2014年度 芝浦工業大学 学部・大学院 学位記授与式

2015年3月17日、東京国際フォーラム(ホールA)にて2014年度芝浦工業大学学部・大学院学位記授与式が執り行われました。
卒業を祝すかのような、初夏を思わせる陽気に恵まれ、卒業生たちは晴れやかな笑顔で会場に集いました。

学位記の授与は大学院工学研究科博士(後期)課程、大学院理工学研究科博士(後期課程)、同研究科論文博士、同研究科修士課程、専門職大学院工学マネジメント研究科専門職学位課程、工学部各学科、システム理工学部各学科、デザイン工学部デザイン工学科の授与者または総代が壇上に上がり、村上雅人学長より受け取りました。

村上雅人学長の告辞ではジャーナリストの千葉敦子さんのエッセイから「The sky is the limit」という一節を引用し、
「皆さんの可能性は無限なのです。皆さんのこれからの人生が、豊かで実りあるものになることを祈念いたします。」
と今後の人生に向けて、励ましの言葉を送りました(本記事後半に全文掲載)。

続いて各記念賞、専攻賞(※)、理工学研究科副専攻プログラム認定証書の授与が行われ、その後の理事長式辞では、五十嵐久也理事長から
「4月には社会人として新しいスタートが待っています。しかし、そのスタートを切る前に今一度考えて欲しいことがあります。君たちは自分の力だけで今日を迎えたわけではありません。
産まれてこの方、父、母、兄弟をはじめ多くの方々のおかげによって支えられてきたわけです。近い将来、結婚して子供をもった時に、ご両親がどんな思いで君たちを育ててきたかを知ることになります。今日は両親をはじめ自分を支えてきてくれた人たちに感謝の気持ちをささげて下さい。
そして今、君たちは自立する門の前に立っています。少しでも早く自立への道を歩き、ご両親をはじめご家族のみなさんを安心させていただきたいと思います。」

と言葉がかけられました。

最後は、音楽部(メンネルコール)と共に校歌を斉唱し、学位記授与式は幕を閉じました。

(※)
有元史郎記念賞は、創立者有元史郎先生を記念することを目的とし、専攻、学科、高等学校、中学校の学業、人物共に優秀な院生、学生及び生徒にこれを毎年度各1名授与するものです。
柳井久義記念賞は、芝浦工業大学の外国人留学生で成績優秀な者及び外国人留学生の支援について、特に功績のあった本学学生を顕彰するものです。
理工学研究科専攻賞は、各専攻で特に優秀な成績を収めた本学学生を顕彰するものです。

学位記授与者数

大学院理工学研究科博士(後期)課程 13人
大学院理工学研究科修士課程 380人
大学院工学マネジメント研究科 17人
工学部 1,114人
システム理工学部 418人
デザイン工学部 129人
学位記を手渡す村上学長
学位記を手渡す村上学長
五十嵐理事長による式辞
五十嵐理事長による式辞
2014年度 芝浦工業大学 学部・大学院 学位記授与式
2014年度 芝浦工業大学 学部・大学院 学位記授与式
2014年度 芝浦工業大学 学部・大学院 学位記授与式

告辞 - 芝浦工業大学 学長 村上雅人

本日は、卒業おめでとうございます。

また、多年にわたり皆さんを支援してこられたご家族にも心からお慶びを申し上げます。

卒業する皆さんに学長から伝えたいことがあります。それは、これからの日本を支えるのは、皆さんだということです。日本は、資源をもたない面積の小さな国です。その日本が世界のなかで輝き続けるためには、工業立国しかありません。大学で培った科学技術をもって日本を支える。それが、皆さんの使命なのです。
「ものづくりに頼っていたのでは、金もうけはできない。日本のような先進国は、マネーゲームに活路を見出すべき」という意見もあります。しかし、それが、いかに空しい考えかは、歴史を振り返れば明らかです。

外国で開催された国際会議に学生を引率して発表にいったとき、海外の多くの友人からうらやましがられました。そして、このような「ものづくり」に関する発表を若いひとがしてくれるのは頼もしいと喜んでもくれたのです。
アメリカの友人は、「わが国の学生は、ものづくりには興味がなく、あわよくばウォール街で一攫千金を夢見ている。日本では、若いひとが実業に関心を持っているのに驚いた。日本の工業力の一端がうかがえた」とまで言ってくれました。
日本には、「ものづくり」を大切にするという心が継承されており、それは若い人たちにも受け継がれています。これは、日本が世界に誇るべき伝統であり、日本の強みなのです。

もともと、日本にはものを大切にするという精神があり、ものづくりに対する畏敬の念がありました。神道には、ひとが創ったものであったとしても、長年使い続ければ、そこに神が宿るという「つくも神」という考えがあります。そして、長く使い続けることができる「もの」と、それをつくった「ものづくり」技術者に対する尊敬の念があったのです。
この精神は、世界に類をみない江戸時代のリサイクル技術にも見られます。江戸の街にはゴミがほとんどなかったと言われています。それは、長年培った知恵と工夫によって、すべてのものが無駄に捨てられることなく、有効利用されていたからなのです。そして、古くなった部品をリサイクルして再利用するという観点から初期設計がなされていたのです。
皆さんには、日本のこのよき伝統を継承いただき、創造力にあふれた「ものづくり」技術の開発によって、日本の明るい未来を築いていただきたいのです。
ひとは、物欲や金で満足することはありません。人生を豊かにするものは「夢」であり、そして、自分の為すことが社会やひとの役に立っていると感じるとき、安寧が得られるとされています。
日本人の多くが「ものづくり」に魅力を感じるのは、そこには夢があり、そして、多くのひとの役に立つということが実感できるからではないでしょうか。そして、日本人は、「ものづくり」の名人や作品には惜しみない拍手を送り、尊敬もします。単なる金もうけだけのひとには何の魅力も感じません。マネーゲームでは満足感は得られないのです。

