「卵を割らない」アイディアをどう人に伝えるか? 応用化学科1年生『たまご落としコンテスト』にバリエーション

学生が作成したマニュアルの一部
学生が作成したマニュアルの一部 学生同士のフィードバックにより文章力をも同時に鍛える
空気抵抗と衝撃吸収を考慮し、学生が作り上げた「たまご容器」
空気抵抗と衝撃吸収を考慮し、学生が作り上げた「たまご容器」

5月25日、応用化学科1年生の専門科目「工業化学概論」の授業内で、生たまごを約40mの高さからコンクリート地上に落下させても割れない「たまご容器」を製作し、その落下試験を行う『たまご落としコンテスト』が昨年に続いて開催されました。今年は、このコンテストを通して、自分のアイディアを他人に伝える工夫が要求される試みとなりました。

学生たちは3〜4人のグループに分かれ、B4サイズのケント紙1枚とセロハンテープのみを使い、1時間で「たまごを覆う容器」を製作するアイディアを考案。着地の衝撃を抑えたり、落下速度を落とすなど、独自のアイディアをA4用紙5枚以内のマニュアルにまとめました。このマニュアルを他のグループと交換し、それぞれマニュアルに従って容器を作製しました。設計したグループに完成品を見せると、「設計通りだ」「全然違うよ」などという声があがりました。

その後、豊洲キャンパス研究棟12階(高さ約40m)より、落下試験を実施。24班中6班が成功し、成功率は約25%となりました。翌週には、お互いのマニュアルを添削し合い、どう書けば伝わったかを検証し合いました。
プレゼンで最も優秀と評価された伊熊莉奈さんらのグループは、自分たちの作品、他班が作った作品ともに落下試験に成功。伊熊さんは「空気抵抗と衝撃吸収、どちらの点も取り入れられる容器を作り上げるまで、何度も作品をつくって実験を繰り返しました。今回の授業を通じて、失敗しても目標達成に対して仲間と努力する大切さを学ぶことができました」と話しています。

「中のたまごが割れた、割れないという結果も大事ですが、『なぜこうなったか』『何が伝わらなかったのか』と検証することが非常に重要。目の前の問題を解決するアイディアを出すとともに、それを人に伝えることが大学卒業者の仕事だからです」と話すのは担当教員の吉見靖男教授。「たまご落としは、独創性や問題解決力を養うものとして全国各所で行われています。今年はマニュアルの作成によって、文章力をも同時に鍛えるバリエーションができたと考えています」と、今回の成果を話しています。
 

 

「たまご容器」の製作に取り組む学生たち
「たまご容器」の製作に取り組む学生たち