根津綾杜さんが第64回日本生体医工学会大会にてYoung Investigator's Award 優秀賞を受賞

2025/06/27
  • システム理工学専攻
   

受賞者
根津 綾杜 さん(理工学研究科 システム理工学専攻)

指導教員

渡邉 宣夫 教授(システム理工学部)
迫田 大輔 教授(産業技術総合研究所,連携大学院教授)

学会名
第64回日本生体医工学会大会

賞名
Young Investigator's Award 優秀賞
NETSU-Ayato
発表題目
小児用補助人工心臓「EXCOR」の安全な長期使用を支援する血栓形成監視システムの開発

研究内容
カメラ・可視光のみを用いて、EXCOR血液ポンプ内の血栓形成位置に加え、その厚さまで推定可能とする3次元的な血栓形成監視システムを開発しました。血栓形成に伴う血液ポンプ内壁近傍の血流の光学変化をイメージングすることで、血栓形成位置を可視化し、さらにその光イメージングの結果を流体力学理論・生体組織光学理論と整合させることで、イメージング奥行き方向の血栓厚さまで推定可能にしました。

研究目的
重症心不全患者の心臓移植までの橋渡しとして、心臓の働きを補助する補助人工心臓が用いられますが、11歳未満の小児に臨床使用が認められている補助人工心臓はBerlin Heart社の体外設置型「EXCOR Pediatric」のみです。世界で唯一の小児用補助人工心臓として数々の子どもたちの命を救っているEXCORですが、血液ポンプ内の血栓形成が課題となっています。現状、臨床においてEXCORの血栓管理は、医療従事者による定期的な肉眼観察で行われていますが、見逃しのリスクや医療従事者の負担にもなります。そこで本研究では、血栓の非侵襲常時監視システムの開発を目的としました。

今後の展望
上記の血栓検出は、安価・低フレームレートカメラでも可能であるため、超小型カメラを用いた血栓監視デバイスを開発し、最終的には病院での臨床使用を目指しています。