古殿幸祐さんが軽金属学会第145回秋期大会にて優秀ポスター発表賞を受賞

2024/01/19
  • 材料工学専攻

受賞者
古殿 幸祐 さん(材料工学専攻 1年)

指導教員
石﨑 貴裕 教授(材料工学科)

学会・大会名
軽金属学会第145回秋期大会

賞名
優秀ポスター発表賞

発表題目
Al-Zn-Mg合金上への蒸気コーティング法を用いた耐食性を有する層状複水酸化物含有皮膜の作製と評価

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研究目的

自動車や航空機の車体軽量化のため、アルミニウムに亜鉛やマグネシウムを添加したAl-Zn-Mg系合金が注目されています。従来、アルミニウムの耐食性向上のため、化成処理と呼ばれる表面処理が行われていますが、化成処理で用いる化学薬品の環境負荷が大きく、課題となっています。化成処理の代替プロセスとして、我々の研究室では、蒸気コーティング法を提案しています。蒸気コーティング法は、密閉容器内で水蒸気と金属表面の反応により、耐食性を有するアルミニウムの水酸化物皮膜を形成するプロセスです。本プロセスは、水のみを使用する低環境負荷なプロセスとして注目されています。しかし、本プロセスでは従来の表面処理法と比べ、処理時間が長いことが課題となっており、処理時間の短縮が求められています。この問題を解決するために、腐食性物質である塩素イオンを吸着するMg-Al系層状複水酸化物を皮膜に含有させることで、短い処理時間で高い耐食性を得ることを試みました。

 
研究内容

Al-Zn-Mg合金に対し、Mg源溶液を基材に滴下し蒸気コーティングを行うことでAlの水酸化物皮膜とMg-Al系層状複水酸化物の複合皮膜を作製しました。結果的として、複合皮膜の作製に成功し、耐食性向上に成功しました。

 
今後の展望

蒸気コーティング法は、環境負荷が低いことから新たな表面処理法として期待されています。本プロセスの処理時間短縮のため、層状複水酸化物の形成を促進するような触媒を探索していこうと考えています。