尾崎克久教授(数理科学科)が2023年日本応用数理学会研究部会連合発表会にて優秀講演賞を受賞

2024/07/01
  • 数理科学科

受賞者
尾崎 克久 教授(数理科学科)

学会・大会名
2023年日本応用数理学会研究部会連合発表会

賞名
優秀講演賞

発表題目
正規化されていない疑似高精度計算の設計と精度維持のための手法について

ozaki

研究目的

コンピュータを用いた数値計算では、丸め誤差の影響により期待される精度の近似解が得られないことがあります。ユーザを丸め誤差の心配から解放するために、高信頼な計算法を提案することが本研究の目的です。


研究内容

計算機を使用した数値計算では、32ビットや64ビットなどの有限の情報を用いて計算が行われます。この情報量を2倍、3倍、4倍にした加算、乗算、除算、平方根を計算する新しいアルゴリズムを提案しました。また、精度の劣化をなるべく避けるための工夫についても同時に提案しました。

今後の展望

科学技術計算を行う上で、加算、乗算、除算、平方根はあらゆるところに現れます。したがって、今回提案した手法は、数値計算の信頼性を向上させたい多くの人々に役立つことができます。一方で、ユーザがより使いやすい形でコードを世の中に提供することも重要です。そのため、共同研究者とともにライブラリ化を進めています。また、幅広く応用される特定の問題に対しては、当研究室の大学院生と協働でより効率的な手法の開発に挑んでいます。