ZHU ZHENGLU さんが ICCEPM 2024 にて Runner-up Awards を受賞
2024/08/19
- 建築学部
本研究では、設計段階で作成されたBIMモデルから、遺伝的アルゴリズムを用いて躯体プレキャストコンクリートの最適な分割計画を自動的に導き出す手法を提案する。
研究内容
日本の躯体プレキャストコンクリート工法(PCa)では、柱の上部と梁の端部を一体化した部材を使用することや、パネルゾーンを現場打ちコンクリートとするなど、通常のビルディングエレメントとは異なる分割単位で構造体を構成することが一般的である。施工と異なる分割単位の柱や梁で構成される設計 BIM モデルからは、施工計画に必要な情報を直接算出することが難しい。本研究では、「パネルゾーン」という概念をモデリング化し、パネルゾーン範囲をパラメトリック的に変更することで、「部位」としての柱や梁を分解・結合し、「PCa 製品」としてのパネルゾーン・柱・梁で構成される構法 BIM モデルを表現する手法を提案した。一方、ゼネコンに対してインタビューやアンケート調査を実施することで、柱梁 PCa 部材の設計・計画に関連する要因を分析し、柱梁分割案の評価メカニズムを考案した。これらの研究結果に基づいて、本研究では、遺伝的アルゴリズムを用いて BIM による躯体 PCa 構工法計画手法を開発した。この手法を用いれば、設計の早い段階で施工合理性が考慮した躯体分割計画の支援が可能となり、技術的解決策を提供する
今後の展望
● 実プロジェクトで提案した手法の効果を検証する。
● 柱梁以外の他の構造部材にも同様の手法を適用する。
● 他の遺伝的アルゴリズムやそれ以外の最適化手法との比較研究を行う。