田中駿匡さんが軽金属学会第148回春季大会にて優秀ポスター発表賞を受賞
2025/06/30
- 材料工学専攻
受賞者
田中 駿匡 さん(材料工学専攻)
指導教員
芹澤 愛 教授(工学部)
学会・大会名
軽金属学会 第148回春季大会
賞名
発表題目
アルミニウム合金上に作製したAlO(OH)皮膜とエポキシ系接着剤の接着強度における皮膜表面因子の解明

研究内容
アルミニウム合金に水蒸気プロセスを施してAlO(OH)皮膜を形成させ、試料同士を接着して引張試験を実施した結果、処理前よりも接着強度が向上することがわかりました。また、同試料では表面粗さの増加に加えて、親水性も向上していたことから、接着剤との物理的な引っ掛かりである「アンカー効果」と、接着剤との化学結合力である「水素結合量」の増加が接着強度の向上に寄与していることが示唆されました。
研究目的
研究目的
近年、温室効果ガス排出削減や燃費向上を背景に、輸送機器の軽量化が推進され、異種材料を組み合わせたマルチマテリアル化が進展しています。中でもアルミニウム合金は高強度かつ軽量であるためボディ材として注目されていますが、異種材料との接着性に課題があります。そこで私たちは、アルミニウム合金に水蒸気プロセスという表面処理を施し、ブロック状のAlO(OH)結晶を形成させることで接着強度の向上を図りました。
今後の展望
今後の展望
自動車のドアパネルの軽量化などへの応用を目指しています。また、航空機分野においても、胴体外板とストリンガーの接着接合部への応用が期待されます。現在は、接着強度をさらに高めることを目的に、よりミクロな視点から皮膜の接着特性因子の解明に取り組んでいます。