ子構造」が把握しづらく、コード全体の流れをつかみにくいという課題があります。 本研究では、構造の始まりと終わりに「ドアの開閉音」を入れ、階層構造を効果音で伝える手法を提案しました。特別な機器は不要で、既存環境への導入も容易です。評価実験で、理解の正確さや自信の向上が確認されました。

研究目的
プログラミング教育の重要性が世界的に高まる一方で、視覚障害のある生徒が十分に学べる環境は、いまだ整っていません。特に、コードの構造や流れを音声だけで把握することは非常に困難で、大きな学習の壁となっています。本研究では、視覚に頼らずプログラムの全体像を理解できる支援環境の構築を目指します。障害の有無にかかわらず、誰もが同じ教材を使い、同じ教室で学べる環境づくりに貢献することが目的です。

今後の展望
本技術が普及すれば、視覚障害のある人がプログラムの構造や流れを直感的に理解でき、学習や仕事の効率が大幅に向上します。専門的な支援がなくても自立して高度なプログラミング教育を受けられ、障害の有無にかかわらず誰もが同じ機会を得られる公平な環境の実現に寄与します。さらに、多様なユーザーのニーズに応じた柔軟な支援が可能となり、教育やIT業界全体のアクセシビリティ向上にもつながることが期待されます。