茂手木信さんが軽金属学会関東支部第9回若手ポスター発表にて優秀ポスター賞を受賞
2024/11/25
- 材料工学専攻
研究目的
アルミニウム合金は局所的な腐食に弱く、製品に使用する際は防食処理を必要とします。芹澤研究室では、新しい防食処理技術である水蒸気プロセスについて研究しています。この処理は、アルミニウム合金を耐圧容器内で飽和水蒸気圧下に曝すことで水酸化物の耐食性皮膜を作製する処理であり、水のみで耐食性皮膜を作製することができるため、従来の表面処理よりも環境負荷が小さい利点があります。本研究ではアルミニウム合金基材に水蒸気プロセスを施し、作製した皮膜と基材の断面を観察することで皮膜の結晶構造と、水蒸気プロセスがアルミニウム合金内の添加元素の分布に及ぼす影響を明らかにすることを目的として研究を行っています。
研究内容
透過型電子顕微鏡を使って皮膜を観察したところ、皮膜が二層に分かれていることを確認しました。また、皮膜が二層とも結晶粒によって構成されている様子が観察されました。
今後の展望
今回観察した皮膜は耐食性や機械的性質において優れた特性を持っていることが既に研究から分かっているため、皮膜の結晶構造や成長過程を解析することで優れた特性が何を要因としているのかを明らかにし、環境に配慮した新しい皮膜として確立したいと考えています。