髙松直輝さんが2024 the 14th International Workshop on Computer Science and Engineering にて Best Presentation Awardを受賞

2024/07/08
  • 電気電子情報工学専攻

受賞者
髙松 直輝さん(電気電子情報工学専攻 1年)

指導教員
上岡 英史 教授(情報通信工学科)

学会・大会名
2024 the 14th International Workshop on Computer Science and Engineering (WCSE 2024)

賞名
Best Presentation Award

発表題目
Computer Programming Education System for Visually Impaired Individuals (視覚障碍者のためのコンピュータプログラミング教育システム)

takamatsu
研究目的
プログラミング教材の多くは、視覚障碍者への配慮が不足しています。そのため、目の見えない生徒たちは同級生と一緒に授業を受ける事が出来ず、教育現場で隔離されてしまっている現状があります。私の研究では、目の見える人・見えない人が共にプログラミングを学べる平等な教育環境の実現を目指しています。

研究内容
プログラミング言語の種類は大きく分けて二つあります。一つは教育用途に特化した「ブロック型言語」、もう一つは実用性に長けた「テキスト型言語」です。初心者に優しいのはブロック型言語の方ですが、視覚障碍者にとっての操作性はテキスト型言語の方が優れています。そのため、初心者で、なおかつ視覚に障碍を持っている人にとっては、どちらの言語を選んでも困難が生じるという問題がありました。
この問題を解決するために、私の研究では、二つの言語の長所を組み合わせた新たなプログラミング教育システムを開発しました。更に、ブロック型言語で書かれたプログラムを対話型AIに解説させる事で、視覚障碍者の負担を軽減する手法を提案しています。
提案した手法を評価するために、既存のプログラミング教育システムとの比較実験を行いました。その結果、本研究のシステムを用いる事で、目の見えない人がプログラムの作成に要する時間を半分以下にまで短縮できる事を示しました。

今後の展望
ブロック型言語は初心者への教育用途に向いている一方、実際のソフトウェア開発に用いられる事はほとんどありません。そのため、学習の流れとしては、まずブロック型言語でプログラミングの基礎を学び、次にテキスト型言語へ移行していくという事が一般的になっています。しかし、視覚障碍者にとって、この移行は容易な事ではありません。今後はシステムを更に発展させ、目の見えない生徒がテキスト型言語へ移行するまでを包括的に支援する事を目指していきます。

code-transparent▲実験参加者がシステム上で作成したプログラム