カリキュラム

基礎科学とシステム工学の手法を使える
「数理エンジニア」を育成

​1 年次は少人数による導入ゼミ「基礎数理セミナー」と、システム理工学部の特長的な科目「創る」を 配置。その後、数学の根幹に当たる科目から、より高度な数学理論とその応用を学ぶ科目へと発展させ、 さらなる論理的な思考能力を育んでいきます。3 年次後期「数理科学セミナー」から各研究室による指 導を密に受け、4 年次「総合研究 I・II」では学部教育の集大成として総合研究論文を執筆し、各自の成 果について最終発表を行います。

1年次 学科共通の基礎科目を学ぶ

●主な科目
基礎数理セミナー/微分積分学 I・Ⅱ/線形代数 I・ Ⅱ/一般力学 I・Ⅱ/情報処理 I・Ⅱ/解析基礎/数 学基礎/創る/微分方程式/情報処理演習 I・Ⅱ/ 国際数理科学実習 I・Ⅱ

2年次 めざす方向別の履修モデルに沿って学ぶ

●主な科目
システム工学 A・B /解析学 I・Ⅱ/数値解析 I・II / 確率統計/代数学 I・II /幾何学 I・Ⅱ/現象の数理 /関数方程式論/プログラミング演習/多変量解析 /計算理論/数理計画法

3年次 さらなる専門知識の修得をめざす

●主な科目
数理科学セミナー/解析学Ⅲ/代数学Ⅲ/幾何学Ⅲ /関数解析/確率統計学特論/シミュレーション/ 計算機代数/金融・保険数理/制御理論基礎/数 理科学特論 A・B・C・D

4年次 研究室に所属して卒業研究を行う


授業紹介

数理科学①
基礎数理セミナー
大学で数学を学ぶうえで必要となる基本的な知識・論法を身につけるためのゼミです。研究室に所属し、担当教員による少人数教育で、すべての数学分野に共通する基礎知識を修得します。
数理科学②
幾何学I
現代の幾何学における重要な概念である「多様体」を理解するための準備として、まず曲線・曲面の曲率について学び、位相空間論の初歩(位相空間の抽象的な定義)についても学びます。
数理科学③
金融・保険数理
金融機関や保険会社で確率論や統計学などの数理的手法を駆使して業務を行う「クオンツ」や「アクチュアリー」。これらの業務内容を学び、業務に必要となる数学の基礎を修得します。


学生の声

Q この学科を選んだ理由と学科の魅力は?
高度な数学理論を応用し、高速道路の渋滞をシミュレーションする研究室があることを知り、「このように数学を活用するんだ」という驚きとともに、数理科学を学びたい気持ちが高まりました。

Q 印象に残っている授業は?

「創る」はシステム理工学部全5学科共通の選択科目です。グループワークを基本に行われますが、特に印象的だったのは、「We Are The World」という楽曲を自分たちなりにアレンジして歌ってみようという課題。この授業により、柔軟な発想力が育まれたと思います。
荻野裕季荻野 裕季
数理科学科 4年
数値解析研究室
しののめ信用金庫 内定
群馬県高崎市立 高崎経済大学附属高等学校 出身
Q この学科を選んだ理由と学科の魅力は?
算数や数学が好きだったので数字を使った学問を学び、将来の仕事に役立てたいと考えました。入学前は紙と鉛筆で計算をしていたので、当初はパソコンを活用した授業に戸惑いもありました。しかし、授業を通してさまざまな数値計算ソフトの扱いにも慣れ、デジタルを活用した新しい技術を研究する夢が広がりました。

Q 将来の目標は?
IT系の企業に就職するか、もしくは学校の教員となって数学の楽しさを伝えられる人材になりたいと思っています。
水上莉穂水上 莉穂
数理科学科 2年
東京都立 井草高等学校 出身

研究テーマ例

無限次元の図形を数式でつかむ
空間数理研究室:亀子 正喜 教授

抽象的な位相空間を代数的な手法で研究する代数的トポロジーや、多項式で定義された空間を研究する代数幾何を探求しています。ゼミでは輪講という形で数学を学びますが、文献を読み理解するには多大な努力が必要になります。この努力をすることにより論理的な考え方、表現の仕方を身につけることができ、確固たる数学の力を身につけて純粋数学の研究、既存のさまざまな分野や新しい分野に進出できるようになります。
無限次元の図形を数式でつかむ1ゼミでは輪講形式で文献を読むことを通して数学を学び、それを卒業論文の形にまとめます
無限次元の図形を数式でつかむ2新しい結果が得られればそれを英語の論文にまとめて出版し、全世界に向けて発信します

海外との活動事例

実社会に応用される数学
スラバヤ工科大学(インドネシア)とのグローバルPBL(Project Based Learning)

2019年度よりスラバヤ工科大学と定期的にグローバルPBLを行っています。本学科で学ぶ数学を、スラバヤ工科大学の学生とディスカッションを行うことにより、ウイルスの拡散状況や金融市場に関する問題などの様々な日常の問題に応用します。また、ディスカッションの合間に行われる両国の文化交流を通じて、豊かな国際感覚を養うことが出来ます。
インドネシア2019年の夏にスラバヤ工科大学を約2週間訪れ、現地学生とともにグループワークを行いました

卒業研究の例

三角関数の一般化

三角関数は回転や振動などの運動を記述するために不可欠な関数です。サインとその微分であるコサインは2乗和が1になるという著しい性質で特徴づけられ、たったこれだけの性質から自然界の様々な現象が説明できるのはまさに驚異といえます。三角関数が自然界と相性が良いのは物理的な距離を「2乗和」で計算するからですが、数学的には距離を一般化して「n乗和」で定義することも自由です。この変わった距離と相性の良い三角関数の類似物(一般化三角関数)を考えています。
三角関数の一般化
この研究の応用先
一般化三角関数を用いてある種の非ニュートン流体(ニュートン力学に従わない流体)の運動を記述することが可能です。また数学的には、三角関数に関連する内容をより体系的な枠組みの中で研究できる可能性を秘めています。加法定理のような等式が成り立つのかどうかもまだ未解決であり、開拓されたばかりの未知の分野で問題が山積しています。

検索エンジンGoogleの数理

Google検索の裏側ではグラフ理論や行列解析などの数学の理論が用いられています。Web上のリンク構造を大規模なネットワーク(有向グラフ)とみなし、コンピュータを用いた大規模な行列計算を行うことで、検索順位が決定されます。理論的なアプローチで、検索結果の改善やスパムサイトのフィルタリングを行う手法などを開発しています。
検索エンジンGoogleの数理
この研究の応用先
大規模ネットワークに対する解析手法は、グラフ構造で表現される他の様々なネットワークにも応用可能です。例えばFacebookやtwitterなどのSNSにおけるコミュニティー分析や政治家の勢力分析、またテロリストのネットワークにおいて中枢人物をみつけることなどにも応用できます。