工学部共通学群化学科目の堀 顕子准教授が「第8回 資生堂 女性研究者サイエンスグラント」を受賞しました。本学から初めての受賞で、6月12日に授賞式が資生堂花椿ホールにて行われました。堀准教授に、受賞研究と今後への意気込みについて聞きました。

<資生堂女性研究者サイエンスグラント>
資生堂が3月8日の国際女性の日に合わせ設立した同賞は、自然科学分野において指導的役割を担う女性研究者の支援と育成を目的とした研究助成で、毎回最大10名が自然科学全般の幅広い研究分野から選出されます。

分子を並び替え、新物質を創り出す

試行錯誤を繰り返す地道なものづくりである化学は、実験を繰り返す中で予想もつかなかったような発見に出会うことができるおもしろさがあります。受賞の対象となった研究テーマ「動的結晶場を用いた分子認識材料の開発 (色と形状を変えながら有害分子を捉える結晶の開発)」は、分子を積み木細工のように並び替え、自然界にない新たな物質を生み出す研究です。フッ素をまとった物質を作ることで、さまざまな分子を取り込んだ結晶が組み上がりました。物質を選択的に吸い込み、色で教えてくれる働きから、特定の物質に特化した吸着材料や発光材料など多彩な新素材・新デバイスの開発へと、多方面での応用が考えられます。

社会に役立つものづくりを目指して

今年から芝浦工大に就任したので、工学分野の研究室が集まっている環境を生かして研究を進めていきたいと思っています。これまでは『なぜ』という理学的な思考で研究を続けてきましたが、『(理学で得た現象を使って)どうする?』という工学的な思考で、実際に社会に役立てるところまでを目指したいです。また、今回資生堂女性研究者サイエンスグラントに応募したのは、小学生だった娘の「将来はお母さんみたいな研究者になりたい」という言葉があったから。理工系を学ぶ女性たちが依然として少ない中で、指導的立場から支援していきたいと思っています。

「私にもできる」と思ってもらえたら

現状では女性研究者のロールモデルが限られているため、構えてしまったり、諦めてしまう学生の姿を目にします。私を含め、いろいろなライフスタイルの研究者がいることを伝えていきたいです。12歳、8歳、5歳の3人の子育てをしながら研究を行ってきましたが、化学も子育ても『作る』『育てる』ということは共通しています。家庭を持ちながら、研究者として働き続けることはできます。そして、それは他の仕事と同じで、何も特別なことではないということを知ってほしいですね。好きな研究を職業として続けていくことに、ぜひ挑戦してみてほしいです。

本受賞によるつながりから、9月19日に大宮キャンパスで「資生堂・芝浦工大キャリアトークイベント『だから理工系は面白い』というシンポジウムが開催されます。企業や大学で活躍する理工系の女性が専門分野の面白さをリアルに語り、女性技術者・研究者の卵たちにエールを送ります。 参加希望者は9月16日までに下記イベント情報ページよりお申し込みください。