実は、「ものづくり」は知の探求にもつながっています。人類は、その長い歴史の中で無知を嫌い、真実に迫ろうと努力してきました。そして、その過程で、多くのなぞを解明し、宇宙の真理に迫り、同時に、人類にとって有用なものを発明してきたのです。それが、結果として、豊かさにつながっています。
金で買えるものなど、高が知れています。ひとの心を金で買うことはできません。そして、なにより大事なことは、頭で考えることには限りがないということです。さらに、「ものづくり」の技にも頂点はなく、無限の広がりを持っているのです。

皆さんは、The sky is the limitという英語の言葉を聞いたことがありますか。直訳すれば、「空が限界」となります。しかし、空は宇宙へとつながり、果てがありません。したがって、"The sky is the limit"は「あなたの可能性は無限だ」という意味となります。

わたしが、この言葉に出会ったのは、千葉敦子さんというグローバル社会で活躍したジャーナリストが書かれた「若いあなたへ」というエッセイでした。彼女は、その中で、つぎのような一文を残しています。

"Do not underestimate your own potential ability. You may be surprised how much you can do when you really try. Don't give up too soon. And don't listen to discouraging advice. Keep your goal high, and take a realistic first step now. And always remember that the sky is the limit."

「自分の潜在能力をみくびってはいけません。あなたが、本気になって挑戦したとき、自分がどれだけのことができるかに驚くはずです。すぐにあきらめないで。それに、否定的な忠告にも耳を傾けてはいけません。自分の目標を高く持ち、いまから確かな一歩を踏み出しましょう。そして、忘れないでください。あなたの可能性は無限なのだということを」

皆さんの可能性は無限なのです。皆さんのこれからの人生が、豊かで実りあるものになることを祈念して、学長の告辞といたします。

式辞 - 学校法人芝浦工業大学 理事長 五十嵐久也

はじめに、学部、修士、博士の学位を授与され、芝浦工業大学を卒業した諸君に、心からお祝いを申し上げます。また、君たちを支えていただいた多くの方々、特にご両親、ご家族の皆様へ、衷心よりお祝いを申し上げます。

「実業界の中堅たるべき技術者を養成し、併せて徳性の涵養に努むるを以て目的とす」

これは、本学の創立者である有元史郎が、東京高等工商学校設立の際に、学則第一条の目的に掲げた言葉です。資源の乏しい日本が、今後世界を相手に発展していくためには、科学技術立国たる日本を創らなければならない。
その為には実学教育による技術者の育成が国家繁栄の道であると考え、この芝浦工業大学を設立しました。その時、有元史郎は弱冠30歳でした。
この創立の理念は現代の日本が求める人材像であります。日本が世界市場で勝ち残るには、絶えまざる技術革新により日本発の優位性を発揮し続けることが重要であります。
中堅の技術者というのは、その組織における中核、中心となる人材という意味です。社会人としての取り組みの中でその中核的存在になるよういっそうの努力をしていかねばなりません。

グローバル化の時代においては、外国の人たちからも信頼されることも重要なことです。有元史郎は同時に徳性の涵養ということも言っていますが、広く文化や歴史を学び、自分の考えをはっきり持ち、多様性を理解し、相手を受けいれる思想が必要であります。
これからの長い人生では、いろいろな局面で大きな壁にぶつかることもあるでしょう。
その時には、この有元史郎の哲学、学長の告辞を思いおこして発奮してほしいと思います。

本学は、創立100周年を迎える2027年に日本の理工系私立大学トップの評価を社会から得られるべく、
改革や教育環境の改善を進めています。トップの評価を得るためには、大学の発展もさることながら卒業生の社会に於ける活躍そのものも問われることになります。
私がお願いしたいことは、芝浦工業大学のブランドを大切にしながら、社会において成功を収めて欲しいということです。
諸君の活躍により、ますますブランド力が向上するように、大いに期待するところであります。

本学の卒業生は国内はおろか外国も含んでおよそ12万人が活躍しています。
就職先や地域において、必ずや本学の卒業生に出会うことでしょう。どうか、先輩には敬意を払い、後から続く後輩にも配慮してください。
そして、本学の発展を見守るだけでなく、手を貸してください。今日から君たちは校友会の会員です。大学の発展とともに、校友会も発展することでブランド力は更に高まっていきます。

自分の卒業した大学が社会から評価され、尊重されることは、本当に嬉しいことです。そのことは、仕事のやりがいにもつながります。仕事の助けにもなります。本学を卒業し、校友会員でもある私はそのことを良く知っています。芝浦工業大学が社会から高い評価をされるということは自分自身にも価値をもたらし、力を与えてくれます。

4月には社会人として新しいスタートが待っています。しかし、そのスタートを切る前に今一度考えて欲しいことがあります。君たちは自分の力だけで今日を迎えたわけではありません。
産まれてこの方、父、母、兄弟をはじめ多くの方々のおかげによって支えられてきたわけです。近い将来、結婚して子供をもった時に、ご両親がどんな思いで君たちを育ててきたかを知ることになります。今日は両親をはじめ自分を支えてきてくれた人たちに感謝の気持ちをささげて下さい。
そして今、君たちは自立する門の前に立っています。少しでも早く自立への道を歩き、ご両親をはじめご家族のみなさんを安心させていただきたいと思います。

もう一度心からのお祝いを申し上げるとともに、芝浦工業大学の卒業生として、その能力を十分に発揮し、世界中のどこへ行っても本学卒業生としての誇りを忘れず、世の中にその存在を示していただけることを願って、お祝いの言葉といたします。

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