集合住宅の内装仕上工事における投入資源あたりの労務工数の平準化に関するシミュレーション分析

坂倉 渓介さん

最近では建設業の職人不足問題が大きく取り上げられるようになり、さらに今後も深刻化することが懸念されている。そこで坂倉さんは、建設作業所の生産性を向上させるために、作業者編成の最小単位である施工チームの稼働率(作業可能時間に対する実働作業時間の割合)の向上を目的に研究を行い発表した。目的を言い換えれば、同じ作業量をより少ない人数で効率的に無駄なく計画することだという。

具体的には集合住宅などの単位作業空間で同じ工程を繰り返す作業工程の計画についての研究。内装工事期間中の施工チームの手待ち時間に着目し、2つの考え方に基づいて稼働率を高めるような計画手法を例示、シミュレーションを行い、結果に対し考察した。1つめは全体工期の中で開始時刻や終了時刻に余裕のある作業について、作業開始時刻を変動させる手法。2つめは稼働率が低い施工チームの担当作業を、他の類似作業を行っている施工チームに代替する手法。それぞれ、施工チームの単位時間あたりの作業量を平準化し、稼働率の向上を図った。

受賞にあたって今後の展望を坂倉さんは「賞を頂いたことにはとても嬉しく思っています。しかし、今回の論文では、結果的にあまり効果を得られず、現状ではこれ以上の稼働率の向上はできないのではないか、ということを述べています。研究全体の目的は変わりませんが、今後は研究内容の幅を広げ、さらに深めていくつもりです。」と話している。

<指導教員:蟹澤 宏剛教授(建築工学科)>