中尾晃揮さんが第58回地盤工学研究発表会にて優秀論文発表者賞を受賞
2023/11/07
- 理工学研究科
- 地域環境システム専攻
【研究背景・目的】
日本は地震や津波、豪雨による洪水など、様々な災害の脅威に晒されている災害大国である。それに加え、主として粘土やシルトのような微細な粒子で構成された軟弱地盤が多数存在し、特に都市臨海部においては、液状化現象などの地盤災害による大きな被害が発生している。このような被害を抑えるために様々な地盤改良工事が行われている。しかし、地盤改良工事は施工中の地盤内部状況を確認しながらの施工が困難であり、経験則による評価となってしまう。そこで本研究は、地盤改良工事をコンピュータシミュレーションによって可視化することで、品質や性能の評価を可視的・可測的に行うことを目的とした。
【研究内容】
本研究では、数値解析手法である粒子法を用いて、地盤改良工法の一種である相対攪拌式深層混合処理工法のシミュレーション解析を実施した。貫入から攪拌、引抜の一連の施工過程を 3D モデルで再現し、施工中の地盤内状況や改良体品質を可視的・可測的に表現した。その結果、相対攪拌式深層混合処理工法の各施工過程における攪拌性能を定量的に評価することに成功した。
【今後の展望】
対象地盤や攪拌翼等の解析条件を変更することで、さらに多くの施工状況に応じてシミュレーション解析を実施することが可能である。地盤改良工事の可視化は、施工の効率化や品質、経済性の向上、さらには施工技術や変位に関する新たな研究の開発に寄与すると考えられるため、今後も更なる検討が必要と考える。
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