吉見靖男教授がMIP2024: The 12th International Conference on Molecular Imprinting にて Prize for the best poster at MIP2024を受賞

2024/07/11
  • 工学部

受賞者
吉見 靖男 教授(工学部)

学会・大会名
MIP2024: The 12th International Conference on Molecular Imprinting
(2024年6月18-21日 イタリア ベローナ)

賞名
Prize for the best poster at MIP2024

発表題目
Imaging of Neurotransmitter Secretion in Living Microbrain Probed by Fluorescent Molecularly Imprinted Nanoparticles
(蛍光分子インプリントナノ粒子をプローブとした生体微小脳内神経伝達物質分泌のイメージング)

Yasuo-Award
▲Kenneth J. Shea カリフォルニア大学アーバイン校名誉教授(左)と吉見教授

研究目的

脳の情報処理は、神経細胞間を拡散移動する伝達物質に担われています。脳の活動と、関与する神経伝達物質の種類、放出される場所、そのタイミングがわかる技術があれば、脳の活動原理がわかるはずですが、そのような技術はまだ開発されていません。分子インプリント法は特定分子の構造をプラスチックに簡単な手順で記憶させる方法です。この方法を使えば、脳内の伝達物質の挙動をイメージングすることが可能になることを実証しようと思いました。


研究内容

神経伝達物質セロトニンを捕まえると蛍光強度が強くなる粒子を分子インプリント法で合成しました。この粒子をアメフラシ脳内の神経細胞に吸着させると、好きな味覚を感じている時と、嫌いな味覚を感じている時とで、セロトニンを放出する場所とタイミングが異なることを見つけました。

今後の展望

アメフラシは哺乳類などに比べると単純な構造の脳を持っていますが、結構賢くて、例えば都合の良い情報よりも、悪い情報を先んじて処理します。この脳の働きをイメージングで読めれば、動物特有の危機管理のメカニズムがわかるのではと思います。