建築学科の佐藤香寿実特任講師が渋沢・クローデル賞を受賞

2023/07/25
  • 建築学部
【受賞者】
佐藤 香寿実 特任講師(建築学科)

【学会・大会名】
渋沢・クローデル賞(公益財団法人日仏会館)
https://www.mfjtokyo.or.jp/shibukuro.html

賞名】
奨励賞

【作品】

『承認のライシテとムスリムの場所づくり―「辺境の街」ストラスブールの実践』(人文書院、2023

表彰状を持った写真
【受賞コメント】

渋沢栄一とポール・クローデル、日仏会館の創立者2人の名を冠したこの賞は、日仏両国において、それぞれ相手国の文化に関してなされたすぐれた研究成果に対して贈られる学術賞です。このような栄誉ある賞を賜り、身の引き締まる思いがします。受賞した著書は、フランスのライシテ(政教分離、非宗教性)原則の例外的規定が存続するアルザス・モゼル地方、とりわけストラスブール市に着目し、「ムスリムのための場所生成がどのように行われているか」という観点から、モスクやムスリム公共墓地の建設、そして宗教間対話といった具体的実践の展開を記述・分析したものです。日本学術振興会の研究成果公開促進費の助成を受けて、20232月に人文書院から出版されました。出版に際しては、研究推進室の皆様をはじめとし、多くの大学関係者のご協力をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。
今後は、他都市での取り組みとの比較研究や、ムスリム・コミュニティ内部の多様性への着目を通じて、より一層研究を深化させていく所存です。

受賞記念講演の様子.JPG

日仏会館で行われた受賞記念講演

表彰式にて.JPG

表彰式

■本著作について

『承認のライシテとムスリムの場所づくり―「辺境の街」ストラスブールの実践』
(佐藤香寿実 著、人文書院、2023
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b617456.html

<内容説明>
ローカルな取り組みから、ライシテの普遍主義を問う

フランス共和主義と政教分離の原則「ライシテ」とイスラームをめぐる現況を概観しつつ、国境の街ストラスブールにおける大モスクとムスリム公共墓地の建設、行政主導の「宗教間対話」等の具体的な事例を分析。政府による介入の緊張を孕みながらも、「ヨーロッパにおけるイスラーム」がどのように誕生し、いかにその場所に息づいているのか。混淆の現場から、新たなヨーロッパの息吹を活写する。

「宗教間対話は、暴力やテロリズム、他者に対する拒絶といった、社会を分裂させるような種々の態度に対するアンチテーゼとして機能する。」
「――共生は、維持しなければならないものであり、日々の戦いである。われわれは決してやめることはできない」(本書より)

書籍の表紙データ

 

 

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