久保田優希さんが日本薬学会第145年会にて学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞

2025/05/16
  • システム理工学専攻

受賞者
久保田 優希 さん(システム理工学専攻 2年)

指導教員
廣田 佳久 准教授(システム理工学部)

大会名

日本薬学会第145年会

賞名
学生優秀発表賞(ポスター発表の部)

発表題目

ビタミンK依存性γカルボキシラーゼに近接するタンパク質の包括的な同定法
kubota
 

研究内容
ビタミンK依存性γカルボキシラーゼ(GGCX)に近接するタンパク質を包括的に探索するためにビオチン標識法を検討したところ、近接タンパク質を特異的に検出することに成功しました。さらに、得られた標識タンパク質を質量分析により包括的に解析する手法を確立しました。

研究目的
GGCXは、ビタミンKを補因子としてビタミンK依存性タンパク質(VKDP)を活性化する酵素です。私たちも含めた複数のグループの研究から、GGCXが血液や骨をはじめとする様々な組織の健康や疾患に重要であることが明らかになりつつあります。しかし、GGCXの機能を調節するタンパク質(共役因子)やVKDPの解析は十分に進んでおらず、GGCXの作用メカニズムには解明されていないことが依然として多くあります。そこで本研究では、新たな共役因子およびVKDPの探索を目指して、GGCXに近接するタンパク質を包括的に探索する手法の検討を行いました。

今後の展望
本研究より、ビオチン標識法はGGCXに近接するタンパク質の探索に有効であることが示されました。今後は確立した手法を活用して、GGCXに近接するタンパク質の包括的な探索を進め、GGCXの作用メカニズムの解明に貢献していきたいと考えています。GGCXの作用メカニズムを明らかにすることは、VKDPの活性化機構の理解を深めるとともに、ビタミンK関連疾患に対する予防・治療法の開発を目指した臨床応用研究の重要な基盤となることが期待されます。