川崎公輝さんが水文水資源学会/日本水文科学会2023年度研究発表会にて優秀発表賞を受賞
- 社会基盤学専攻
【受賞者】
川崎 公輝さん(理工学研究科 社会基盤学専攻2年)
【指導教員】
平林 由希子 教授(理工学研究科 社会基盤学専攻)
【学会・大会名】
水文水資源学会/日本水文科学会 2023年度研究発表会
【賞名】
優秀発表賞
【発表題目】
関東平野・濃尾平野における人間活動と導水路網を考慮した水ストレス評価
【研究目的】
気候変動による水リスクを定量的に評価するには、水資源量の適切なモデル化が必要になります。適切なモデル化には人間活動による流域を越えた取水(灌漑導水路)を考慮する必要があります。これまでの研究では流域外からの長距離導水や水資源利用をモデル化するための灌漑導水路網データが未整備でした。そこで本研究では、灌漑導水路網データを日本全国で作成し、モデルで考慮することで灌漑による水ストレスの軽減効果を定量的に評価しました。
【研究内容】
本研究では、全球水資源モデルH08(世界の水資源問題に関するコンピュータシミュレーションを実行するためのソフトウエア)を使用し日本域1分(約2km)解像度で実験を行いました。また、日本全域の灌漑導水路データを作成しました。作成した灌漑導水路網データから灌漑導水路網は日本の陸域グリッド数の約16%に存在していることが明らかになりました。灌漑導水路網を考慮したことで沿岸部の平野などの小規模な流域でも流域を越えて取水することが可能になりました。
【今後の展望】
地球温暖化が進むなか、今使えている水が今後も同じ場所で同じように使えるとは限りません。本研究を将来予測と組み合わせることで、将来的に水リスクが高くなる地域を見出すことにも役立てられると考えます。
今後は本研究で明らかになった課題でもある農業用水需要量の過大評価に取り組むことや対象領域を全国に拡大することでより詳細な評価を行います。今回の受賞を励みにさらなる研究の発展に精進してまいります。
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