神田慶吾さんが第52回結晶成長国内会議にて学生ポスター賞を受賞
2024/11/25
- 材料工学専攻
研究目的
近年クリーンエネルギーとして注目されている水素燃料は、水を電気分解することで工業的に合成されていますが、この反応には理論的な電圧よりも高い電圧をかける必要があるため、通常は触媒を電極に塗布して分解電圧を下げています。しかし、現在用いられている触媒材料には、ルテチウムなどの高価な貴金属類が使用されている為、私は複合鉄酸化物触媒CaFe2O4に注目しました。この触媒はCaやFeなどの安価な元素で合成でき、さらに触媒の性能も従来の貴金属を用いたものよりも高い為、水電解用触媒としての応用が期待されています。また、この触媒は24 hほどの焼成を行うゾル―ゲル法での合成が主流となっていますが、目的物質の微結晶をより短時間で合成するために、水熱合成時に10から20 MPaの加圧を加える加圧式水熱合成法という手法を用いて合成し、通常の水熱合成法で作製したものと比較を行いながら評価をしました。
研究内容
加圧式水熱合成法を用いて作製したCaFe2O4の結晶構造と触媒特性を評価した結果、特定の処理条件のもとで結晶形態が変化し、それにともなう比表面積と触媒特性との相関を確認することができました。
今後の展望
本研究では、水素製造触媒を用途とした場合のCaFe2O4の結晶形態をより良く改良することで、将来的にクリーンエネルギーである水素燃料を製造する際の電力エネルギーかつ安価で製造できることが期待されます。