澁谷優里佳さんが令和6年度医工連携イノベーション推進事業 第4回ヘルステック・デバイス・フォーラムにて優秀賞を受賞
2024/08/28
- システム理工学専攻
マクロファージには、炎症性の表現型と抗炎症性の表現型の2つが存在します。両者を識別することは、生体適合性の高い生体材料の開発や、がんの新規治療開発の分野で必要である。従来の識別方法では、細胞を殺してしまうことが必要であり、コストも大きいため、我々はホログラフィック顕微鏡とAIを活用して、従来の課題を解決できる新しい表現型識別手法を開発することを目的としました。
研究内容
我々は、細胞の形や運動性のデータに基づいてAIが自動で細胞の状態を識別する新しいシステムを開発することに成功しました。このシステムは、マクロファージ表現型の識別に加えて、細胞分化の識別にも有用であることが明らかになったため、他にもあらゆる細胞の状態の識別や検出に有用である可能性があります。
今後の展望
我々の手法によって、従来の方法では不可能であった、細胞を生きたまま評価することが可能になりました。また評価にかかるコストを削減することが可能になりました。したがって本手法は特に、大量の細胞状態を評価することが求められる薬剤のスクリーニング検査や、基礎研究の効率化に有効であると考えています。