カリキュラム

最先端の機械工学とサイエンスの
融合教育による独創的価値の獲得

機械工学の専門知識と技術、AIの基礎となるデータサイエンスと情報処理等を、システム工学と共に修得。その後、システムダイナミクス、システムデザイン、エネルギー・環境の各領域の高度な専門技術を学びます。研究分野は、システムデザイン、工業デザイン、音楽、宇宙、ロボット、自動運転、農業、クリーンエネルギーなど。いずれも、システムオブシステムズの世界で活躍できる幅広い視野と機械工学の技術を持って世界で活躍できる人材を輩出しています。

1年次 機械工学の基礎とデータサイエンス等を修得する

●主な科目
機械力学/材料力学/機構学/加工工学/機械工学実習/Robotics Overview/情報処理I及び演習I(データサイエンス)/創る/情報処理Ⅱ及び演習Ⅱ

2年次 基礎科目と体験科目で幅広い知識を修得する

●主な科目
システム工学A・B /制御工学/振動工学/流れ学/熱力学/機械システム基礎数学/機械材料/基礎製図/設計製図/デザインエルゴノミクス/ものづくり工学/メカトロニクス/Introduction to Industrial Design

3年次 先端技術に関連する科目で専門性を高める

●主な科目
機械工学実験I・Ⅱ/ロボティクス/自動車工学/工業デザイン演習/応用設計及び演習/創生設計及び演習/伝熱工学/線形システム制御/Engineering PracticeⅡ

4年次 研究室に所属して卒業研究を行う


授業紹介

機械制御システム①
情報処理 I 及び演習 I(データサイエンス)
Minecraft 環境で Python を学びます。AI・データサイエンス の基本的な原理と技術、流れが体験できます。自動で建物を建 てるための方法、ブロック配置を考えているところです。
機械制御システム②
設計製図
機構学、加工工学、力学などで修得した知識を基に、複数の部品から構成される機械装置の設計を実際に行い、機械工学実習、基礎製図などの知識を基に、設計できる力を身につけます。
機械制御システム③
創生設計
製品開発の上流設計プロセスを学びます。感性価値創出、リバースエンジ ニアリング、品質機能展開を経て 3D モデルをアクティブラーニングで創り ます。この企画を中小企業と協働で、プロトタイプを製作しているところです。


研究テーマ例

月面探査ローバの移動機構及び車輪に関する研究
宇宙探査・テラ-メカトロニクス研究室:飯塚 浩二郎 教授

探査ローバは月表面上の軟弱地盤(レゴリス)を移動する際、滑りと沈下による走行不能状態に陥りやすいです。無人探査ローバの走行不能は、ミッションそのものに大きな影響を与えてしまいます。そこで当研究では、ローバの車輪と軟弱地盤の接触状態を深く観察し、移動機構や車輪形状に着目した高い走破性を持つローバの開発や走行不能状態からの脱出機構に関する研究に取り組んでいます。
月面探索ローバの移動機構及び車輪に関する研究1さまざまなアイディアのもと月面探査ローバの開発や実験が行われています
月面探索ローバの移動機構及び車輪に関する研究2月面環境や災害環境において利用するための車輪を製作し、その計測や実験が行われています

海外との活動事例

創生設計演習(ハノイ理工科大学とのグローバル・プロジェクト)
運転支援システム・最適システムデザイン・デジタルエンジニアリング研究室× ベトナム/ハノイ理工科大学

ハノイ工科大学の学生との混成チームで、課題テーマの構想・企画からCADを使った開発設計までベトナムのハノイ理工科大学現地で行い、更に現地で材料を調達し工作機械を使用した製作も実施しました。学生同士のコミュニケーションから発表まで全て英語で行い、グローバルなものづくりとコミュニケーション能力を修得しました。
創生設計演習(ハノイ理工科大学とのグローバル・プロジェクト)1
創生設計演習(ハノイ理工科大学とのグローバル・プロジェクト)2

卒業研究の例

運転動作の変化を計測して渋滞を予測する新しい手法

ドライバが無意識に周囲の交通状況で運転の仕方を変化させていることに着目。ドライバの運転変化から、この後に発生する交通渋滞を予測する手法を研究しています。ドライバの運転挙動をドライビングシミュレータで計測し、その結果をニューラルネットワークで機械学習。周囲の交通状況を推定して渋滞の発生を予測しています。
運転動作の変化を計測して渋滞を予測する新しい手法
この研究の応用先
従来の渋滞予測は、道路側に設置されたインフラ設備で自動車の台数を計測して各自動車に送信していますが、受信装置のない車には使えず、設備のない道路の状況はわかりません。しかし、この研究は、自動車単独で渋滞の発生を予測する手法のため、今まで使えなかった車や地域でも渋滞予測ができるようになり、誰でも渋滞を回避することができるようになります。

直接エタノール形燃料電池の発電性能の評価

直接エタノール形燃料電池は、エタノールを電気化学的に二酸化炭素と水に分解する過程から電力を得る発電装置です。アノード(=マイナス電極)での酸化反応を効率よく進めるための触媒として適切な物質が見つかっておらず、低い発電性能に留まっているのが現状です。そこで、この壁を打破することを目標とし、最適な触媒を見いだすための実験に取り組んでいます。
直接エタノール形燃料電池の発電性能の評価
この研究の応用先
エタノールは、バイオマス(=生物資源)から製造できますので、石油などの化石燃料を使用しない電力供給を実現するオプションの一つと考えられます。比較的安全な液体燃料であるエタノールは、貯蔵や運搬が容易であるため、常温でエタノールから効率よく直接電力を取り出すことができれば、バッテリーに代わるモバイル型電力供給デバイスとしての応用が可能です。